レンキン

外国の写真と
それとは関係ないぼそぼそ

ブヒブヒ

2005年12月06日 | ぼそぼそ
 近所で暴走行為が盛んだ。


ヤンキーブームが去ってしばらくの頃はめっきり減り、
大晦日の夜か元旦にしか聞かなくなっていた。
それが最近は何だかよく走っている。
バイクが安いのだろうか。

ここらは一帯団地群なので、その中を走ると大変によく響く。
ひとふかしすれば風呂場で歌っているかのように
周囲の団地に反響した、気持ちのいいエコーがかかる。
暴走中の彼も響きに気をよくしてか
ブヒブヒと余計なサービスをしながら走ってゆく。
が、ここら一帯は坂がきつい事で有名だ。
あまりにサービスをしすぎてよくエンストしていたので
最近は地味に一気に坂を登りきってから
頂上で到達のブヒブヒをしているのが聞こえる。
人は登りつめるとつい雄叫びをあげてしまうものなのだろう。


私がまだ小便くさい中学生だった頃
一クラスに三人は真ヤンキーがいた。
今でもそうかもしれないが、当時はもっと熱く
ヤンキーブームだったのだ。
半ヤンキーやヤンキー風なんてのはまずいない。
男ヤンキーは尾崎豊を聞き、すごく真面目に先公と戦い、
女ヤンキーはホットロードという漫画の影響で
多かれ少なかれアンニュイな雰囲気を醸し出していた。
学校の廊下をバイクで走り回る彼ら、
だけど私はその下準備で 三階の廊下まで
三人がかりで単車を押し上げている彼らを見ている。
彼らは学校やら組織やら権力やら先公やらと
そのようにして戦っていたのだ。
坂の頂上でブヒブヒを聞くと彼らの事を思い出して
何となくへその辺りが痒くなってしまうのだ。
「ああ、(照れ笑い)いたね」という感じで。


坂の上の彼も、見えない何かと爆音で戦っているのだろうか。
願わくばその何かに打ち勝てるように、
そしてもう少し静かな方法で、戦う術を見つけられるように。