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絵本に出てきそうな芋虫  6月16日の記録パート3

2014-06-19 | フィールドノート(多摩丘陵)
まずは、下の写真をご覧ください。この植物が、6月16日の記録3回目の主役です。


アワブキ 2010-05-02 多摩丘陵

多摩丘陵のお気に入りのルートのひとつに出かけたとき、まず、この木をじっくり眺めて行くのです。
なぜならば、この木で過去に何度か、スミナガシというチョウが繁殖していたからです。
スミナガシ。
ちょっと不思議な名前のチョウです。
翅の模様が、習字で使う墨を水の上にそっと流した時に現れる独特の模様に似ていることから命名されたと聞きます。宮中では、《スミナガシ》という遊びもあったと聞きます。


スミナガシ 2008-08-22 栃木県

どうですか。 何とも奥ゆかしい美しさのチョウだとは思いませんか?
それにしても、このチョウに《スミナガシ》なる名前を付けた、古の日本人の感性には脱帽です。

このチョウ、この美しさと見事なギャップを持つのが、その幼虫の姿です。


アワブキの葉を食うスミナガシ幼虫 2011-07-06 多摩丘陵


スミナガシ幼虫の顔 2011-07-06 多摩丘陵

どうですか…。
僕はこの幼虫の顔を見ると、童話に出てくる魔女の覆面を連想してしまいます。といっても、あまりオドロオドロシイものではなく、コミカルなんですけれどね。
今年もこの幼虫が繁殖しているかなと気になって、毎回見ていってしまうのです。

そして今回は…。
残念ながら、今回は、居ませんでした。

しかし…。
ちょっと別のものがあったのです。


アワブキの葉を綴る○○○の幼中 2014-06-16 多摩丘陵

さて、これは何だと思います。
まあ、こんな問いかけをしても、知っている人は知ってる。知らない人は知らないと言うだけのことなので意味はありません。
というわけで、住人には申し訳ないのですが、綴られた葉をはがしてみましょう。


中にいた幼虫(アオバセセリ) 2014-06-16 多摩丘陵

というわけなのです。
この幼虫も実にカラフルな模様をしています。オレンジ色の頭には、黒い水玉まで付けて!
アオバセセリは、多摩丘陵ではだいぶ少なくなってきました。

僕は、多摩丘陵では、10年以上成虫の姿を見ていません。
それが、ここで幼虫を確認できたということは、今でも、ちゃんと多摩丘陵内で繁殖し続けているのだという証ですから…。嬉しいですね!
ちなみに、巣を壊してしまったのですが、帰りに見た時には、ちゃんと修復されていました。ご心配なく。

最後に、一昨年、高尾山で撮ったアオバセセリの成虫の姿を紹介しておきます。

アオバセセリ 2012-05-24 裏高尾



 


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