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府中町で訪問鍼灸&マッサージをしている"おおした"です

このブログは2005年6月に始めました。鍼灸院をやってた頃のことを含め、今も気ままに書いています。

江戸時代の大厄…麻疹

2007年06月18日 | 健診・検査・予防接種

 

上智や日大に続き、5月21日、30人の感染者が出たということで早稲田大学が29日まで休校となったのは最近のこと…。

 5月28日~6月3日に、全国約450の医療機関から報告された15歳以上のはしかの患者数は65人で、前週の82人を下回ったことが、国立感染症研究所のまとめで12日わかった。

首都圏を中心に春ごろから、流行の拡大傾向が続いていたが、今回初めて減少に転じた。都道府県別には、東京都が前週と同じ23人で最も多かった。前週、東京に次いで多かった宮城県は15人から9人に、埼玉県も8人から2人に減った。一方、逆に神奈川県は10人から12人に増えている。

麻疹の流行も、ようやく落ち着いた……かな?

 

日本以外の先進国では、ほぼ撲滅された病気のようです。

先進国の中で、こんなに麻疹患者が発生してる国は日本だけなんだそうです。

日本での麻疹ワクチンの接種率は70%台…

接種率は、先進国の中でも低い方で、日本は麻疹輸出国になっているそうです。

麻疹(はしか)は空気感染でうつり、感染力が強いのが特徴です。

保育所や幼稚園では一気に広がります。

小中学生などでは、麻疹ワクチンを受けているにもかかわらず、麻疹になってしまったという話もあるそうです(アメリカでは麻疹ワクチンを2回接種しています)。

わが国でも年間数万人の患者が発生して50人近くの子供が亡くなっている怖い病気です。

母親からの抗体は、生後3~4ヶ月くらいまでは有効だそうですが、生後8ヶ月以降になるとほとんど無効になり、麻疹にかかる率が高くなるようです。

 

ということで…厚労省は麻疹に対する具体的対な応策を怠っていたといわれても仕方がありません。

予防接種に懐疑的な人たちの発言に懐柔されたと言われても仕方無いかもしれません。

麻疹の予防接種は危険も少なく、予防接種に懐疑的なお医者さんの間でもやったほうがいいものの一つです。

 で…この麻疹 、江戸時代には一生一度の大厄といわれていました。

栄養状態の悪い江戸時代、麻疹にかかると肺炎を併発して死に至ることも多かったとのこと。

 

  • …しびれる
  • …温熱病の発疹

熱が出て3~4日で出疹がはじまり、頭顔胸背中から四肢に及ぶとあります

合併症もなく順調に進めば後3日ほどで、疹点も隠れ熱も退いて回復

 

昔の人は発疹の色で判断したそうです。

 

  • 鮮紅、紫赤…熱が盛んで 
  • 黒ずむ…毒が重い 

咽喉が腫れて食べられなくなったり、声がしわがれて出なくなったりする症状は用心!!

 

江戸時代の麻疹は薬20年ぐらいの間隔で流行しているから、子どもはもちろん大人も感染しました。

 

大人になってから麻疹に罹ると子どもの時よりも重くなり、特に妊婦の場合流産の恐れが強く、麻疹の流行がおさまるまで、転々と逃げのびる例などが記録されています。

 

文久2年(1862)「麻疹養生記」には禁忌として「房事、入湯、灸治、酒いずれも七十五日の間悪し」とあります。

快方に向かうと一日でも早く湯を浴びてさっぱりしたいのが人情だけど、これを慎重にと諭しています。

 

参考 江戸の医療風俗事典  鈴木昶 著 東京堂出版



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