2月20日に麻布十番で東洋はり医学会渋谷支部例会を行いました。
この日の講義「わかりやすい経絡治療解説 ・陰陽五行」はたま はりきゅう院 院長の田巻和洋先生です。陰陽五行の考えを本会独特の本治法を左右に振り分け行う方法の根拠等について、わかりやすい講義が展開されました。
この日はもう一つ講義がありました。10月の「補助療法、続き」です。講師は奏玲治療室 室長の岩下秀明先生。岩下先生は北米東洋医学誌North American Journal of Oriental Medicineへの投稿もある国際派。(July2010、November2010に掲載されている"The best way to assist Qi flow in the Clinic: How to help others and yourself."は必見!)こちらもいろいろな角度から補助療法についてのお話がでました。
今年の渋谷支部、年間テーマは
一鍼が経絡に及ぼす影響について (副題 虚と実、理想の脉を知る)
個々の身体に合わせた理想の脉とは何か、和緩を得た良い脉にするにはどうすればいいかについて研究する(和緩を得た良い脉とは浮沈・遅数・虚実・大小・硬軟が中程度のもののこと)ことになりました。
脉といっても個人個人の差が大きく、その判断を戸惑う場合も少なくありません。個人個人の理想の脉をイメージすることができれば、誤治も少なくなりますし、間違えてもその場で修正することが可能になります。いろんな脉を診て、治療の幅を今まで以上に拡げて行きましょう!
午後の実技は基本刺鍼と取穴から 取穴については13日に行われた支部長会議でみっちり研修したので、それを支部員で再確認しました。
模擬患者による検証事項の一つが
≪ナソ・ムノのゴム粘土状所見に対する刺鍼について確認する≫
所見と健康部の境に対する刺鍼において、鍼先を健康部へ向ける場合と所見に向ける場合とでは、どちらが有効かを確認するというもの。
あと、刺鍼前に刺鍼後の脉状や体の変化がどうなっているのが理想かを班員で話し合い、実際に鍼をした後に刺鍼前に理想とされた変化が出たかを確認するという作業も同時進行で検証しました。
これはどうだったかな?
その他臨床で確認したことは
- 冷えている方が適応側かどうか?
- 仰臥位で足の開きは何を持って良し悪しを判断するのか?
最後にうちの班の心虚で治療した模擬患者について…
心の虚…経絡治療を学んでいる他団体の方は不思議に思われる方もおられるかもしれませんね。
私も正直戸惑った時期がありました。しかしこれだけ病症が複雑になっている現代において、心の補い一つで楽になるケースは少なくありません。
実際、心虚という症例は漠然としていたところがありましたが、今回の実技で左寸口心の脈位が虚、その陽経小腸経がやや実を確認できたことは収穫でした。あと、お腹もぱっと診ると腎の虚に診えてしまい、これを腎実(平かな?)と診るとは多分できなかったでしょう。実際ゆっくり診ると、腹部腎の診所はしっかりしています。
でも…このような方が治療院に来ると多分腎虚で治療し誤治…(>_<)
まあ…如何に数多くの比較ポイントを見つけるかをつぶさに勉強できたのは収穫でしたね!
前腕尺部も左右差を診ると硬さが違う、下腿腎経の流注が左右とも固い、顔は赤い。
実際に左大陵を補うことで、上に述べた所見に変化が…
一穴でこれだけ変化するだなんて、経絡治療は面白いですね!
ということで影のボスの1ショットを最後に、報告終わりま~す
これで忙しい2月が一段落!申告作業に。
それ来週日曜日は久しぶりのお休み!
楽しみだなぁ…
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