遠藤雷太のうろうろブログ

何かを観たら、とにかく400字または1000字以内で感想を書きつづるブログ。

イチニノ『千年後の冒険』

2025-02-06 19:37:00 | 観劇三昧

イチニノ『千年後の冒険』(無料)

2025/2/5

病気を他人に引き渡す技術と法律のある世界で、病気を渡した側の女性が、渡された側の人にあいさつする話。

映像内に医者が一人、舞台上に病気を引き渡した女性一人がいて会話する。加えて、作中には登場しない、話すこともできない引き渡された一人もいる。VRとして近くに存在しているらしい。無観客配信という上演形式に合わせた設定。

病気を引き渡す、引き渡されるという制度がどういう事情でどういう理屈をもって成立しているのかよくわからず。

それによって、だいぶん渡し手と受け手にどう感じていいのかが変わってくると思う。

渡した側の女性の話し方。切実さが声に乗る感じで引き込まれる。演者は梅木沙羽さん。

ただの石でも長く継承していくことで意味が生じるという考え方はおもしろい。病気を引き渡すこととどう繋がっているのかはよくわからなかったけど、宗教という概念の最も簡略化したモデルとしてうまい表現だと思う。

《詳細(観劇三昧HP)》

■公演時期 2021/02/20

■キャスト
梅木彩羽(イチニノ)
前島宏一郎(イチニノ)

■スタッフ
作・演出:前島宏一郎
照明:赤城治利
制作:Project ICHININO
令和2年度SPAC県民月間
劇リンピック~静岡演劇フェスティバル~参加作品

■あらすじ

遠いか近いかわからないくらい未来の話。

他人の病を「引き受ける」こと、
他人に病を「引き渡す」ことが
認められるようになった世界。

いずれ潰える人の命より、
もっともっととおい未来を、
楽しみにする人の物語。

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イチニノです。イチニノさんです。
無観客配信になった、初開催の「劇リンピック」への参加。
厳しい感染症対策ガイドラインに対応して、
不得意な(汗)配信に特化した、新しいイチニノのあたたかい物語です。

公演情報(イチニノHP内)

https://ichinino.jimdofree.com/mission/%E5%8D%83%E5%B9%B4%E5%BE%8C%E3%81%AE%E5%86%92%E9%99%BA

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ソイ・チェン監督『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』

2025-02-05 00:14:00 | 映画を見てきた

2025/2/5

・難民として香港に来たチャンが、マフィアから逃れて九龍城砦で暮らすようになるが、すぐに新しいトラブルに巻き込まれる話。

・1980年代の設定。九龍城砦が立体迷宮化している。

・チャンは、九龍城砦のリーダー格であるロンの庇護を受け、そこの生活に馴染んでいく。

・九龍城砦には様々な事情を抱えた人々が暮らしている。無法地帯のようで、その中には秩序がある。

・アクションを楽しむ映画なのかと思っていたけど、九龍城砦内部の生活描写にかなり重きを置いている。

・龍も理髪店を営んでいる。叉焼丼おいしそう。

・九龍城砦は行き場を失った人を受け入れてくれる場所と言われている。現実もそういう場所だったのかな。

・わりと最近の話なので、九龍城砦とそれを取り囲むような近代的な建物のギャップ。この場所がやがて淘汰されていくことが予感されて、寂しい気持ちになる。

・女を折檻死させた男がきっちり退治されている。フィクション特有の最短距離で悪人が退治される。

・建物のオーナーにしてもマフィアのボスにしても、見た目はただのおじいちゃんだし、別に強くなくても成立するポジションなのに普通に強くてびっくりする。

・ずっと監禁状態だったということは屈しなかったのか。

・懐かしのハイエイトチョコで変装するチャンがかわいい。かわいいけど、さすがにちょっとあざとい。

・チャンは、仲良くなった仲間たちと四人でつるむようになる。言葉ではなく、組んだ麻雀牌を見て三人が察する。チームとして魅力的。

・一人一人が抜群に強いというわけではなく、むしろ周囲の老人連中のほうが強い。

・あと、敵方にひとりヤバいのがいる。

・ラジオ番組アトロクの元名物プロデューサー橋本吉史さんによく似ているという話を先に聞いていたせいで、そういう風にしか見えない。立ち振る舞いが完全にヒールレスラーのそれ。

・たしかに『タマフル・ザ・ムービー』で暗黒サイドに落ちた彼を思わせる。敵として抜群の存在感。

・デタラメな気功と硬直を使い、手が付けられない。

・男塾に出てきた驚邏大四凶殺の第二の凶とほとんど同じような戦闘を生身の人間でやっていた。終盤の展開もそっくり。

・こういうところにアクション映画の伸びしろがあったりするのかもしれない。

(2/5サツゲキ)

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畑博之監督『劇場版プロジェクトセカイ 壊れたセカイと歌えないミク』

2025-02-04 17:33:48 | 映画を見てきた

2025/2/5

・ある初音ミクが自らの表現に限界を感じて若い人間の歌い手たちに教えを乞う話。

・初音ミクのことはほとんど知らない。どちらかと言うとゆっくりボイス派(たぶんそんな派閥対立はない)。

・SNSで結婚したと言い張る人を見て、みんなの共有財産に対してひどいことをするなあと思ったくらい。

・本作では、さまざまな初音ミクとボーカロイドたちが人間たちと交流しながら、人に届く音楽を模索する。

・初音ミクの協力者たちが各所で活動する群像劇のような見せ方。

・人数が多いわりにアニメにしか登場しないようなステレオタイプが多く、発声や会話のテンポがなかなか肌に合わない。

・ただ、そこに初音ミクの更に人工的な会話が加わることでかなり緩和される。むしろ、聞こえ感がおもしろくなる。

・ただ、初音ミク以外のボーカロイドは聞いてられないくらい人工的で、歌のための人工音声だから仕方ないんだけど、もうちょっと見せ方がありそうな気はする。

・特に説明もなく、生身の人間が架空空間を行き来してボーカロイドのキャラクターたちと交流する見せ方はおもしろかった。

・象徴的にそういう見せ方にしているだけで、同じようにボーカロイドに影響を受けて音楽活動を始めたり、楽曲を作ったりしている人は現実にもたくさんいると思う。

・夢やぶれて絶望している人間に歌声が届かず、初音ミクが落ち込んでしまうという理屈。

・ただ、大体の夢は破れるものだし、次のステップに進むための絶望という面もあるんだから、無理に元気づけようとしなくていいのではないかと思う場面が多かった。

・受験でイライラしている女の子も無理に関わろうとしなくていいと思う。

・自分の声が届かないというなら、本当にどうしようもない絶望は他にある。

・たぶんミュージカル系のアニメでよくあることなんだろうけど、終盤のライブシーンでアニメとしての動きが急によくなる。

・初音ミクの気持ちを汲んだ生身の人間たちがすばらしいパフォーマンスをする。

・結局、人間素晴らしい(=人工音声の限界)でまとめられたように見えるけど良いんだろう。詳しい人には何か別の見方があるんだろうか。

(札幌シネマフロンティア)

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「鳥羽水族館」

2025-02-01 23:06:26 | 今月のソロ活

2025/1/30

・始発移動が続いたので、3日目はダラダラするぞと決めた結果、朝のラッコのお食事タイムを見逃す。

・到着は10時半。ハイイロアザラシのお食事タイム。平日かつチューブトンネル調整中なのに人が多い。

・続いてセイウチの解説とパフォーマンス。

・伊勢シーパラとあわせてセイウチのイメージが変わる。

・牙がごつくてヒゲだらけで1トン前後もある生物がとてもかわいい。鰭の拍手が極端に遅いのもいとおしい。

・進行担当のお姉さんと実演解説担当のお兄さん。軽口をかわしながら進めていくスタイルが目新しい。

・お兄さんはポイポイと餌を与えつつ、「20キロあげないと僕の仕事がおわりませんからね。わんこそばですね」などとベテラン芸人のような安定感。水族館とは別に何か人前で話す経験があるのかも。

・女性スタッフさんも、進行の隙間に合いの手を入れたり、ツッコミを入れたり、軽く煽ったりしている。

・時間外に訓練しているところも見られた。ショーとしての構成はなく延々と行われているので、延々と見る。ちょっとしたボーナストラックだった。

・アシカプールのショーは二回見た。最初はアフリカオットセイ、次はオタリア。見た目の区別はつかない。

・天井から吊り下げたボールに鐘をつけたり、ポーズのたびに効果音を入れる工夫が効いている。

・人間の輪投げの精度がすごい。個人差はあるようで、一回目と二回目で投擲距離にだいぶん差があった。

・スナメリ、ジュゴン、マナティ、オウムガイにダイオグソクムシ。意外なことにイルカはいない。

・ラッコのお食事タイム。アクリル越しの狭い場所にお客さんがひしめいている。解説がない。完全サイレント。最初は音響設備のトラブルかと思った。

・ラッコ担当として有名な石原さんと、女性スタッフがニコニコしながらラッコと戯れているように見える。特に構成もなさそう。解説はともかく、何を話しているのかは聞きたかった。

・動画が色々でていてお客さん側の前知識もあるから、想像で結構おぎなえるし、途中で見始めても抜けてもいいようにこのスタイルにしているのかも。

・パフォーマンスを成功させるとハイタッチするのがかわいい。

・特に16時20分開始の回は閉館時間までギリギリやられていた。サービス良すぎるけど、グッズを買い損ねた。

・他の時間にも、石原さんは指の合図ひとつでバイカルアザラシがゴロンゴロンさせていた。魔法のようだった。

(1月28日入館)


雄々しいハイイロアザラシ
投げキッス(ポン音)

顔のパーツが少ないスナメリ
 

ジュゴン

ジュゴン

見られているし見ている
楽しそう


丸々バイカルアザラシ

 

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