「おおしたさん」のブログです

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治るまでの時間と経過の青写真を共有する

2023年08月31日 | 健康
良い天気でしたね(*^^)v


四診より得た情報から身体の状態を探り、物語を作る作業。論拠が確固たれば、それを踏まえて物語を紡ぎ出せる。ただ、人の体は十人十色、うまくストーリーを作れないこともしばしばだ。だから五感を研ぎ澄ませて患者を診ることが大切になる。

  • この激しい痛みがいつまで続くのだろうか。
  • 本当に痛みはひくのだろうか。
  • どのくらいまで痛みがひけば安心できるだろうか。
  • どんな感じで良くなっていくのだろうか。
鍼灸師のほとんどが急性腰痛の治療経験があると思う。
だからその経過をイメージするのはそれほど難しくないと思う。

寝返りができない程の患者が動けるようになるまで、本人が納得するまで毎日診た事がある。動くこともままならない痛みがどのように改善していくか、数例ではあるが、それによりその過程をイメージできるようになった。イメージができる程に患者を診れば、その経過を予め伝える事ができるようになる。だいたいにおいて、腰痛は必ず良くなる。だから鍼灸の力だけでなく、治癒への今後の変遷についても伝え、気持ちの面からも不安を取り除く作業をするようにしている。

私自身の寝返りを打てない程の急性腰痛も、治療をする上で良い経験となっている。自身の経験も含め、治ってからの生活習慣の見直しにも思いを馳せつつ色々と伝えるようにしている。

急性腰痛にも色々ある。少しの動作で電気が走る、靴下がはけないどころか、起き上がる事もできないような痛みもある。膝抱え動作はできるが膝を倒せないとか、横向きが一番痛いとか、人によって全く違う。だからセルフケアも、腰部回旋をした方が良い場合があれば悪い場合もあるし、何もしない方が早く治る場合も多々ある。

東洋医学的にも腎の腰痛と肝の腰痛は全く違うし、肺や脾の腰痛ももちろんあるので、それらも考慮しつつ治療にあたれば、より重層的な治療ができると思う。

とりあえず、現状とこれから、そして治った後にも思いを馳せつつ、この痛みを良いチャンスにするよう、そんな話も言葉を選びつつするようにしている。

神経根症状が無ければ10日くらいで必ず改善する。だいたい10日くらいで普通に生活を送れるようになるが、その発症からの日数とその間の痛みの変遷、そして初診での診たてを含め、かなり細かくこれからの痛みの変遷予想を伝えるようにしている。

特に初診の患者は鍼灸を魔法のように一回の治療で治ると思っている人がいるので、私のようにそれができない凡人治療家は、ゆっくり治すことの大切さを伝え、できないもどかしさをけむに巻くようにしている。

そのほか大切なのが、病院での診断を促すこと。手に負える負えないにかかわらず、病院での診断は勧めるようにしている。

とにかく自分ひとりで抱えない。これはとても大切なことのように思う。結局あまり背負い込まない方が患者には喜ばれる、そんな気がする。

治っていく過程を示し、治療の都度都度その青写真を修正しつつ、それを患者と共有する。

どうしてここまでの痛みになったのか、それを治すにはそれなりの時間をかける必要がある。

痛みがあるから気づけた、痛みが少しずつ減っていくことを素直に喜んでもらうように促す。痛みさえなくなれば良いと思えば、すぐに楽になりたいと思うのが人間というもの。生活スタイルを見直すせっかくのチャンス、次回の同じ痛みはより痛いだけでなく長引くとか、神経根症状が出やすくなるので、次の腰痛はとてもきつい等、少し厳しい話も交えつつ、仕事や日常生活の見直しも視野に、治療展開をするようにしている。

多分これをブラッシュアップする事で、腰痛はなんとかなるような、そんな気がする。


経絡治療と感情について
東洋医学では感情の変化が身体にどのような変化を起こすかをとても大切に考えてきました。

そういえば、このような患者さんもおられました。
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