中露の脅威が高まるなか、自民党保守系議員は「核抑止戦略」を策定するよう政府に提言する。
写真は米大統領が核攻撃を命じる際の指令コードを収めた「核のフットボール」 (Photo by Drew Angerer/Getty Images)
自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」(青山繁晴代表)は12日に会合を開き、米軍の核戦力で日本の抑止力を高めることを念頭に、政府に対し「核抑止戦略」の策定を行うよう提言することを決めた。ウクライナ戦争で核の脅威が高まるなか、故・安倍晋三元首相などは「核共有」について議論するよう呼びかけてきた。
核抑止戦略の策定にあたっては、「非核三原則」のうち「持ち込ませず」の原則を見直すとした。「日本版核共有」を推進し、「核シェルター」等の国民保護策の検討も求める。「現実的な核抑止があって、初めて核兵器保有国の核軍縮が現実化する」と「護る会」の山田宏幹事長は記した。
- 高まる核の脅威
戦後、世界各国は核戦争を防ぐため、核軍縮を進めてきた。しかし、力による現状変更の試みを続ける中国とロシアの台頭により、周辺諸国は核の脅威にさらされている。
麻生太郎副総理兼財務相(当時)は2021年7月5日、「中国が台湾に侵攻すれば(日本にとって)存立危機事態」になると発言した。その6日後、中国の「民間軍事評論家」からなるグループ「六軍韜略」は動画を発表し、「我々が台湾を解放させる際に、日本が武力介入すれば、我々は最初から核爆弾を連続的に使用し、日本が無条件降伏するまで使う」と主張した。
中国の呉江浩駐日大使は4月28日の会見で、「台湾有事は日本有事」との見方では「日本の民衆が火の中に連れ込まれることになる」と述べた。軍事専門家の鍛冶俊樹氏はエポックタイムズへの寄稿で、大使の発言は中国共産党の強行姿勢を体現するものだと指摘した。
詳しくはこちら⇨中国大使暴言…核攻撃論の裏打ちか 問われる日米同盟の真価
ロシア軍の核抑止部隊はウクライナ戦争後、高度警戒態勢に入った。BBCの報道では、ロシアのプーチン大統領は2022年12月7日、核戦争の脅威が高まっていると発言。「我々は狂ったわけではない。核兵器が何なのか分かっている」としつつ、ロシアは世界で最も高度な核兵器を持っていると主張した。
- 首相経験者が再考呼びかけ
- G7広島で「核武装は議論しない」
- 「日本式核共有」とは
【続きはこちら】
◎合わせて読みたい:
◎おすすめ:
◎トップニュース:
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます