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本題の前に写真は神宮球場です。当治療院から近いのですよ(^。^)
陰陽五行は古代中国で発展した、自然観察に基づく体系的な哲学的理念です。
例えばなぜ四季があるのか、なぜ朝があり夜が来るのか、東西南北の意味は…等。
まず、宇宙の始まりを太極とし、天地陰陽に分かれ、さらに発展してすべてのものを陰と陽に分けました。
自然界でみると
「天と地」
「昼と夜」
「上と下」
「東と西」
「夏と冬」
「火と水」
のようにです。
人間は一度に多くの情報を整理することができないので、物事を血液型のように(たとえが悪いかな……)分けて宇宙の法則の全体像を探ろうとしました。
これが五行を考えることになったきっかけです。
五行は自然とともに循環します。
季節や自然に対する戦略が年中行事の本当の意味です。
陰陽五行の思想はまさに自然を観察するための基本理念なんです。
話を元に戻して、宇宙の全体像を木・火・土・金・水の5つのバランスで考えようとしました。
これが九行とか十一行とかになると、そのバランスを人間の頭では考えることが無理です。
人の指が5つですよね。
指を使えば誰でも簡単に数えることができます。
5という数字は人間にとってとても大切な数になります。
この陰陽五行論はとてもシンプルな考えで、暦だけでなく、医療であれば東洋医学、住居であれば風水、細木数子さんであれば六星占術?
すべてが陰陽五行を基盤としています。
占いと医療が同じ組に入っていることに疑問を持つ方も多いですが、太陽や月の運行と地球の自転も、生命に関わっている以上、避けて通ることができません。
人間が生きているということの全体像を探ろうとした場合、とても理にかなった理論だと思うのですが、皆さんいかがです??
陰陽五行に基づく東洋医学を科学する。
大辞泉での科学についての記述です
「一定の目的・方法のもとに種々の事象を研究する認識活動。一般に、哲学・宗教・芸術などと区別して用いられ、広義には学・学問と同じ意味に、狭義では自然科学だけをさすことがある。」
科学とは自然科学由来のもの
この自然科学……大辞泉での自然科学の説明は「自然界の現象を研究する学問の総称。実験・観察・数理に支えられて、対象の記述・説明、さらには事実間の一般法則を見いだし実証しようとする経験科学」とあります。
陰陽五行のもとでは哲学チックな面が多々ありますが、経験則にもとずく科学であるとの見方もできます。
この陰陽論はその後発達した五行論と合体して陰陽五行論となります。
陰陽論について
全ての物と現象は陰と陽という対立する性格のどちらかに分けられる、という二元論で語られます。
暗/水/冷/裏というイメージを陰で、l明/火/暖/表というイメージを陽というように分け、相対的に全ての物と現象を、陰と陽の性質に分けます。
具体的には女は陰で男は陽とか、男の中でもおなかは陰で背中は陽、というふうにどんどん分けていきます。
この陰陽は絶えず変化しており(今の瞬間陽でも次の瞬間陰にもなる、というように…)、対立しながらも統一され、陰の中にも陽があり、陽の中にも陰があるなどと考え、絶対的なものではありません。
五行について
万物は、木(もく)・火(か)・土(ど)・金(ごん)・水(すい)の五つの基本性質に分けられ、それらは孤立して存在することなく、お互いバランスを保ちながら存在している、とする考えです。
五つの基本物質の関係には相生と相克の二通りの関係があります。
【相生関係】
「木が燃えて火となり、火が灰となって土を生み、土の中で金が掘り出され、金が冷えると水滴が生じ、水によって木が育つ」というようにお互いに相手を生じます。
【相剋関係】
「木は土から養分を奪い、土によって土手を築き水の氾濫を防ぎ、水は火を消し、金は火によって鍛えられ、金は木を切る」というように、お互い相手を抑制し調整しあう間柄です。
陰陽五行論はどう医学と関係するの?
この自然哲学を、古代中国人は、人体にも当てはめました。どうしてそうすることができたかというと、人体とは周囲をとりまく自然環境の中で存在するもので、人体とそれを取り巻く自然や宇宙は、同じ法則で動いてる と考えたからです。
病気とは自然環境の中での変化に対応できず、調和が崩れた時の状態をいい、健康とは、うまく自然環境の一員として調和を保ちながら存在している状態にある事をいいます。
経絡治療は、こういった観点から治療をおこなっています。
まず、中国人は、五行学説に従い、「木,火,土,金,水」を人体の各臓器にも当てはめました。
ちなみに中医学では人体の臓器は「五臓六腑」と言って、心、肺、脾、肝、腎の五臓と、小腸、大腸、胃、胆、膀胱、三焦(三焦は水液や気の通路と言われるもの)という六腑が基本です。
ここでの 心、肺、脾、肝、腎という呼び名は、西洋医学的に考える臓器というより、より広い機能を表す単位として、例えば「肝」だったら肝臓というわけではなく、筋肉や目のの疲れや怒りやすい人、顔色が青かったり腰痛持ちをイメージしてみたり、「心」だったら、 現代医学で言う「心臓」そのものの循環ポンプという働きをもつと同時に、大脳新皮質を中心とする高次神経系(脳)の機能の働きをもつものとイメージしてみるといった具合にです。
さて、元に戻って、五行学説をどう当てはめたかというと、肝は木、心は火、脾は土、肺は金、腎は水としました。このとき、上記の関係もそのまま当てはめて
「木(肝)は燃えて火(心)を生じ、土(脾)から奪う」
→「肝がおかしくなると心も脾もおかしくなる」
→「肝がおかしくなると心も脾もおかしくなる」
と考えます。
これを治療に生かします。
これを治療に生かします。
そこに陰陽理論が加わり、身体や各臓器を陰と陽の性質のバランスで捉えて、健康状態をみています。
陰陽のどちらかが減ってまた増えすぎて、バランスが崩れると、病気につながっていきます。例えば、腎の陰の性質がたりない(=虚)と「腎陰虚」といい、陰の性質の「水」が不足して陽の性質の「火」が強くなると考えます。よって、「火」のイメージにあう手足がほてる、口が渇く、不眠、便秘などの病的症状を示すと考えます。
参考文献 「わかりやすい経絡治療」 福島弘道著
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