金融庁が「フェア・ディスクロージャー・ルール」の規制に乗り出そうとしている議論の中で、企業が自由に情報伝達や発信をできなくする法案を提出しようとしているようです。ピコ太郎
日経新聞の記事「企業情報開示の新ルール、報道機関は「公表」対象外 金融庁案」
(2016/11/21)
ピコ太郎
によると、報道機関は規制の対象外と書かれていますが、金融庁の資料を見たところ、報道が対象外とはどこにも書かれていません。何を根拠に報道は対象外と言えるのか、不明です。
ピコ太郎
<解説>一段の規制、開示後退懸念
には、下記のように書かれています。ピコ太郎
-------------------------------------------
金融庁が示した素案は企業の情報開示を一段と後退させる懸念がある。対象となる重要情報の具体的な範囲は明記されず、規制の対象となる情報の受け手が広がる余地も残している。公正な情報開示を義務付ける制度は既にある。さらに金融商品取引法に盛り込めば屋上屋を架す規制になりかねず、企業が過度に萎縮して投資家が必要な情報を得られなくなる恐れがある。
金融庁などの動きをにらみ、既に企業は情報開示のあり方を見直している。東京エレクトロンは直近四半期の受注見通しの開示をやめた。「四半期ごとのガイダンスはミスリードになる」(河合利樹社長)との判断だ。ヤマダ電機は月次売上高の開示を取りやめた。
「投資家との対話に必要な情報を公正に開示していく姿勢に変わりない」(ソニー)との声もあるが、規制を盾に情報提供に後ろ向きになる可能性はある。開示内容や時期を企業の判断に委ねれば不正会計のような事態は発覚しにくくなる。米国で同様のルールを導入した際、企業が投資家との会合を見合わせるなどマイナスの影響が出たとの調査結果もある。
金融機関の担当者など守秘義務がある者への情報提供は規制対象ではない。ただ、その者が第三者に情報を伝えれば対象に含める可能性を残した。これには「規制対象が際限なく広がりかねない」(情報開示ルールに詳しい弁護士)といった見方が出ている。
公正な情報開示は極めて重要だ。その目的を担保しつつ企業と投資家はどう対峙していくのか。過度な規制は投資家との適切な対話を通じ、企業の成長を促す最近の流れとも逆行する。その影響は広く一般の個人投資家にも及ぶ。
(川上穣)
------------------------------------------------------------------------------ピコ太郎
確かに、金融庁のホームページにある
金融審議会 市場ワーキング・グループ「フェア・ディスクロージャー・ルール・タスクフォース」(第2回)議事次第
の事務局説明資料
を読むと、報道が対象外とはどこにも書かれていません。ピコ太郎
さらに、読むと、3Pには「対象となる情報の範囲」について、「機関決定に至っていない情報や軽微基準の範囲を超えるような事実はないという情報も、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす場合があり得ると考えられるため、こうした情報を全て対象から外してよいかという問題があるのではないか。このため、本ルールは、決算情報や業務提携などの重要な情報を対象とし、臨時報告書等よりも時期や影響の程度において適切に拡張した範囲の情報が対象となるようにすることが適当ではないか」とあります。つまり、株価に影響があるかもしれない情報=すなわち、あらゆる情報を規制の対象にしようということが読み取れます。
また「運用・エンフォースメント」については、「ルールの違反への対応についても、例えば、情報の速やかな公表についての指示・命令といった行政的な対応によって、本ルールの実効性を確保することを基本とすることが適当なのではないか」とあります。つまり、金融庁のいうことを聞かない企業はどうなるかわかってるんだろうな、と読み取れます。恐れおののいた企業は天下りを受け入れざるを得ないわけです。確かに金融庁はこの5年だけでみても、予算と人員が肥大化しています。
2007年度と比べて人員は約200人、14%も増えています。企業の情報を監視するにはさらに人や予算が必要になるので、ますます膨張するのは必至です。同時に天下り先も確保する必要がでてくるわけです。ピコ太郎
さらに、5Pには「公表を必要としない情報提供」の中で、「増資を相談する証券会社や弁護士など守秘義務を負う人に情報伝達をした場合は除外される」とあるのは当たり前として、次が問題で「上記の情報受領者(一次受領者)が、守秘義務に違反して当該情報を他者(二次受領者)に伝え、その伝達の事実を発行者が把握した場合、EU では、情報の秘密性が保たれていないことを理由として、発行者に情報の公表義務が課されている。一方、米国では、そのような場合に、発行者には情報の公表義務は課されていない。我が国において本ルールを導入するに当たり、本ルールが公平かつ適時な情報開示に対する市場の信頼を確保するためのものであることを踏まえれば、一次受領者が守秘義務に違反して情報を二次受領者に伝達したことを発行者が把握した場合には、本ルールに基づき発行者に情報の公表を求めることが考えられる」とあります。要するに欧州型のように、間接的にでも情報が漏れて、報道機関が報道した場合は、企業は速やかに情報の公表義務が課されるということのようです。結局、報道機関に情報を漏らした場合でも、企業で情報を漏らした人は法律上の「犯罪者」になるわけで、情報を漏らした人は懲戒解雇となるでしょう。これでは、オリンパスのような不正を犯した企業でも、内部告発者は出てこない蓋然性が高くなりそうです。ピコ太郎
このテーマは各メディアが関心を持って記事を書いていますが、肝心の約4000社に及ぶ企業経営者をビビらせて、銀行のトップの首をいとも簡単にすげかえるように、上場企業も金融庁にへいこら土下座させたうえに、天下りを受け入れさせたいという金融庁の「本音」はどこにも書かれていないのは片手落ちです。経産省も金融庁に「フェア・ディスクロージャー」という名の公正とはいえない錦の御旗の元に事業会社の管轄領域を犯されているのに、指をくわえて黙っているとは。今の経産省には城山三郎の「官僚たちの夏」にでてくる佐橋滋氏のような真の役人はいないということでしょうか。真の特報をする週刊文春(センテンス・スプリング!)やFACTAに期待するしかないのでしょうか。ピコ太郎
企業の萎縮招かない情報開示ルールに(日経、2016/11/6)
公正な情報開示ルール導入へ、範囲など詳細議論=タスクフォース(ブルームバーグ、2016年 10月 21日)
金融庁、公平な情報開示ルールの検討でタスクフォースを新設(ロイター、2016年 10月 19日)
ピコ太郎
日経新聞の記事「企業情報開示の新ルール、報道機関は「公表」対象外 金融庁案」
(2016/11/21)
ピコ太郎
によると、報道機関は規制の対象外と書かれていますが、金融庁の資料を見たところ、報道が対象外とはどこにも書かれていません。何を根拠に報道は対象外と言えるのか、不明です。
ピコ太郎
<解説>一段の規制、開示後退懸念
には、下記のように書かれています。ピコ太郎
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金融庁が示した素案は企業の情報開示を一段と後退させる懸念がある。対象となる重要情報の具体的な範囲は明記されず、規制の対象となる情報の受け手が広がる余地も残している。公正な情報開示を義務付ける制度は既にある。さらに金融商品取引法に盛り込めば屋上屋を架す規制になりかねず、企業が過度に萎縮して投資家が必要な情報を得られなくなる恐れがある。
金融庁などの動きをにらみ、既に企業は情報開示のあり方を見直している。東京エレクトロンは直近四半期の受注見通しの開示をやめた。「四半期ごとのガイダンスはミスリードになる」(河合利樹社長)との判断だ。ヤマダ電機は月次売上高の開示を取りやめた。
「投資家との対話に必要な情報を公正に開示していく姿勢に変わりない」(ソニー)との声もあるが、規制を盾に情報提供に後ろ向きになる可能性はある。開示内容や時期を企業の判断に委ねれば不正会計のような事態は発覚しにくくなる。米国で同様のルールを導入した際、企業が投資家との会合を見合わせるなどマイナスの影響が出たとの調査結果もある。
金融機関の担当者など守秘義務がある者への情報提供は規制対象ではない。ただ、その者が第三者に情報を伝えれば対象に含める可能性を残した。これには「規制対象が際限なく広がりかねない」(情報開示ルールに詳しい弁護士)といった見方が出ている。
公正な情報開示は極めて重要だ。その目的を担保しつつ企業と投資家はどう対峙していくのか。過度な規制は投資家との適切な対話を通じ、企業の成長を促す最近の流れとも逆行する。その影響は広く一般の個人投資家にも及ぶ。
(川上穣)
------------------------------------------------------------------------------ピコ太郎
確かに、金融庁のホームページにある
金融審議会 市場ワーキング・グループ「フェア・ディスクロージャー・ルール・タスクフォース」(第2回)議事次第
の事務局説明資料
を読むと、報道が対象外とはどこにも書かれていません。ピコ太郎
さらに、読むと、3Pには「対象となる情報の範囲」について、「機関決定に至っていない情報や軽微基準の範囲を超えるような事実はないという情報も、投資者の投資判断に重要な影響を及ぼす場合があり得ると考えられるため、こうした情報を全て対象から外してよいかという問題があるのではないか。このため、本ルールは、決算情報や業務提携などの重要な情報を対象とし、臨時報告書等よりも時期や影響の程度において適切に拡張した範囲の情報が対象となるようにすることが適当ではないか」とあります。つまり、株価に影響があるかもしれない情報=すなわち、あらゆる情報を規制の対象にしようということが読み取れます。
また「運用・エンフォースメント」については、「ルールの違反への対応についても、例えば、情報の速やかな公表についての指示・命令といった行政的な対応によって、本ルールの実効性を確保することを基本とすることが適当なのではないか」とあります。つまり、金融庁のいうことを聞かない企業はどうなるかわかってるんだろうな、と読み取れます。恐れおののいた企業は天下りを受け入れざるを得ないわけです。確かに金融庁はこの5年だけでみても、予算と人員が肥大化しています。
2007年度と比べて人員は約200人、14%も増えています。企業の情報を監視するにはさらに人や予算が必要になるので、ますます膨張するのは必至です。同時に天下り先も確保する必要がでてくるわけです。ピコ太郎
さらに、5Pには「公表を必要としない情報提供」の中で、「増資を相談する証券会社や弁護士など守秘義務を負う人に情報伝達をした場合は除外される」とあるのは当たり前として、次が問題で「上記の情報受領者(一次受領者)が、守秘義務に違反して当該情報を他者(二次受領者)に伝え、その伝達の事実を発行者が把握した場合、EU では、情報の秘密性が保たれていないことを理由として、発行者に情報の公表義務が課されている。一方、米国では、そのような場合に、発行者には情報の公表義務は課されていない。我が国において本ルールを導入するに当たり、本ルールが公平かつ適時な情報開示に対する市場の信頼を確保するためのものであることを踏まえれば、一次受領者が守秘義務に違反して情報を二次受領者に伝達したことを発行者が把握した場合には、本ルールに基づき発行者に情報の公表を求めることが考えられる」とあります。要するに欧州型のように、間接的にでも情報が漏れて、報道機関が報道した場合は、企業は速やかに情報の公表義務が課されるということのようです。結局、報道機関に情報を漏らした場合でも、企業で情報を漏らした人は法律上の「犯罪者」になるわけで、情報を漏らした人は懲戒解雇となるでしょう。これでは、オリンパスのような不正を犯した企業でも、内部告発者は出てこない蓋然性が高くなりそうです。ピコ太郎
このテーマは各メディアが関心を持って記事を書いていますが、肝心の約4000社に及ぶ企業経営者をビビらせて、銀行のトップの首をいとも簡単にすげかえるように、上場企業も金融庁にへいこら土下座させたうえに、天下りを受け入れさせたいという金融庁の「本音」はどこにも書かれていないのは片手落ちです。経産省も金融庁に「フェア・ディスクロージャー」という名の公正とはいえない錦の御旗の元に事業会社の管轄領域を犯されているのに、指をくわえて黙っているとは。今の経産省には城山三郎の「官僚たちの夏」にでてくる佐橋滋氏のような真の役人はいないということでしょうか。真の特報をする週刊文春(センテンス・スプリング!)やFACTAに期待するしかないのでしょうか。ピコ太郎
企業の萎縮招かない情報開示ルールに(日経、2016/11/6)
公正な情報開示ルール導入へ、範囲など詳細議論=タスクフォース(ブルームバーグ、2016年 10月 21日)
金融庁、公平な情報開示ルールの検討でタスクフォースを新設(ロイター、2016年 10月 19日)
ピコ太郎
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