だいぶ寒さが和らぎました。
暖かいというだけで、なんだか身体がホッとします。
先週金曜日に、榛原にあるお蕎麦屋さん『一如庵』で、しょうゆ作りのワークショップに参加してきました。
しょうゆって、どうやってできてるの??
当日お知り合いになった方々も、皆一様に、大豆からできてるんだよね……くらいの知識しかなく。
理科の実験に参加するような不思議な気分で会場入りしました。
今回は、皆さんブログに顔出しOKとのことでしたので、素敵なお顔をアップさせていただいています
奈良県で実際にしょうゆを作っておられる方が先生でした
今までに何度も講義をされておられるようで、その時の体験談、失敗談も面白おかしく交えながら、とっても分かりやすく説明してくださいました。
学校の授業みたいで楽しい~~!!!
昔は居眠りしてたくせに、この歳になると嬉しいんですよね
しょうゆ作りの材料は、一からすれば何日もかかるし難しいので、あらかじめほとんど仕上げてくださっていました。
それでも、その工程は一から丁寧に教えてくださいます。
大豆はまず圧力釜で蒸します。
人が食べるにはちょっと柔らかすぎるかな~、でも煮崩れてはならないという絶妙な加減で。
大豆が40度以下に冷えたら、『種麹(たねこうじ)』と呼ばれる麹菌を加えます。
見せていただいたのは、こんな粉状のものでした。
大豆と小麦を混ぜたものにそれを加えて、『麹室(こうじむろ)』と呼ばれる温度が保たれた部屋でかき混ぜられます。
寒いと菌がよく働けないし、熱くなりすぎても菌が死んでしまうので、人の手で大切にほぐして温度を均一に保つのだそうです。
室に入って大きなスコップで……、重労働なのだそうです。
こうして菌が二重三重と大豆に巻いていきます。
味見させてもらいましたが、粉っぽくて水分が抜け、菌のでしょうか、独特の匂いがしました。
こうして真っ白に菌が巻くまで育てられた大豆たちのことを『麹(こうじ)』と呼ぶそうです。
右から順番に状態がわかります。
一番左の状態まで作って持ってきてくださったので、私たちがすることはただ塩水に入れて混ぜる、それだけ(笑)。
それでも、人の手で大切に育てられた豆たちだと思うと、作業するのもなんだか厳粛な気分になりました。
用意してくださった塩水入りペットボトルに、二人一組になって丁寧に麹を入れていきます。
ザラザラザラ……。
お箸で優しくかき混ぜて、落としていきます。
そこへさらにいい菌がいっぱい育っているペーストを、先生から入れてもらいます。
私たちのペットボトルしょうゆがしっかりと発酵するように、先生が二晩かけて菌を育ててきてくださったそうです。
命の源のような気がします。
パッチン
とフタをしてもらって。
こんな感じに。
それを、ゆさゆさと撹拌すると。
ゆさゆさ
混ざりました~~、この状態を、『諸味(もろみ)』というそうです。
あとは、これを持って帰って開封し、時期によって毎日~一週間に一回混ぜ混ぜします。
ペットボトルを振って、均一に混ざるように。
蓋は、中から発生してくる気体が抜けるよう、振るとき以外は上にかぶせておくだけ。
こうして一年(!!)、自宅で育てるそうです。
一旦作ったら寝かしておく、というのではないのですね~~~。
入っている菌の働きがそれぞれ違うので、時期によって混ぜる回数を変え自分で育てていくのです。
うお~責任重大!!!
どんな菌がどういう働きをするか、先生はちゃんとご存知で、この菌のお仕事が終わると次はまた別の菌がアルコールを作って……と、とても詳しく教えてくださいました。
大豆に巻き巻きした菌は酵素を作り出し、酵素は小麦や大豆に含まれる糖をエネルギー源としてアミノ酸を旨味に変える……。
しょうゆは、こうして人の手で化学的に作り出されるものだったのです……!!!
それにしても、近頃は除菌、殺菌と菌を目の敵のようにしていましたが、乳酸菌などいい働きをしてくれる子たちもたくさんいるんですねぇ。
改めてそれに気づかされました。
見事に発酵、熟成すると、このように茶色い色素が出てきて、しょうゆが出来上がります。
ちょうど一年育てていたものを、目の前で絞ってくださいました。
カッターでペットボトルを開き、ドロリとしたしょうゆを二重に敷いた網で漉していきます。
ゆっくりゆっくり、一年かけて育てられたしょうゆが落ちていきます。
全部落ちきるのに何時間もかかるので、楽しく遊びながら待つもよし。
夜の間に落としておくというのでもいいそうです。
私たちはそんなに待っていられないので(笑)、少し取り分けてもらってお味見タ~~イム!!!
すっごく美味しい
しっかりとしょうゆの旨味があり、塩分濃度も濃すぎず完璧!!
私のもこんなに上手にできるかしら……できてほしいな……。
絞ったあと残ったものは、まだしっとりとしょうゆがついているので、魚に塗って焼くもよし、こうして、
焼き菓子の材料にするもよし、いろんな使い道があるそうです。
このお菓子は、お蕎麦屋さんの奥さんが、その残ったものを入れて焼いてくださいました。
熟成した豆の風味が効いて、美味しかったです~。ごちそうさまです
最後は質問タイム。
こ~~んなに優しそうな先生に教えていただきました~~~!!
まず、素朴な疑問だった『どうして小麦を入れるのか、大豆だけではダメなのか、米にしないのか』を聞いてみました。
・大豆だけで作られるのは『たまり醤油』。作るのが難しく熟練の技が必要なのだそう
・しょうゆはたくさんの香りが混ざり合っているが、その中に4つ大きいものがあり、そのなかの二つを小麦が出している
・風邪を引いて匂いがわからなくなると味もわからなくなるように、我々が普段(これがしょうゆだ)と思っている味には小麦が不可欠なのである
・小麦が日本でたくさん栽培されるよういなったのは江戸時代に入ってから
・なので今のしょうゆが生まれたのは、江戸時代以降である
・さらに、庶民にまでしょうゆという調味料が浸透するのは、巨大な木桶が作られるようになった江戸中期以降、後期になる
・それまでは、『醤(ひしお)』と呼ばれる塩辛のような自然発酵食品や味噌の上澄み液が、貴族など一部の身分の高い人達の間だけで食されていた
・室町時代に、明との貿易で大豆と麦でできた調味料が日本に来ていたようだが、しょうゆとはまた違ったものだった
などなど……。
一気に書きましたが、これだけのことをアホの私がさっと覚えられるくらいに、わかりやすく笑顔で教えてくださったんです。
すごく嬉しかったし、先生のしょうゆ作りへの情熱と愛をひしひしと感じました。
いったいどういうものなのか、さっぱり想像できなかったしょうゆ作り体験でしたが、ものすごくいい勉強をさせていただいてしょうゆのことをたくさん知ることができました。
私の雑な味覚ではわからないかもしれませんが、これからは地元やいろんな地域で作られているしょうゆを買って、味わってみたいです。
そして今日も優しく振り振り~~
菌たちに、頑張ってね、と声をかけて。
いつにも増して長文になってしまいましたが、最後まで読んでくださりほんとうにありがとうございました
次回は、素敵だったお蕎麦屋さんの写真をアップしますね。
それではねこねこタイムです~~~
ひろみちゃん、おひさまがポカポカしてきても、ゆっくり眠りたいときは箱ハウスの中がいいのかな~?
ん?顔の下に足がある……、どういう状態??
起こしちゃったね、ごめんめ。
綺麗なおめめでじーっと見つめられると、おばさんメロメロだよ~~
おうちの中では。
イブちょがなぜかお相撲さんのように仁王立ち
……なんでだろ、イブちょの腰に化粧回しが見える気がする……。
に~~~し~~~!! いぶちよのふ~じ~~~~!!!
行司さんの声が聞こえてきそうです(笑)。
しろちゅはここで、ごきげんさん
イブちょは狭そうだなぁ~~
寒くなくなると、寝る場所がちょっとずつ変化して。
猫たちの春を私も楽しんでいます
それでは、また次回です~~~