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今日は空がとても綺麗でした。
オンライン会議で帝王切開の話になり、ふと逆子治療で来院していたヨガの先生の事を思い出した。ヨガを始めて十数年、ある時期からヨガの先生もやり始め、そのうちマクロビオティックだか菜食だかも覚え、その実践もしていた方の事だ。
来院はかれこれ10年以上前にはなるだろうか、初診はかなり落ちこんだ様子だった。逆子は下を向くからと健診の度に医師に言われ、32週の健診でまだ逆子、次回34週の健診でもまだ逆子なら帝王切開の日にちを決めると言われ、ショックを隠せないみたいだった。
最近は帝王切開でも安全であれば問題ないと言う人が増えているように思うが、当時は帝王切開を嫌がる人がとても多かった。ましてやヨガと食養の先生である。言葉は悪いが、自身の出産経験も商品となる。「ヨガと食養で安産だった」といった文脈は十分に商品として成立するわけだから。
結局逆子は最後まで続き、帝王切開での出産となったのだが、お子さんが生まれた後も何度か来院してくれた。お聞きすると、帝王切開の痛みも思ったほどではなかったとの事。来院する度に、産後の回復が良いのはお灸のおかげだし、早くに子育てに向き合う気持ちになったのは当院が気持ちの整理をしてくれたからだと、嬉しいことを言ってくれた。
「もしも自分が安産だったら、私の考えやヨガや食養をこれから出産される方に押し付けていたかもしれない。そう思うとゾッとする」と言っていたのもとても印象的だった。ヨガや食養は自分だけのものだが、妊娠とその後は子どもが関わる。胎児も他者だ、他者との付き合いは自分の思うようにはいかないものだ。そのことを、逆子を通じて嫌と言うほど知ることができたのだろう、今は子育てがとても楽しいと言っていたのを覚えている。
我が子とはいえ他者である。出産が思い通りにならなかった人ほど、子育てに良い意味での諦観が生まれ、子育て初期から良い感じで子育てができているように思うのだが、そう思うのは私だけだろうか。
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