元朝末期の画家黄公望が描いた「 富春山居図」を鑑賞する人々。台北・故宮博物院にて撮影。
(Photo credit should read PATRICK LIN/AFP via Getty Images)
浅絳山水(せんこうさんすい)とは、水墨の輪郭と着色の上に、代赭色(たいしゃいろ)を原色として施した淡彩の山水画のことです。中国山水画の着色技法の一種であり、他のジャンルの山水画の基礎でもありながら、中国伝統絵画の中でも難度の高い技法の一つです。その方法は、濃淡、乾湿それぞれの墨で様々な輪郭線と構図を描いてから、淡い代赭色をメインカラーとして使用し、山石や木の幹を染め、最後に淡い花青色系で仕上げていきます。
清代に刊行された、古くからの歴代画論と技法を解説する彩色版画絵手本である『芥子園画伝(かいしえんがでん)』にはこのような記載があります。「黄公望(コウ・コウボウ)の皴の技法では、虞山(ぐざん)の山石をイメージして描写する。ほんのりした代赭色を着色に使用するのを得意とするが、時には代赭色の筆を使っておおよその輪郭も描く。一方......
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