

「Cafe物語」
~第2話 / 家族その1~
「私のCafeにおいでよ」
Cafeにおいでよ 私のCafeに
みんなで笑顔で 話そう今夜も
Come on Come on Happy Happy
Until a morning tonight
私のCafeは出会いとやすらぎの 心のユートピア
「お客様 今夜のご注文は?」
友達ココア?おしゃべりミックスピザ?それとも運気上昇オムライス
他にも足跡ケーキBBSナポリタンなど 美味しいメニューが盛りだくさん
Cafeにおいでよ 私のCafeに
私のCafeは年中無休の ウェブログ喫茶
come on come on happy happy
a heart and hearts gather an open space of the happiness
私のCafeは年中無休の 至福のユートピア
私のCafeは年中無休の 24時間営業中
come on come on happy happy
Everybody is your friend Brilliant smiling face
私のCafeは年中無休の 愛のパラダイス
「お客様、どうぞ明日もお越しをお待ちしています・・・」
僕(滝沢翔太)を、小山陽子とのネットカフェでの擬似恋愛ショック悲しみのどん底から救ってくれたのが、吉野さくらという大阪に住んでいる、一人の女性から届いたミニメールだった。
さくらの話によると、彼女は以前からちょくちょくとネットカフェの“おとぎのお家”に出入りしていて、僕のことを気に掛けていてくれいたらしい。
それは、何故かと言うと、さくらの目にはそれが真実の話かどうかは別にして、小山陽子がネットカフェで遊びなれている風に見えて、僕の手ぬるいさもすると知恵遅れの人のような会話(タイピング)や、センスの悪いファッションに嫌気がさし、いずれしても僕が彼女に振られるのは、彼女の都合による時間の問題だと思っていたからからだという。
そんな訳で、吉野さくらとの出会いは、一通のミニメールから始まった予想もしていなかった出会いだったが、何故か?不思議に気が合いいつの間にか気が付くと、まるで現実の家族でもあるかのように、彼女と会って話をする時には「ただいま・・・」「おかえり・・・」というのが、最初の挨拶の言葉になっていた。
それは何故か?さくらが若い女の子の割には、常に「家族って、すごく大事なものだよね・・・」って、口癖のように言っていたからだった。
もちろん、その間さくら以外の多くの人たち(ネットカフェの客)とも出会ったが、一番さくら話している時がホッとして、本当に現実の家族のもと帰った時のように気が楽になった。
そして、最初にそのやり方を教えてもらって、チャットを初体験したのも彼女だった。
もちろん、それと同時に、さくらとの出会いは常に僕の傷ついた心をやさしく和ませてくれて、小山陽子に失恋したことなんかすぐに忘れさせてくれた。
その時、僕がさくらのために書き、彼女に送った詩が下記の内容だ。
家族
「ただいま」
「おかえり」
こんな単調な言葉に 母の愛を知らずに育った分だけ
誰よりも強く憧れた 苦悩と孤独の日々の少年時代
ある日学校で 母の絵を描いたとき
顔が分からずに 真っ黒く塗りつぶした少年時代
あれから時間は移ろい 君とめぐり逢い
生まれた年も月日も違う 名前も顔も知らない二人が
何時からだっただろうか 一緒に暮らし始めて
自然に“家族”と 呼び合うようになったのは
世界の偉大な人の運命に比べたら 僕らの人生設計なんて
望遠鏡で見ても見えないような ちっぽけなものだけど
“家族”という名の 限りない愛の魔法の力で
世界で一番大きな夢に いつかはチャレンジしてみたいねと
二人で冗談交じりに語った 君が花嫁衣裳を着た日
だけどもうどうでもいいんだよ そんな届かない夢のことなんか
この両手を伸ばせばすぐ届く場所に 僕が少年時代に描いていた家族の夢を
君が桜の花が咲く季節に 新しい生命と一緒に運んで来てくれたから
「パパとママ」という 大きな未来の夢を
ただ、さくらと付き合うようになって半年が経った頃、彼女から意外なことを告白された。
それは、さくらが今集団訴訟問題で今テレビのニュースなどで話題になっている、薬害によるC型肝炎(HCV)の血友病患者であることだった。
「えっ?!C型肝炎血友病患者・・・」
その時は、まだ正直に言うと僕自身C型肝炎についての知識がほとんどなかったために、それがまさか最終的にさくらの命までを奪うような重い症状(肝硬変や肝がん)を引き起こす、進行性のあるがん細胞のように人間の肉体を蝕む有害なウィルス性の病気だとは少しも思っていなかった。
※今回の作品~青春うたものがたりシリーズ4~「Cafe物語」の中で、私がつけたそれぞれの人生の“ターニングポイント”は、「緑の文字」の部分です。ぜひ、みなさんもこの作品を読んでみて、自分だったらどの部分を自分の人生の“ターニングポイント”にするか?チェックしてみてください。ただし、このものに対しては、誰が選んだものが正解だとか不正解だとかという決まった答えはありませんが、精神心理学の専門家の話によりますと、その選び方ひとつで、みなさんのこれからの人生の運命が、幸せになるのか不幸になるのかの、そのふたつのどちらかかの「運命の道」に、間違いなく分かれて行くことだけは確かなことのようです。
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