遠藤雷太のうろうろブログ

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空宙空地『ガラスのエイリアン』

2018-09-09 23:19:55 | 観劇三昧

観劇三昧:空宙空地『ガラスのエイリアン』

2018/9/8

・世の中にうまく適応できない女が、世の中にうまく適応できなくなってしまった初恋の人に再会する話。

・発想のスタートは『ガラスの動物園』でいいのかな。装置もそれっぽい。

・生きるのに向いてない人がそれでも生きていていいんだと思える作品には深く共感してしまう。

・ははぁんっ!という笑い方がかわいい。

・藤村昇太郎さんが演じる川崎くんの、底抜けに明るい学生時代と、そこに救いを感じるヒロイン、そして色々社会にもまれて輝きを失ってしまった社会人の姿がきちんと繋がっている。

・二人の笑い方が似ているのも繋がっている。

・ここは笑わすシーンだと腹を決めて演じる役者陣の頼もしさったらない。

・話の流れにあまりにも関係ない、笑かし特化型のおぐりまさこさんも見られて満足。

・散々計算しつくされた話だろうに、思い返して「あれ?あの人なんだったの」となる。まさおみとは何だったのか。何か見落としがあるのか。

・人の痛みがわかるタイプの同居人が愛らしい。

・熊手のような前髪。

・人の痛みがわからないタイプの姉。役割上、しかたないんだけど、だいぶ損しちゃった印象。

・強引に二人を再会させたのは姉の手柄なのに。

・距離の詰め方がわからない正義の人は息苦しい。

・正しいことと生きやすさは違うという、一見わかりにくい部分をきちんと描いている。

・ずっと欠陥にしか思えなかった自分の性質が、心許した人たちと一緒に笑い飛ばせるようになるのは大きい。

・テンポをあげる目的に限り、舞台のお約束を無視してもよいし、うまくやればおもしろにつながるという教訓。

・ただし、それに甘えてほかの役割を担わそうとすると崩壊する。たぶん。

・同じ役者がチョイ役を何役もこなす形式は珍しくないけど、スムーズに見せるのは結構難しい。やっぱり腕ある。

・身長差がえげつない。舞台ではあまり見られないタイプの、痛みが伝わる張り手。

・言葉のいらないラストシーンもきれい。

・唐突に提案するけど、空宙空地で鈴木大介さんの『脳が壊れた』を舞台化したら、すごく面白くなると思う。

■作品情報

劇団名 空宙空地
公演時期 2015/09/28
上演時間 01:25:07
地域 東海

■出演者
元山未奈美(演劇組織KIMYO)/藤村昇太郎/ioya*yotias/堀江善弘(afterimage/【exit】)/長沼日登美(劇団 いがいと女子)/小関加奈/山形龍平(タツノオトシドコロ)/碓井秀爾(座☆NAGAKUTE)/おぐりまさこ(空宙空地)

■スタッフ
作・演出:関戸哲也 舞台監督:柴田頼克(電光石火一発座・かすがい創造庫)/照明:高山皐月(高山一族)・寺島久美子(オイスターズ)/音響:神阪立人/スチール撮影:佐藤元紀(ACLOS)/映像撮影:ばらりゅういち/宣伝美術:studiomaco/制作:おぐりまさこ/プロデューサー:関戸哲也/主催:空宙空地

■あらすじ
あの日、見たんです。オレンジ色の光とともに、何かがあの池に飛び込んだんです。 息をひそめて、、、エイリアンがじっとしてるんです。あれから、ずっと、、、。 「上手に生きられない」人々と、「あの池」に沈んだ謎をめぐる、ヒリヒリしたSFヒューマンコメディ。

ガラスの動物園 (劇書房ベストプレイ・シリーズ)
テネシー ウィリアムズ
劇書房

 

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