さっぽろアートライブ事業 小林エレキ一人芝居「せっかくなんで」
2021/1/31
不動産屋の社長、そこで働くスタッフ、訳あり物件に住むことになった男。
少しだけ繋がりのある三人を一人芝居で順番に演じる。
唐突な展開はあるものの、一つ一つ独立した話として見るとそこまで珍しい話ではない。
ただ、一枚一枚の描写力が強いので、たった三枚の写真でも画角の外まで勝手に世界が広がるように作られている。
続けて見ると、彼らの後ろに小さな生態系のようなものが発生してくる。
場に統一感があるのは、演者の好みや性質に素直に作っているからだと思う。話作りに力みがない。
陽気なところ、突飛なところ、ホラーなところ、ある程度知ってる人なら、とても「らしい」話だと思うんじゃないだろうか。
かわいいけど微妙にイラッとさせる笑い方、震えがひど過ぎて逆にリアルに見えてくる怪我人、わかりやすいクセを排して、より緊迫感を出す演技。どれも引き込まれる。
大胆に三分割された装置もかなり手間がかかっている。一人芝居でここまで大掛かりにやるのは珍しい。
豪華で豊かな一人芝居だった。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます