我が国の100%エネルギー自給計画

我が国のエネルギー源を自然エネルギーで100%まかない、純国産エネルギー100%の国づくりを国家100年の計として目指す

日立が英原発事業で撤退も視野 福島事故でコスト増、採算に合わず

2018-05-04 09:36:13 | 日記
日立製作所が英国の原発事業からいよいよ撤退を視野に動き出したようです。英国政府に出資させて、事業を会計上の連結にしなくて済むようにするほか、稼働後の電気を英政府に高値で買い取ってもらうことを英政府に文書で約束してもらう予定だそうです。

日経)日立、英政府と原発巡り最終協議へ 撤退も視野(2018/4/29 19:09)

(日立の英原発事業の枠組み=仕組み図は朝日新聞のサイトより)

 しかし、支持率が低下するメイ首相の英政府は3兆円に膨らむ原発事業に対する国民の理解が得られないため、日立の要請を飲む可能性低いと思われます。逆に言えば、日立の今回の要請はポーズで「英政府の協力を得られなかった」として原発事業から撤退するのではないでしょうか撤退を決めたら、株価はストップ高になると思われます。
 福島第一原発で炉心が溶け落ちる大事故が起きた今、原発は事故リスクを加味するととんでもない高コストな電力で、訴訟リスクも加味すれば一企業体が行う事業としては経済合理性に合わなくなっています。欧米企業で原発開発を手がける企業はなくなり、先進国では日本だけが続けていましたが、東芝は米国の原発事業を買った途端に1兆円を超える赤字(しかも、事業を始めてもいないのに)を出し、本体は虎の子のメモリー事業の売却を強いられ、事実上の倒産となりました。日立も原発事業を続ければ、二の舞となるでしょう。
 原発事業はその電力を必要とする国家が万一の事故時はすべて面倒を見る、企業への責任は問わない、という条件をつけないと、民間企業が手がけるのは事実上、難しくなっています。福島原発の事故を見ればわかるように、そうした約束がなくても、一企業が補償を払い続けることは不可能で、東電の事故の補償費用も事実上、国民の電気代の値上げ分や税金から支出しています。

<自然エネルギー財団>世界の自然エネルギー発電コスト:陸上風力は6セント(約6円)/kWh、太陽光は10セント(約10円)/kWhに低下(2018年1月23日)

日経テクノロジー)太陽光の発電コストは20年までに半減 化石燃料下回る(2018/1/17 6:00)

 原発の発電コストが急上昇する一方で、世界中で自然エネルギーの開発が進み、発電コストは急激に低下しています。国際再生可能エネルギー機関(IRENA)によれば、2017年時点で1kWh(1キロワットの消費電力を1時間使う電力量で基準になる単位)を生み出すためのコストは陸上風力は6セント(約6円)太陽光発電も10セント(約10円)にまで低下しているそうで、発電コストがkWh当たり5~17セントの化石燃料による火力発電と十分に経済的に競争できるレベルになっています。同機関の予測では、太陽光の発電コストは2020年までに17年比でさらに半減(5セント、約5円)まで下がるそうです。原子力の発電コストは原発事故後に上昇したもののまだ10円程度とされるものの、これは大きな事故の際の費用が入っていないので、福島原発級の事故費用や将来的な廃炉のコストも考慮すれば実際はもっと高いと思われます。
 さすがに、これほど経済合理性がない原子力を無理やり推進するのは無理があると考えたのか、経済産業省は2050年を見据えたエネルギー戦略では原子力を曖昧な位置付けでごまかすようです。

 2015年のブログ「原発推進の岡村元日商会頭の東芝はやはり不正会計していた(2015-06-17 00:46:22 | 日記)」で書いたように、原子力は人類が将来、恒星間移動する際には不可欠なエネルギー源になるので(今の科学技術では、太陽光が届かない太陽から遠い場所では太陽光発電は難しいと思われる)、その為には研究は続けるべきだと思います。しかし、狭い地球上で人類が生きていきためのエネルギー源としては危険度が大き過ぎると思います(来たる氷河期で太陽の光が減った際に、太陽光などの自然エネを主電源に人類が生きていけるのかの研究は別途必要と思われます)。

<自然エネルギー財団>風力と太陽光が世界の主要国で拡大、2017年の増加量の半分以上を占める(2018年4月10日)

<自然エネルギー財団>報告書 電力会社に迫る変革の波 ―欧州が先行する新時代の戦略―(2017年10月6日)

<時事通信>原発輸出に国民負担リスク=兆円単位で膨らむ建設費用-日本、官民一体で推進(2018/03/24-14:25)

<HUFFPOST>これでも「日立」は英国「原発事業」を強行するのか--杜耕次(2018年01月26日 14時58分)
欧米官民が忌避する原子力ビジネスのリスクを背負わされるのは、結局日本国民になりそうだ。

<週刊朝日>「原発輸出」で日立も三菱も東芝の二の舞いか? やばくても撤退許されぬ実態(2017.10.25 07:00)

<毎日新聞>国民負担リスク 電力会社巻き込み 英国内賛否(2018年1月3日 07時35分)

<朝日新聞>原発支援策「月末までに提示を」 日立、英政府に要請(2018年5月3日20時47分)


日経新聞 上場企業社員の平均年収692万円、18年度 年率で1%増どまり 利益や配当の伸び12%を大幅に下回る





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