・🍊清見 きよみ
ミカン科、ポンカンまたは温州ミカン類との雑種でありタンゴール類。
清見は1949年に種子の親として宮川早生(みやがわわせ)と外国産のトロビタオレンジTrovita orangeを交配して誕生し育成地の静岡市清水区近くの海岸、清見潟から1979年(昭和54年)に命名。
花は葯(やく:花粉の袋)が退化して花粉が無いので通常種子のない無核果だが、他品種の花粉がかかれば種子を生じる。主産地は、愛媛、和歌山県で多く出荷している。
熟期は3月中下旬の晩性品種で、3月中旬~5月に多く出回り旬とする。果実は扁球形で200g内外、果肉は濃橙色で柔らかく多汁だが、果皮は黄橙色で剥皮(はくひ)にはやや難がある。糖度が11~12%、有機酸が1%前後で、種が殆どなくオレンジの香りがあり、風味が良い。
新しい品種が生まれやすい単胚性で種の皮をむくと胚(芽)が一つしかないため、育種親として1972年(昭和47年)に清見とポンカン(中野3号)からデコポン(不知火)が誕生している。
1993年(平成5年)に命名登録した(清見×興津:早生温州蜜柑の一種)交配品種で天草(あまくさ)が、1999年(平成11年)には清見とポンカンでハルミが生まれた。さらに2001年(平成13年)に(清見×アンコール)×マーコットでセトカも品種登録し多く用いられている。
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(初版2021,3,21)