2年生になって1ヶ月弱。新しいクラスにも違和感がなくなってきた。ただクラス分けは、かなりバラバラになってしまった印象だ。僕の周りによくいる人でいくと、1組に僕とウッチン。2組に真悟とおだちゃん。3組におっきー・・・あと明。4組にタツ。そして今年、僕たちソフトテニス部の顧問でもあり1年の時は僕の担任、ロシアンルーレット的扱いの阿東工事が担任することとなったのは・・・4組!!始業式で担任が発表された時のタツの表情は、この世の終わりが来たかのようだった。
昼休み。口元にミートソースを付けたままのウッチンが、丸い身体を弾ませながらやって来た。
「いや~今日のスパゲッティも絶品やったね!ギャハ!」
クラスが一緒になった事もあって、最近はウッチンとよく話をする。一時期、ウッチンと仲があまりよくなかったのが嘘のようだ。
「今日もさぁ、朝あっくんギリに来るけ~さ。ほんとは朝イチで話したかったのに~。」
「お!何なに?それから口元・・・反対側、うん、ミートソース。」
ウッチンは僕と反対に、朝は意味も無く早くから学校にいるタイプ。その甲斐あってか色々な情報が集まるようで、ウッチンが耳に入れた情報を聞くのが、僕の最近の楽しみの一つでもある。
「まず!今日はこの話題は外せんやろ!昨日のランキング戦!ぎゃは!」
おぉ!昨日は夕方から色々あって忘れていた!そうか。胃腸炎のタツと、不参加の僕以外は昨日がランキング戦だった。
「前衛の2年一番手争いはどうなった!?ど~せまたオッキーとゴリラの一騎打ちでファイナルセットとかやろ!?」
やっぱりそこの対決が一番気になる!
「いや・・・それがオッキーのラブゲーム。ぎゃは・・・は。」
「・・・え?」
意外だった。オッキーの方が、確かに実力では上だから勝つのはわかるが、真悟もいつもなら体格を生かして結構ネバる。真悟が1ゲームも取れないとは・・・。
「俺もさぁ~よくわからんのやけど、おだちゃんが言うにはよ?オッキーは目つきが変わったとか。1月・・・くらいから?」
「そっか・・・1月。」
“バードウォッチングをやめようと思う。”“今の東岐波の1番になる!!”
ナベヅルミーティングの帰り道、あれだけ自分の思いを話してくれたんだ。気合の入り方が誰よりも上なのはよくわかる。きっと練習量もハンパではないのだろう。それに実力が伴ってきたということだろうか。
「まぁとりあえず、ゴリラはかなり悔しそうやった。今日も凹み気味なんじゃね??」
「なるほどね。聞いといてよかった。」
真悟には後から、昨日のスズちゃん事件を報告に行こうと思っていたが・・・またでいいかもしれない。・・・で、ついでに。
「そいや、後衛は?」
「ぎゃはははは!!!!」
「うわっ!何!?」
うっちんの表情からして・・・今の笑いは「よくぞ聞いてくれました!!!!」という所か。
「俺1番手。」
「・・・すご!!!!」
いや、これは本当に凄い事なのだ!!そもそも、後衛は走らされる事が多く、ウッチンのようなぽっちゃり体型には向いてすらいない。勝てる理屈がわからない!
「ぎゃは~!俺さ!必殺技!“ローリングボール”生み出してさ!!」
「へ~!ローリングって事は、球がバウンドせんで転がるとか!?無敵じゃん!!」
「ぎゃは!違う違う!球じゃなくて俺が。」
ボール=ウッチンか。
「・・・え!?移動法!?」
この日のウッチン情報はもう1つあった。ついにあいつが、学校に復帰したというのだ!これは一応・・・会いに行っておいた方がよさそうだ。ということで僕は早速、4組へと向かう。教室に入ると・・・ほんとにいた!落ち着きのないあいつが、昼休みだというのに静かに席に座っているのは見慣れない光景だ。病み上がりだからしょうがないのか。普段の元気は腹立つが、これはこれで・・・。
「タツ~。」
振り返るタツ。1週間の入院と、さらに1週間の自宅療養。病気で痩せたかと思いきや、しばらく運動してないせいで、逆にちょっと太ったように見える。
「おっほ!!出た~!!もっとはよ来い~や!!」
あれ?・・・元気だ。なんか僕のイメージと違う。さらにタツが続ける。
「俺さ。みんなが『タツぅ大丈夫??』って心配しに来てくれる感じ好きなそっちゃね!」
あ~それで大人しく席に・・・。
「でさ、お前はその7人目!!ちょっと遅くね!?一応テニスのペアなんやけ~さ!!そういう思いやりとか大事なんじゃないん!?」
こいつ・・・心配して損した。実際タツの登校をさっき知ったばっかり・・・なんて言ったら逆に文句言い出すな。で、そう!テニスで僕の有難味を思い知れ!
「そうそう!!昨日ランキング戦あったんよ。」
「・・・え?そうなん??じゃぁもう俺とあっくんって・・・」
よし、形勢逆転。
「まぁ僕もランキング戦不参加したけ!まだタツとペアやけどね。」
「お~!!やるじゃん!!まぁ当たり前か。」
「・・・。てか、テニスはいつから復帰?」
僕もそろそろ、ペアで試合形式の練習がしたい。
「う~ん。明日って午後から練習やっけ?明日の午前中に病院行くけぇね~。許可出たら明日の練習から行ける・・・かもね!」
「お~。頑張って許可貰って。」
このゴールデンウィーク、部活は楽なようなキツいような。明日火曜日は午後から練習。水曜日、木曜日、ここで2連休!金曜日学校で・・・土日は通常の午前中練習。という訳で水曜日、木曜日の有効活用が大切なのだが、今のところ予定がない。
「タツ、水木って暇なん?」
「いや、家族で旅行。ゴールデンウィーク外してくる辺りがね!空気読めるよね、胃腸炎。」
ふ~む・・・。やっぱり、ゴールデンウィークのど真ん中に暇な奴なんてなかなかいないか。そんな事を考えながら教室に戻る途中だった。向かい側から背の高いゴリラ顔が歩いてくる。はっ!こんなときに!でもこうなると無視するのもおかしい。かなり凹んでそうだがこっちは元気に、いや、ユーモアたっぷりに話かけよう!
「お~!ゴリラ!最近どう?ドラミングの調子は?」
「うほぉ~!絶好調だぜ~!!」
ノリノリで胸を叩く真悟。圧倒的な迫力!
「ってゴリラも元気なんかい!!」
むしろ、普段よりノリいいぞ!
「ゴリラ“も”ってどういう意味?まぁいいや。ちょ~どあっくんに話があったんよ。木曜日って暇?」
なんてタイミング。
「うん。めちゃくちゃ暇。」
「よかった~。自然観察パークでさ、お祭りがあるんよ。」
「お祭り?」
「うん。毎年、子どもの日にあるんやけどさ。その年ごとにイベントがあるんよね~。今年は何やるんやろ?昨日あっくんに言おうと思ったら、ランキング戦来んかったけびっくりしたわぁ。」
ドキっとした。まさか自分からランキング戦の話を持ち出すとは・・・。
「あ~ごめん。ゴリラ・・・また2番手らしいやん。凄いね!」
・・・何言ってんだ~自分!!わざわざ番手の話に触れる必要なかったのに!!
しかし、真悟は笑って答える。
「いや~全然!オッキーが強すぎでさ!セットどころか、ほとんどポイントすら取れんかったけ~ね!」
・・・もしかして、意外と気にしてないのか?いやでも、そんな訳・・・。
「僕はさ!昨日も観察パーク行って来たんよ!まずね、原口さんがタマシギ見に行くとか言い出してさ・・・」
僕はこの後真悟に対して、昨日あった出来事を話しまくった。シオマネキの話、スズちゃんの話、カワラヒワの話、守田さんの話・・・。真悟はそれを聞き終わるまでずっと笑顔のままだった。
「あっくん・・・バードウォッチングの知識も増えたし・・・成長したよね。」
「・・・お!?そう!?」
「うん・・・
俺と違って。」
「ゴリラ、何か言った?」
「いんや~なんも~。うほぉ~。」
―その頃、真中(まんなか)総合病院
僕たちの校区と、隣の校区の境目くらいにある比較的大きな総合病院が、真中総合病院である。ここの待合室で、深刻そうな顔をして待っている女性が一人。藤村もとこ・・・
僕の母さんだ。
昼休み。口元にミートソースを付けたままのウッチンが、丸い身体を弾ませながらやって来た。
「いや~今日のスパゲッティも絶品やったね!ギャハ!」
クラスが一緒になった事もあって、最近はウッチンとよく話をする。一時期、ウッチンと仲があまりよくなかったのが嘘のようだ。
「今日もさぁ、朝あっくんギリに来るけ~さ。ほんとは朝イチで話したかったのに~。」
「お!何なに?それから口元・・・反対側、うん、ミートソース。」
ウッチンは僕と反対に、朝は意味も無く早くから学校にいるタイプ。その甲斐あってか色々な情報が集まるようで、ウッチンが耳に入れた情報を聞くのが、僕の最近の楽しみの一つでもある。
「まず!今日はこの話題は外せんやろ!昨日のランキング戦!ぎゃは!」
おぉ!昨日は夕方から色々あって忘れていた!そうか。胃腸炎のタツと、不参加の僕以外は昨日がランキング戦だった。
「前衛の2年一番手争いはどうなった!?ど~せまたオッキーとゴリラの一騎打ちでファイナルセットとかやろ!?」
やっぱりそこの対決が一番気になる!
「いや・・・それがオッキーのラブゲーム。ぎゃは・・・は。」
「・・・え?」
意外だった。オッキーの方が、確かに実力では上だから勝つのはわかるが、真悟もいつもなら体格を生かして結構ネバる。真悟が1ゲームも取れないとは・・・。
「俺もさぁ~よくわからんのやけど、おだちゃんが言うにはよ?オッキーは目つきが変わったとか。1月・・・くらいから?」
「そっか・・・1月。」
“バードウォッチングをやめようと思う。”“今の東岐波の1番になる!!”
ナベヅルミーティングの帰り道、あれだけ自分の思いを話してくれたんだ。気合の入り方が誰よりも上なのはよくわかる。きっと練習量もハンパではないのだろう。それに実力が伴ってきたということだろうか。
「まぁとりあえず、ゴリラはかなり悔しそうやった。今日も凹み気味なんじゃね??」
「なるほどね。聞いといてよかった。」
真悟には後から、昨日のスズちゃん事件を報告に行こうと思っていたが・・・またでいいかもしれない。・・・で、ついでに。
「そいや、後衛は?」
「ぎゃはははは!!!!」
「うわっ!何!?」
うっちんの表情からして・・・今の笑いは「よくぞ聞いてくれました!!!!」という所か。
「俺1番手。」
「・・・すご!!!!」
いや、これは本当に凄い事なのだ!!そもそも、後衛は走らされる事が多く、ウッチンのようなぽっちゃり体型には向いてすらいない。勝てる理屈がわからない!
「ぎゃは~!俺さ!必殺技!“ローリングボール”生み出してさ!!」
「へ~!ローリングって事は、球がバウンドせんで転がるとか!?無敵じゃん!!」
「ぎゃは!違う違う!球じゃなくて俺が。」
ボール=ウッチンか。
「・・・え!?移動法!?」
この日のウッチン情報はもう1つあった。ついにあいつが、学校に復帰したというのだ!これは一応・・・会いに行っておいた方がよさそうだ。ということで僕は早速、4組へと向かう。教室に入ると・・・ほんとにいた!落ち着きのないあいつが、昼休みだというのに静かに席に座っているのは見慣れない光景だ。病み上がりだからしょうがないのか。普段の元気は腹立つが、これはこれで・・・。
「タツ~。」
振り返るタツ。1週間の入院と、さらに1週間の自宅療養。病気で痩せたかと思いきや、しばらく運動してないせいで、逆にちょっと太ったように見える。
「おっほ!!出た~!!もっとはよ来い~や!!」
あれ?・・・元気だ。なんか僕のイメージと違う。さらにタツが続ける。
「俺さ。みんなが『タツぅ大丈夫??』って心配しに来てくれる感じ好きなそっちゃね!」
あ~それで大人しく席に・・・。
「でさ、お前はその7人目!!ちょっと遅くね!?一応テニスのペアなんやけ~さ!!そういう思いやりとか大事なんじゃないん!?」
こいつ・・・心配して損した。実際タツの登校をさっき知ったばっかり・・・なんて言ったら逆に文句言い出すな。で、そう!テニスで僕の有難味を思い知れ!
「そうそう!!昨日ランキング戦あったんよ。」
「・・・え?そうなん??じゃぁもう俺とあっくんって・・・」
よし、形勢逆転。
「まぁ僕もランキング戦不参加したけ!まだタツとペアやけどね。」
「お~!!やるじゃん!!まぁ当たり前か。」
「・・・。てか、テニスはいつから復帰?」
僕もそろそろ、ペアで試合形式の練習がしたい。
「う~ん。明日って午後から練習やっけ?明日の午前中に病院行くけぇね~。許可出たら明日の練習から行ける・・・かもね!」
「お~。頑張って許可貰って。」
このゴールデンウィーク、部活は楽なようなキツいような。明日火曜日は午後から練習。水曜日、木曜日、ここで2連休!金曜日学校で・・・土日は通常の午前中練習。という訳で水曜日、木曜日の有効活用が大切なのだが、今のところ予定がない。
「タツ、水木って暇なん?」
「いや、家族で旅行。ゴールデンウィーク外してくる辺りがね!空気読めるよね、胃腸炎。」
ふ~む・・・。やっぱり、ゴールデンウィークのど真ん中に暇な奴なんてなかなかいないか。そんな事を考えながら教室に戻る途中だった。向かい側から背の高いゴリラ顔が歩いてくる。はっ!こんなときに!でもこうなると無視するのもおかしい。かなり凹んでそうだがこっちは元気に、いや、ユーモアたっぷりに話かけよう!
「お~!ゴリラ!最近どう?ドラミングの調子は?」
「うほぉ~!絶好調だぜ~!!」
ノリノリで胸を叩く真悟。圧倒的な迫力!
「ってゴリラも元気なんかい!!」
むしろ、普段よりノリいいぞ!
「ゴリラ“も”ってどういう意味?まぁいいや。ちょ~どあっくんに話があったんよ。木曜日って暇?」
なんてタイミング。
「うん。めちゃくちゃ暇。」
「よかった~。自然観察パークでさ、お祭りがあるんよ。」
「お祭り?」
「うん。毎年、子どもの日にあるんやけどさ。その年ごとにイベントがあるんよね~。今年は何やるんやろ?昨日あっくんに言おうと思ったら、ランキング戦来んかったけびっくりしたわぁ。」
ドキっとした。まさか自分からランキング戦の話を持ち出すとは・・・。
「あ~ごめん。ゴリラ・・・また2番手らしいやん。凄いね!」
・・・何言ってんだ~自分!!わざわざ番手の話に触れる必要なかったのに!!
しかし、真悟は笑って答える。
「いや~全然!オッキーが強すぎでさ!セットどころか、ほとんどポイントすら取れんかったけ~ね!」
・・・もしかして、意外と気にしてないのか?いやでも、そんな訳・・・。
「僕はさ!昨日も観察パーク行って来たんよ!まずね、原口さんがタマシギ見に行くとか言い出してさ・・・」
僕はこの後真悟に対して、昨日あった出来事を話しまくった。シオマネキの話、スズちゃんの話、カワラヒワの話、守田さんの話・・・。真悟はそれを聞き終わるまでずっと笑顔のままだった。
「あっくん・・・バードウォッチングの知識も増えたし・・・成長したよね。」
「・・・お!?そう!?」
「うん・・・
俺と違って。」
「ゴリラ、何か言った?」
「いんや~なんも~。うほぉ~。」
―その頃、真中(まんなか)総合病院
僕たちの校区と、隣の校区の境目くらいにある比較的大きな総合病院が、真中総合病院である。ここの待合室で、深刻そうな顔をして待っている女性が一人。藤村もとこ・・・
僕の母さんだ。
そろそろ帰ろうかな実家に。
そのまた洗い物が出来たけ皿を洗って帰ろう。 選択にしときたいよ~。
今回の内容は・・・まぁ最後でびっくりして貰えればいいです。妊娠オチか!?とかねw
★次回予告★
あ~ ここで100話きちゃったかぁ!あんまり暗い話もね~。ちょ~スペシャルで無理矢理詰め込むか・・・悩む。
俺になにがあったんだ!!?
ウッチン相手を走らすのうまかったよね(笑
俺になにがあったんだ!!?
ウッチン相手を走らすのうまかったよね(笑
まぁそのうち(¬з¬)
106話くらいで
わかるw 相手走らせて中心に戻りよる所を逆つかれちゃうイメージ(笑)
選択にしときたい ってなんだ?
たぶん 洗濯もしときたい やな