このところの、うっとうしかったお天気が嘘のように、朝から良く晴れて、
日向に居たら暑いくらいのお日和であった。
こんな小春日和の、のどかな日であるが、
世間には師走の冷たい風が、其処まで迫ってきているのだと思われるようなテレビの報道を見た。
今朝の朝日放送スーパーモーニングである。
ワークシェアリングのことを扱っていた。
本来の緊急避難型ワークシェアリングと言うものは、不景気になっても従業員を解雇しないで済ませるために、
一人当たりの労働時間を減らして、その分賃金を減らしてでも、雇用を守ろうと言うものであった。
ところが小泉内閣の時に考えられたワークシェアリングと言うのは、
忙しくなったら労働力を供給してくれ、暇になったら何時でも解雇できる仕組みづくりを目的にしたものであった。
それは不景気になった時、会社が人件費に苦しまなくても済むように、
正社員を最小限の人数に留め、後は派遣社員とパート従業員にしてしまったら、
何時でも補給できるし、カットできて至極便利であると言う趣旨のものであった。
それは緊急避難型のワークシェアリングと全く反対の目的で考え出されたものであった。
昨年のリーマンショックの時には、一気に派遣切りが行われて、
会社は最小限の損失で済んだかもしれないけれど、
巷には急に頚を切られ、住まい迄追われて、
師走の寒空に放り出された人々が、大勢満ちる事になってしまった。
その上、雇用の不安定は需要を落ち込ませる。
底の無い感じの不景気は、派遣切りに会った人だけでなく、今正社員である人々も、
何時わが身に馘首の災厄が降りかかってくるかもしれないと言うことで、
欲しい物も出来るだけ我慢して、買わなくなってしまうから、
需要は益々落ち込んで、いったん不景気になると立ち直れなくなってしまっているという。
昔は、現在持ち合わせが無くても、月賦で買う人が大勢有ったものだが・・・・・
小泉政権時代から、従業員は総て正社員として採用し、リーマンショックの時にも、
ワークシェアリングで、雇用を守り続けてきたと言う会社を紹介していた。
此れまでは、従業員の頚を切らないでも、ワークシェアリングで何とかやって来れたのだそうである。
ところが今年はどうしても融通がつかず、6人の人を解雇せざるを得なくなったのだそうである。
「会社を潰すわけには行きませんので・・・・・」といわれる社長さんの言葉に実感がこもっていた。
昨年のリーマンショックにも持ち堪えたのに、今年はどうにもならないと言うのは、
今年の不景気が昨年以上に厳しいということなのだろうか?
其れとも、昨年企業の持てる体力を使い果たしてしまったから、
今年はもうどうにもならないと言うことなのだろうか?
いずれにしても師走を前に政府は何か、考えてくれているのだろうか?
日本の優良企業を潰れるに任せていたら、それこそ取り返しの付かない事になってしまうが・・・・・