皆さんのゴールデンウィークはいかがでしたでしょうか?
私は上野の恐竜博に行った事が最大の行事でした。
恐竜への思いは多分人並み程度でしたが、展示されていた骨格標本の迫力が凄まじく、これから恐竜が好きになるかもです
子ども達も面白がっていましたし、行って大正解でした。
その他の日ですが、子ども達は自分の時間に忙しく、全く遊んでくれません
ですからゴールデンウィークは時間ができ、6月に受けることにした英検の勉強と、頼まれている講演の準備に時間を充てる事ができたので、結構充実したお休みになったかと思います
それでは本題です
昨年末に出会った、お子さん5ヶ月ぐらいのママさんの話です
海外に長く在住されておられた方ですが、日本で出産されました
順調な妊娠期を過ごしていたとの事ですが、当初の予定では帝王切開での出産を希望
お話を伺うと、海外では第一子の出産でも帝王切開を希望する方がかなりおられるとのこと
34週あたりまで逆子で、先生からも「このままだと帝王切開での出産になる」と言われておりました
それで「帝王切開で出産できると思っていた」とのことですが、34週の健診で逆子が直ったとのこと
逆子は直りましたが、当初の予定通り帝王切開で出産したいとの意向を先生に言ったところ、「それはできない」と言われ、そのまま経膣分娩で元気なお子さんを出産されました
(この病院だけが特に「適応でなければ帝王切開ができないという所」かもしれませんが)
適応でない帝王切開は将来的に母体に悪い影響を及ぼすと言われている…とか…
必要の無い帝王切開を回避したいという医師の考えに賛成なのですが、特に順調であれば帝王切開で出産したいという方の意向は汲まない…ということは、帝王切開は危険な出産方法なのかと思ってしまいます。
大塚病院のHPには「骨盤位経腟分娩について」
http://www.byouin.metro.tokyo.jp/ohtsuka/document/kotubani_ninsin.pdf
「しかし骨盤位では帝王切開でも新生児仮死や児の骨折などは頭位よりも頻度が高いという報告があり、帝王切開をすることにより母体に生じる合併症や次回妊娠への危険性なども十分に考慮したうえで分娩方法を決定する必要があります。」
「(骨盤位)経腟分娩を選択する際の基準を厳しく守れば、赤ちゃんの合併症は選択的帝王切開でも経腟分娩でも差がなかったという報告もあります。[産婦人科診療ガイドライン・産科編 2014/日本産科婦人科学会]」
(上記PDF資料より抜粋文)
ここには逆子でも胎児や母体の状態により経腟分娩を薦める場合がある…とあります
その一方で逆子で予定帝王切開を行う可能性のある妊婦さんには
「逆子での経膣分娩はリスクが高い」
「予定帝王切開は最も安全」
「現在5人に1人は帝王切開で生まれているので心配する必要はない」
といった言葉で納得してもらおうとする…
でも個人で色々調べることのできる時代です。
帝王切開を調べると、メリットデメリット色々書いてあり、調べれば調べるほどわからなくなっていく。
そのうち医師による予定帝王切開を慰める言葉が上辺だけのものに聞こえてきて、その信頼が薄らいでゆく。
●逆子直しの体操は切迫の危険があるとか、確固たるエビデンスがないのでお勧めしないとか…
●骨盤位外回転術は危険だからやらない方がいいとか…
●逆子直しのためのお灸や逆子体操は実際効果があるかどうか定かでないのでやる必要ないとか…
帝王切開はできればしない方がよい
vs vs
予定帝王切開は最も安全な出産方法
ここに苦しんでおられる逆子の妊婦さん、結構おられます。
個別にお話できる場所があるとよいのですが、逆子ぐらいの事で医師の時間をとっていいものか、とためらう妊婦さんがいるのも確かです。
「帝王切開での出産となります」と簡単に言うけど、WHOは帝王切開率増加に警鐘ならしています
2015年04月12日 15:21
昨今の産婦人科医不足により、時間がかかる経膣分娩はできたら少なくしたい、その時間をハイリスクの方のケアに割きたい。
そういう気持ちもよくわかります。
しかし帝王切開にもリスクがある…ということなら、逆子直しにつながる事はなんでもやりたいと思うのが妊婦さんです。
お灸や体操等、たとえエビデンスが無かったとしてもです。
お灸を行うとよく動くように感じると仰る妊婦さんはたくさんおられます。
逆子ちゃんの頭を下にしてもらうためには先ず赤ちゃんの動きをつける必要がありますが、どの週数から始めても、お灸で赤ちゃんがよく動くようになったとお話される方は多いです。
ですからエビデンス等の問題を指摘されたとしても、お灸を試す価値は大いにあると思います(大規模の実験したら、逆子の割合は少なくなると思うのです)。
最後に帝王切開率を調べてて見つけたHPです
慶応大学医学部産婦人科学教室 (リンク切れ)
周産期カンファレンス 周産期臨床統計2015年(2016.1)
http://www.obgy.med.keio.ac.jp/03conference/p_conference.html
この資料によると、慶応大学病院での帝王切開による出産の割合は46% 。
ハイリスク妊婦さんが多い病院では、このぐらいの割合で帝王切開が行われているところがあります。
我が家の子どもも帝王切開で救ってもらいました。
ですから帝王切開を否定することはありませんが、予定の帝王切開を宣告された時の不安はかなりのものです。
そこに対するケアも微力ながらお手伝いしていきたいと思っています。
患者さんの声パート1、(1~57)
患者さんの声パート2、(58~88)
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