観劇三昧:カスガイ『リビング』(観フェス2017)
2017/11/24
レイプに遭って引きこもりになった姉と、ニートをやめて働き始めた弟が、他人同然の同居人たちと屈折した共同生活をおくる話。
カルト臭の強い心理療法士やら、虫として雇われるおじさんたち、身元のはっきりしない女。
そんな混沌としたリビングに、妄想上のレイプ魔がクサビのように登場する。
レイプ魔は、妄想上の存在だけあって、身体能力が人間離れしている。
誰もが欲望と現実との折り合いが付かず壊れているので、快不快で言えば間違いなく不快な話なんだけど、巧拙で言えば圧倒的に巧い。
ゴチャゴチャしているように見えて、実は一筆書きだったというような、コントロールの効いた脚本に、役者個々の存在感が上乗せされて、極めて息苦しい空間が完成している。
さんざん鬱屈しているのに、話が終盤になると意味もなく前向きな雰囲気出してくるのイヤだなと思ったけど、最後の最後でピタリとあわせてきた。平行感覚すごい。
==============メモ==============
「芸術賞」に投票(投票期間が過ぎたので気持ちだけ)
上演時間 01:48:25
公演時期 2009/04/22
作者:登米裕一
演出・原案:玉置玲央
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