過去最大の5年で43兆円に増額した日本の防衛力整備計画が、円安で縮小を迫られている。輸入する米国製だけでなく、国産装備も部材高で価格が上昇。複数の関係者によると、防衛省は長距離ミサイルなどの購入を優先し、輸送ヘリコプターの調達数を半減、救難飛行艇の取得を見送った。写真は海上自衛隊の観艦式に出席した岸田文雄首相。2022年11月、相模湾で撮影(2023年 ロイター/Issei Kato)
[東京 6日 ロイター] – 過去最大の5年で43兆円に増額した日本の防衛力整備計画が、円安で縮小を迫られている。輸入する米国製だけでなく、国産装備も部材高で価格が上昇。複数の関係者によると、防衛省は長距離ミサイルなどの購入を優先し、輸送ヘリコプターの調達数を半減、救難飛行艇の取得を見送った。岸田文雄首相が掲げた「防衛力の抜本的強化」は、計画2年目で狂いつつある。
<調達見送りでUS-2撤退も>
防衛省が2023から27年度までの防衛力整備計画を策定した昨年12月以降、米金利の先高観から円相場は1ドル=150円へ1割下落した。計画1年目こそ前提レートを1ドル=137円としたが、2年目以降は22年度の政府公式レート108円を使って予算を積み上げた。
43兆円の防衛費は、ドルベースだと3割以上消失する。政府や防衛産業の関係者8人によると、防衛省は予算全体が目減りする中で調達に優先順位をつけ始めた。敵基地攻撃にも使える長距離ミサイルの量産やイージス艦の建造、F35戦闘機や弾薬などを先にそろえ、整備を急がないと判断した装備は削減あるいは先送りしつつある。
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