漢検協会の多額利益問題- 「日本漢字能力検定協会」(京都市)が、公益事業では認められない多額の利益を上げていたことが明らかになったということで、新聞テレビで連日騒がれていたが、ついに決着が付いたようである。
改善困難なら漢検中止=5月中の対応求める-塩谷文科相
財団法人日本漢字能力検定協会(京都市)が6月に予定している次回の検定について、塩谷立文部科学相は21日の閣議後の記者会見で「関係企業との取引などを速やかに改善してもらうことが大事。5月中に明確にすることが難しければ中止してもらうことになる」との考えを示した。(時事通信)
この件に関する記事はヤフーニュースだけでも下記のように載っている。
・ 漢検協会の改善、5月中に困難なら次回検定中止を…文科相 - 読売新聞(4月21日)
◇検定料に関して外部調査委は
・ <漢検>検定料900円値下げ可 不透明取引一掃で - 毎日新聞(4月18日)
・ 漢検問題に関する動画ニュース - Yahoo!ニュース
◇前理事長と協会のカネに関する問題が次々露呈
・ 漢検、前理事長宅の警備費を6年半も負担…今月まで継続 - 読売新聞(4月21日)
・ 漢検前理事長ら一族へ協会と親族企業から年間3億円超 - 産経新聞(4月21日)
・ 漢検前理事長に退職金=5300万、在任中の07年に-京都 - 時事通信(4月21日)
文部科学省はしきりに漢検は儲け過ぎていると非難しているけれど、漢検の検定料と、英検の検定料を比較してみたところ同じレベルで、どちらかというと英検の検定料のほうが高いくらいである。
漢字検定検定料 1級・・・5,000円
準1級・・・4,500円
2級・・・4,000円
準2、3、4、5、6、7級・・・各2,000円
8、9、10級・・・各1,500円
英検 検定料(税込み) 1級 :7,500円
準1級:6,000円
2級 :4,100円
準2級:3,600円
3級 :2,500円
4級 :1,500円
5級 :1,400円
以前英検が受験に英検の結果が採用されている学校の受験に有利なように、点数操作をして問題になった事があったけれど、その時でさえ今回ほどマスコミが連日しつこく追及することはなかったと記憶する。
漢検の場合、漢字に対する関心が上がってきた為に、急に利益が増えたのだろうけれど、
英検と比べて特に高額の料金を設定しているわけではない。
多額の収益を上げているのはけしからんと文化省は言っているようだけれど、
儲けの一部を、文化省に還元しなかったのが怪しからんと言っているのではないだろうか?
漢検は京都市に本部を置いており、京都の僧職の人に色々助言をもらっているそうで、寺院への寄付はしているのだろうけれど、東京にある文部省への付け届けは怠ったのかも知れない。
文化省の天下り先にしたら、天下って来た者に多額の給料や退職金を払う事になるから、今ほど収益は上がらない。
「それが健全な経営である。」と文化省は言いたいのだろうか。
「文化省が認定してやっているから、こんなに儲けることができているというのに、全然文化省に還元しようとしないとは怪しからん!」と文化省は怒っているのではないだろうか?
同じような料金を取っていても英検は責められないのは、
もしかしたら文化省に充分冥加金を払っているから、
儲けがそれほど多額にならないだけなのではないだろうか?
近頃マスコミが正義ずらして、誰かをしつこく攻撃し続けるときは、眉につばをして見なければならない!
菅直人さんが
「マスコミ報道」という一文を書いておられる。
菅さんが民主党代表だった時の年金未納事件のときの事である。
今回の小沢代表の秘書の件に関する検察とマスコミ報道を見ていて、2004年の私の「年金未加入による未納」報道を思い出す。私が民主党代表をやめると、それを待っていたかのように数日後、社会保険庁に出先である武蔵野の社会保険事務所から「未加入」の扱いが間違いであったので訂正するという知らせが届いた。(以下略)
マスコミは菅さんが代表を辞めると表明するまで、
毎日毎日年金未納問題で菅さん叩きを続けていたけれど、
代表をやめると表明されたら、ぱったりとこの件に関する報道が無くなり、
社会保険庁が菅さんに謝ったという事については、
ほとんど報道するマスコミ機関は無かったそうである。
今やマスコミの目的は、国民に真実を知らせる事ではなくて、
権力者の要望達成を助ける事と、変わってしまったのではないだろうか?
たいした問題とも思えないようなことでも、
権力者がその報道を求めている時には、大きな字で毎日毎日書き続けるけれど、
権力者の好まない事に関しては、一切書かないか、書いたとしても目立たないコーナーに、目に付かないように配慮して、記入しているようである。
こんな新聞が、毎日国民を誘導していく先には何があるのだろう?