―5月4日(水)午後、自然観察パーク
ビジターセンターから、ヨシ原、淡水池の横を通って、はるばる砂利石川の河口が見渡せる公園の端までやってきた原口さんと二町さん。2人とも首に双眼鏡。手に、原口さんはカウンター、二町さんはメモ帳。年に1度のお祭りを明日に控え、砂利石川河口の野鳥個体数調査である。原口さんの読みは正しかった。引き潮で砂地が多く現れた砂利石川の河口では、多くのシギ・チドリ類が羽を休めていた。長旅の休息には、絶好の自然環境である。原口さんは双眼鏡に手を掛ける。
「まずは・・・キアシシギからいくかのぉ。」
原口さんの親指がテンポよくカウンターのスイッチを押す。姿の似通ったシギ・チドリの中からキアシシギを瞬時に識別する技術、能力は相当なものである。一通り河口を見渡し終えると、カウンターの数値を確認して二町さんに伝える。
「キアシ、38。」
「は~ぃ。」
“・キアシ 38”
二町さんがメモ帳に記録する。1種ずつ、この繰り返しである。この気長な作業を終え、記録漏れの種がいないかを確認している時だった。
「・・・お?」
原口さんの双眼鏡が、ある1羽の野鳥を捉えて止まった。そして、二町さんの目が輝く。
「居ました!?珍しいの!!」
「おう。こりゃ・・・なかなか珍しいぞ!探してみぃ。」
「わ~!わくわくする!」
二町さんが相当に期待するのも無理はない。シギ・チドリ類の多くは旅鳥である。元々、他の場所への移動中に立ち寄っている状況を観察している訳だから、その中に普段は別の場所に立ち寄っている種が1、2羽混じる場合が多くある。そのような種は迷鳥として分類されることとなるから、シギ・チには、迷鳥が比較的多いのだ。
・・・しかし。二町さんがいくらシギ・チを1羽1羽丁寧に観察しても、怪しい個体は見つからない。
「あれ~?う~ん・・・あれは・・・・普通のハマシギよね・・・多分。」
確かにシギ・チは模様が似通っているし、二町さんに原口さんほどの識別能力はない。とはいえ、二町さんも経験を積んだ立派なレンジャーの一員だ。趣味のバードウオッチャーに比べると、頭1つも2つも抜けていることは間違いない。そんな二町さんが、完全なお手上げ状態。
「原口さ~ん。もぉ降参です~。そろそろ教えてくださいよ~。」
ヘルプを出す二町さんを、原口さんは思いっきり突っぱねる。
「バカ。もうちょっと自分で頑張って探さんか!」
「うぅ・・・。私の気のせいですかね?最近、原口さんに怒られてばかりな気がするのは・・・。」
気のせいではないかもしれない。
「そりゃの。いつまでも成長が見られんからじゃ。」
それも・・・一理ある。
―5月5日(木)、伊豆背自然観察パーク
主役は僕たち。さぁ!!こどもの日である。前日に大腸癌で入院したじぃちゃんの事が気にならない訳じゃない。でも、せっかく部活も休み。両親の説明では手術で完治するという話だし、今日はおもいっきり楽しむと決めている。僕と真悟は、1時過ぎに観察パークに到着した。そして飛び込んできた光景に、驚くと共に、完全に失敗したと思った。
「食べてくるんじゃなかった・・・昼食。」
なんと!普段は閑静すぎるほど閑静なビジターセンターへの一本道の両脇に、出店が!焼きそば、焼き鳥、フランクフルト・・・主要なものは大体ある。いつもは観察パークに工作へやってくる親子がメインだが、それなりのにぎやかさも完成されている。これ・・・いいのか!?鳥逃げるんじゃね!?自然に悪影響ないの!?
とにかく、結構本格的に普通にお祭りだ!!
「おぃ~!ゴリラ!!毎年のように来よんやろ!?教えて~や。昼こっちで食べたかった。」
「うほ?食べるよ?こっちでも。」
僕が間違ってるのではと思ってしまうほどのドヤ顔回答・・・。真悟の辞書に満腹という言葉はない。悪気がある訳じゃない。人体・・・いや生物種の構造の違いだ。
「タツも来れればよかったのにね。まぁ・・・とりあえずはさ。2度目の昼食の前に、レンジャーの皆さんに挨拶済まそ。」
違和感のあるにぎやかなこの直線を、今にも出店に釣られそうな真悟を引っ張りつつ、ビジターセンターの入り口へ向かう。
僕と真悟が入り口の自動ドアに近づくと、扉が開いた。ただ、非常にややこしいが、これは僕たちが近づいたからではない。中から、首にカメラを下げた男性が出てきたからだ。
「・・・げ。」
さっきの“男性”という表現・・・100%の保障は持てない。
「わ~ォ!!藤村師匠ジャナ~イ!!!お祭り楽しんデル~??」
僕の顔を見るなり、笑みが溢れている。出た!!!守田大治郎さんっっ!!・・・藤村師匠!?僕はいつからこの人の何の師匠になったんだ!?!?そんな疑問は後!本能が危険な香りを感じ取っているのか、真悟が少し身構えている。怪しい人でない事を先に説明せねば。
「ゴリラ、この人はね、西南西新聞の記者で守田大治郎さん。ほら、ちょっと話せんかったっけ?この間の日曜日に、変な・・・いやユニークな新聞記者の人と知り合いになったって。」
「あぁ!そういえば言いよったね。初めまして。えっと、あっくんの友達の植村真悟と申します。」
「エエン!?あの長身でゴリラ似の!?」
開いた両手を軽く口元へ。あの乙女な驚き方!!
「それですね。改めて俺って残念な特徴。」
そういえば、僕も最初は真悟と勘違いされたっけ・・・似ても似つかない。念願の真悟との対面を果たした守田さんのハイテンションは止まらない。
「会えて嬉しいワヨ~。噂には伺ってマス。私、西南西新聞で毎週水曜日のコーナー『野鳥の楽園ダヨ!伊豆背自然観察パーク!』を担当してるんだけどね、『“スーパー中学生バードウォッチャー”ゴリ・・・植村ちゃん!』で1回特集組みたかったノ!!ゴリ・・・植村ちゃん、ちょとだけ取材イイ??」
戸惑いつつも承諾する真悟。
「いいんですか?俺で。あっ・・・後、呼び名、ゴリラでいいですよ。もう慣れてるんで。」
歴史的な瞬間だ。
“ゴリラ”という仲間内ニックネームが今!!公共の場へと羽ばたいた。
「悪いワネ。じゃ!ゴリラちゃん!ここじゃ邪魔になるからちょっと向こうで。」
守田さんと真悟は、焼きそばの出店の隅に移動し、僕は一時的に独りになった。
ふと、お祭りのにぎやかな雰囲気の中で感じる疎外感。気がつくと僕は、戸惑いながらも一生懸命に取材に答える真悟を、羨ましいような悔しいような気持ちで遠目に見つめていた。
「すげぇなぁ・・・ゴリラ。」
ナベヅルの帰り道、オッキーが僕に話してくれた論理は、本当にその通りだと思う。オッキーは、ソフトテニスが好きだから上手くなりたい。僕にとってはバードウォッチングが、オッキーのテニスと同じだ。勿論僕だって、少しずつはバードウォッチャーとして前進していると思うし、何より真悟とはキャリアが違う。今は、自分がバードウォッチングに向いているという事も、自信を持って宣言出来る。ただ最近、以前とはまた違う意味で、真悟の凄さを感じて少し辛くなるときがある。現時点で、中学生バードウォッチャーとして注目され、取材を受けるほどの真悟。それに比べてまだまだ自分は・・・でもいつか追いつきたい!
真悟は僕にとって、大切なバードウオッチング友達であり大きな目標でもある!
取材を終えた真悟が戻ってきた。
「あっくん、お待たせ!」
「おぅ!いいよ!」
いい取材が出来たのか満足気な守田さんは、今度は僕たち2人にこんな提案をする。
「アン!そうだ!1枚どうカシラ?記念写真。」
「お!いいんですか!?撮ってもらおうや、あっくん。」
「うぅ・・・。まぁ・・・じゃぁ・・・。」
ノリノリの真悟に対し、写真嫌いの僕。断るのも悪いから、お祭りの雰囲気が最大限に感じられる一本道をバックに2人が並ぶ。
「ねぇねぇ!!俺、こんなポーズはどうかなと思うんやけど!!」
そう言って、グーに握った両手の拳を、片手を顔の横、もう一方を胸の辺りにもって行く真悟。ゴリラか。
「あ・・・いや、僕はピースでいいや。」
「え?そう?あ、あっくん写真嫌いやもんな。」
好きでもそのポーズは遠慮すると思う。
「ハ~イ。じゃぁ撮るワヨ~。ハイ!チーズ!」
明るいからフラッシュがなくてわからないが、多分、シャッターが下りた。
「よっしゃ・・・撮れたワヨ。ン~。藤村師匠、表情が固い~。」
そうだ・・・師匠の謎、まだ聞いていなかった。
「写真ありがとうございます。で、あの、守田さん。師匠って何ですか?」
僕のこの質問に、守田さんは顔を赤くする。
「そりゃ・・・その・・・モォ!恥ずかしいジャナ~イ!
あゆみちゃんとの・・・関係における師匠ヨ!」
「・・・。」
誰かこの人止めてほしい!!
「あゆみちゃんって・・・あのあゆみちゃん??」
「あ~そぉそぉ。」
守田さんの眉間にシワが寄る。
「・・・エ?ゴリラちゃんも・・・あゆみちゃん知ってるノ??」
「はい。あっくんと一緒に行った1泊2日のナベヅルミーティングで一緒だったんで。」
ちょ!!真悟!!そのワードは駄目だ!!!
「1泊・・・はふっ、ハフッ・・・!!」
「守田さん!?え!?あっくん何これ、過呼吸!?」
「やはり!?!?」
はぁ・・・到着して30分。まだ、お祭りを楽しむ前段階の挨拶すら済ませていない僕たち。ここ3人だけ、周りとは別の意味で大にぎわいだ。これからいったいどうなる事やら。
「守田さん!大丈夫ですか!?落ち着いて!」
「はぁ・・・何とか・・・大丈夫ヨ。ありがとネ。藤村師匠と・・・
ゴリラ師匠。」
やっぱね。そうなるのね。
ビジターセンターから、ヨシ原、淡水池の横を通って、はるばる砂利石川の河口が見渡せる公園の端までやってきた原口さんと二町さん。2人とも首に双眼鏡。手に、原口さんはカウンター、二町さんはメモ帳。年に1度のお祭りを明日に控え、砂利石川河口の野鳥個体数調査である。原口さんの読みは正しかった。引き潮で砂地が多く現れた砂利石川の河口では、多くのシギ・チドリ類が羽を休めていた。長旅の休息には、絶好の自然環境である。原口さんは双眼鏡に手を掛ける。
「まずは・・・キアシシギからいくかのぉ。」
原口さんの親指がテンポよくカウンターのスイッチを押す。姿の似通ったシギ・チドリの中からキアシシギを瞬時に識別する技術、能力は相当なものである。一通り河口を見渡し終えると、カウンターの数値を確認して二町さんに伝える。
「キアシ、38。」
「は~ぃ。」
“・キアシ 38”
二町さんがメモ帳に記録する。1種ずつ、この繰り返しである。この気長な作業を終え、記録漏れの種がいないかを確認している時だった。
「・・・お?」
原口さんの双眼鏡が、ある1羽の野鳥を捉えて止まった。そして、二町さんの目が輝く。
「居ました!?珍しいの!!」
「おう。こりゃ・・・なかなか珍しいぞ!探してみぃ。」
「わ~!わくわくする!」
二町さんが相当に期待するのも無理はない。シギ・チドリ類の多くは旅鳥である。元々、他の場所への移動中に立ち寄っている状況を観察している訳だから、その中に普段は別の場所に立ち寄っている種が1、2羽混じる場合が多くある。そのような種は迷鳥として分類されることとなるから、シギ・チには、迷鳥が比較的多いのだ。
・・・しかし。二町さんがいくらシギ・チを1羽1羽丁寧に観察しても、怪しい個体は見つからない。
「あれ~?う~ん・・・あれは・・・・普通のハマシギよね・・・多分。」
確かにシギ・チは模様が似通っているし、二町さんに原口さんほどの識別能力はない。とはいえ、二町さんも経験を積んだ立派なレンジャーの一員だ。趣味のバードウオッチャーに比べると、頭1つも2つも抜けていることは間違いない。そんな二町さんが、完全なお手上げ状態。
「原口さ~ん。もぉ降参です~。そろそろ教えてくださいよ~。」
ヘルプを出す二町さんを、原口さんは思いっきり突っぱねる。
「バカ。もうちょっと自分で頑張って探さんか!」
「うぅ・・・。私の気のせいですかね?最近、原口さんに怒られてばかりな気がするのは・・・。」
気のせいではないかもしれない。
「そりゃの。いつまでも成長が見られんからじゃ。」
それも・・・一理ある。
―5月5日(木)、伊豆背自然観察パーク
主役は僕たち。さぁ!!こどもの日である。前日に大腸癌で入院したじぃちゃんの事が気にならない訳じゃない。でも、せっかく部活も休み。両親の説明では手術で完治するという話だし、今日はおもいっきり楽しむと決めている。僕と真悟は、1時過ぎに観察パークに到着した。そして飛び込んできた光景に、驚くと共に、完全に失敗したと思った。
「食べてくるんじゃなかった・・・昼食。」
なんと!普段は閑静すぎるほど閑静なビジターセンターへの一本道の両脇に、出店が!焼きそば、焼き鳥、フランクフルト・・・主要なものは大体ある。いつもは観察パークに工作へやってくる親子がメインだが、それなりのにぎやかさも完成されている。これ・・・いいのか!?鳥逃げるんじゃね!?自然に悪影響ないの!?
とにかく、結構本格的に普通にお祭りだ!!
「おぃ~!ゴリラ!!毎年のように来よんやろ!?教えて~や。昼こっちで食べたかった。」
「うほ?食べるよ?こっちでも。」
僕が間違ってるのではと思ってしまうほどのドヤ顔回答・・・。真悟の辞書に満腹という言葉はない。悪気がある訳じゃない。人体・・・いや生物種の構造の違いだ。
「タツも来れればよかったのにね。まぁ・・・とりあえずはさ。2度目の昼食の前に、レンジャーの皆さんに挨拶済まそ。」
違和感のあるにぎやかなこの直線を、今にも出店に釣られそうな真悟を引っ張りつつ、ビジターセンターの入り口へ向かう。
僕と真悟が入り口の自動ドアに近づくと、扉が開いた。ただ、非常にややこしいが、これは僕たちが近づいたからではない。中から、首にカメラを下げた男性が出てきたからだ。
「・・・げ。」
さっきの“男性”という表現・・・100%の保障は持てない。
「わ~ォ!!藤村師匠ジャナ~イ!!!お祭り楽しんデル~??」
僕の顔を見るなり、笑みが溢れている。出た!!!守田大治郎さんっっ!!・・・藤村師匠!?僕はいつからこの人の何の師匠になったんだ!?!?そんな疑問は後!本能が危険な香りを感じ取っているのか、真悟が少し身構えている。怪しい人でない事を先に説明せねば。
「ゴリラ、この人はね、西南西新聞の記者で守田大治郎さん。ほら、ちょっと話せんかったっけ?この間の日曜日に、変な・・・いやユニークな新聞記者の人と知り合いになったって。」
「あぁ!そういえば言いよったね。初めまして。えっと、あっくんの友達の植村真悟と申します。」
「エエン!?あの長身でゴリラ似の!?」
開いた両手を軽く口元へ。あの乙女な驚き方!!
「それですね。改めて俺って残念な特徴。」
そういえば、僕も最初は真悟と勘違いされたっけ・・・似ても似つかない。念願の真悟との対面を果たした守田さんのハイテンションは止まらない。
「会えて嬉しいワヨ~。噂には伺ってマス。私、西南西新聞で毎週水曜日のコーナー『野鳥の楽園ダヨ!伊豆背自然観察パーク!』を担当してるんだけどね、『“スーパー中学生バードウォッチャー”ゴリ・・・植村ちゃん!』で1回特集組みたかったノ!!ゴリ・・・植村ちゃん、ちょとだけ取材イイ??」
戸惑いつつも承諾する真悟。
「いいんですか?俺で。あっ・・・後、呼び名、ゴリラでいいですよ。もう慣れてるんで。」
歴史的な瞬間だ。
“ゴリラ”という仲間内ニックネームが今!!公共の場へと羽ばたいた。
「悪いワネ。じゃ!ゴリラちゃん!ここじゃ邪魔になるからちょっと向こうで。」
守田さんと真悟は、焼きそばの出店の隅に移動し、僕は一時的に独りになった。
ふと、お祭りのにぎやかな雰囲気の中で感じる疎外感。気がつくと僕は、戸惑いながらも一生懸命に取材に答える真悟を、羨ましいような悔しいような気持ちで遠目に見つめていた。
「すげぇなぁ・・・ゴリラ。」
ナベヅルの帰り道、オッキーが僕に話してくれた論理は、本当にその通りだと思う。オッキーは、ソフトテニスが好きだから上手くなりたい。僕にとってはバードウォッチングが、オッキーのテニスと同じだ。勿論僕だって、少しずつはバードウォッチャーとして前進していると思うし、何より真悟とはキャリアが違う。今は、自分がバードウォッチングに向いているという事も、自信を持って宣言出来る。ただ最近、以前とはまた違う意味で、真悟の凄さを感じて少し辛くなるときがある。現時点で、中学生バードウォッチャーとして注目され、取材を受けるほどの真悟。それに比べてまだまだ自分は・・・でもいつか追いつきたい!
真悟は僕にとって、大切なバードウオッチング友達であり大きな目標でもある!
取材を終えた真悟が戻ってきた。
「あっくん、お待たせ!」
「おぅ!いいよ!」
いい取材が出来たのか満足気な守田さんは、今度は僕たち2人にこんな提案をする。
「アン!そうだ!1枚どうカシラ?記念写真。」
「お!いいんですか!?撮ってもらおうや、あっくん。」
「うぅ・・・。まぁ・・・じゃぁ・・・。」
ノリノリの真悟に対し、写真嫌いの僕。断るのも悪いから、お祭りの雰囲気が最大限に感じられる一本道をバックに2人が並ぶ。
「ねぇねぇ!!俺、こんなポーズはどうかなと思うんやけど!!」
そう言って、グーに握った両手の拳を、片手を顔の横、もう一方を胸の辺りにもって行く真悟。ゴリラか。
「あ・・・いや、僕はピースでいいや。」
「え?そう?あ、あっくん写真嫌いやもんな。」
好きでもそのポーズは遠慮すると思う。
「ハ~イ。じゃぁ撮るワヨ~。ハイ!チーズ!」
明るいからフラッシュがなくてわからないが、多分、シャッターが下りた。
「よっしゃ・・・撮れたワヨ。ン~。藤村師匠、表情が固い~。」
そうだ・・・師匠の謎、まだ聞いていなかった。
「写真ありがとうございます。で、あの、守田さん。師匠って何ですか?」
僕のこの質問に、守田さんは顔を赤くする。
「そりゃ・・・その・・・モォ!恥ずかしいジャナ~イ!
あゆみちゃんとの・・・関係における師匠ヨ!」
「・・・。」
誰かこの人止めてほしい!!
「あゆみちゃんって・・・あのあゆみちゃん??」
「あ~そぉそぉ。」
守田さんの眉間にシワが寄る。
「・・・エ?ゴリラちゃんも・・・あゆみちゃん知ってるノ??」
「はい。あっくんと一緒に行った1泊2日のナベヅルミーティングで一緒だったんで。」
ちょ!!真悟!!そのワードは駄目だ!!!
「1泊・・・はふっ、ハフッ・・・!!」
「守田さん!?え!?あっくん何これ、過呼吸!?」
「やはり!?!?」
はぁ・・・到着して30分。まだ、お祭りを楽しむ前段階の挨拶すら済ませていない僕たち。ここ3人だけ、周りとは別の意味で大にぎわいだ。これからいったいどうなる事やら。
「守田さん!大丈夫ですか!?落ち着いて!」
「はぁ・・・何とか・・・大丈夫ヨ。ありがとネ。藤村師匠と・・・
ゴリラ師匠。」
やっぱね。そうなるのね。
守田さんww意外とキャラとして成立したわwwくそ面白いやんこの人ww
★次回予告★
藤村VS植村!?!?
お祭り最大のイベントがスタート!!
ここの話、書くの楽しみやったんよ^^
あっくんなんかいいことあった?
むしろ誰か何か起こしてーやw
マジレスすると、103話がちょっと暗い話やけ次は思いっきりふざけたいってのはある