<コグ鉄道>
ロッキー山脈紀行(9):第2日目(1):パイクスピークコグ鉄道
(アルパインツアー)
2010年8月19日(木)~28日(土)
第2日目:2010年8月20日(金)
<第2日目の行程>
<2日目の朝>
■朝食:寝不足で食欲がない
時差のためか,夜中に何度も目が覚める.無理に目を瞑っていると,ウトウトとするが,眠りが浅い.そして,何ともいえない悪夢を見続ける.
・・・・夢の中で,私は何かのミーティングに出席している.その席で,何やら司会者からこっぴどく叱られる.汗ビッショリになって言い訳を続ける.ミーティングを終えて,背中に司会者の罵倒を浴びせられながら,自分の研究室に戻る.ドアーを開けて部屋に入ると,見知らぬ人が私の席に座っている.そして,数名の学生がテーブルを囲んで座っている.彼らは一斉に怪訝そうな顔で私を見る.
私は,蚊の啼くような小さな声で,
「済みません・・荷物だけ取らせて下さい」
と言って,見知らぬ人の脇に置いてある風呂敷包みを持って,スゴスゴと部屋を出る.
部屋の表札を見ると,何時の間にか私の名前がなくなっている.そして,知らない人の名前になっている.
「そうか・・オレは退職したんだった・・」
私は,スゴスゴとキャンパスを後にする・・・・ ここで目が覚める.同じような内容の夢を時々見ることがある.あるときは夢の舞台が学生寮に変わる.大学生の頃,寮生活をしていた.この寮は旧制高校の寮を引き継いだオンボロ建物だった.南寮,中寮,北寮が渡り廊下で結ばれている.大講堂での集会を終えて,私は南寮にある自分の部屋に戻る.ところが自分の部屋がどうしても見付からない.仕方なく中寮,北寮まで自分の部屋を探しに行くが,何処にも自分の部屋がない.途方に暮れていると目が覚める.
こんな夢の話をすると,心理学者から,
「要するにお前は,何事にも自信がなくて,小心者なんだよ.それに,欲求不満なんだ・・・」
と決めつけられそうである.
■バイキング形式の朝食
悪夢から覚めて,ドキドキしていると,モーニングコールの電話が架かってくる.5時30分.辺りはまだ真っ暗である.部屋の冷房が利きすぎていて,喉がガラガラしている.
私たちが宿泊しているホテルが,標高1900メートルを越える地にあるためか,少々,頭が重い.
部屋の窓を開ける.外気は冷涼で,心地よい.
6時20分,ロビーへ向かう.
ロビーで,大きなマグカップに,サービスコーヒーをたっぷりと入れて賞味する.寝不足で疲れた頭をコーヒーが心地よく刺激する.
6時30分,ロビー脇のレストランに入る.朝食はバイキング形式.東南アジアや日本のホテルに比較すると品数は少ない.私はリンゴ,バナナ,それに菓子パン2個,オレンジジュースだけで朝食を済ませる.これではタンパク質が不足するなと分かっているが食べる気がしない.
<コグ鉄道でパイクスピークへ>
■コグ鉄道に乗車
7時07分,ホテル前で2台の専用車に分乗する.そして,7時09分,私たちはコグ鉄道の乗車駅を目指して発車.素晴らしく閑静な住宅地の中を走る.
7時37分,コグ鉄道駅に到着する.山並みに囲まれた小さな駅である.沢山の観光客が集まっている.少し狭い入口を下って,駅舎より少し低いにあるホームへ降りる.2輛連結の赤い色の気動車が停まっている.
私たちは進行方向から2両目の車両に纏まって乗車する.車両の中央通路の両側にボックス席が並んでいる.片側は2人掛け,通路を挟んで反対側は2人掛けである.
<ホテルを出発>
■パイクスピークに到着
私たちが乗車した列車は,8時02分に山麓駅を発車する.単線でアプト式のレールである.すぐに急勾配の坂道を登り始める.車内は立ち席の人は居ないが満席.アメリカ人らしく皆笑顔で陽気である.最初,列車は緑豊かな林の中をユックリと走っていたが, 8時40分頃,信号所のような中間の駅を通過する.駅の傍らには,昔,蒸気機関車時代の給水施設が残っている.
8時45分,列車は頃森林限界を越えて,いよいよ岩稜地帯に入る.高度がどのくらいあるのか分からないが,車窓からの見晴らしが利くようになる.列車は風化した花崗岩が累々と重なる斜面をトラバースしながら,高度を上げていく.
「・・頂上のドーナッツは有名です.頂上駅に到着したら,まず最初にドーナッツを買って下さい.少し遅れると,行列ができて待たされるようになりますよ..」
と現地ガイドが私たちを脅す.
9時丁度にパイクスピーク山頂駅(標高4301m)に到着する.山頂付近には雲が掛かっていて,下界の眺望は今ひとつスッキリしない.
<パイクスピークの山頂>
■サクサクとした名物ドーナッツ
ガイドの助言に従って,まずは売店に入って,件(くだん)のドーナッツを購入する.係員は無造作にちょっと薄汚い感じの青いビニール袋にドーナッツを放り込んで私に手渡す.1個99セント.熱々のドーナッツは芳ばしくて,サクサクしていて,なかなか美味である.
■観光客で賑わう山頂
40分ほど自由時間がある.ドーナッツを頬張りながら,山頂を一回りする.標高4000メートルを越える高所なので,ちょっと急いで歩くと息切れがする.
山頂には沢山の観光客が屯している.私は,少々寒いので,雨具兼用のヤッケを着込んでいるが,半袖,ショートパンツの人が沢山居る.さすがに肉食主体の人たちは寒さに強いなと感心する.
売店の裏手に廻ると,山頂を示す煉瓦作りのモニュメントがある.このモニュメントの上に「パイクスピーク山頂」と英語で書いた案内が取り付けられている.モニュメントの前で,観光客が交代で記念写真を撮っている.
私は気を利かせて,自転車で上ってきたと思われるお二人さんのカメラのシャッターを押してあげる.その代わりに,私も自分の写真を撮って貰う.ついでに,二言三言雑談をする.
「・・ここまで自転車で登ってきたんですか?」
「ええ・・そうよ」
「へえ~・・どのくらいの時間で登れるんですか」
「そうね,大体1時間半ぐらいだったかな・・」
「ええ・・たった1時間半ですか!」
<パイクスピーク山頂:人物は無関係>
■ラックレールの凸凹が気になる
お二人さんとお別れして,今度は駅の方へ行ってみる.
私はアプト式に,とても興味がある.
少々,余談になるが,昔,大学生時代に,休みになると,自宅のある小諸から大学のある仙台まで,信越本線と常磐線を乗り付いて往復していた.そのときに,列車は軽井沢から横川までアプト式レールの上を走っていた.長野県人だったら誰でも知っている「信濃国」の歌の中に,“穿(うが)つトンネル26・・”という節がある.アプト式列車に乗って,26のトンネルを潜って碓氷峠を往復した.
その時代から,ずっと私を悩ませ続けている問題がある.実に他愛のないことだが・・・
それは,なぜ,レールのラックと電車の歯車が何時もタイミング良く嚙み合うんだろうという素朴な疑問である.
「ラックの“凸”と歯車の“凸”が,ぶつかったら,上手くレールと嚙み合わないのでは・・」
「なぜ,何時も“凸”と“凹”がピッタリ嚙み合うんだろう?」
これが何とも不思議で,考え出すと,それこそ,夜も眠れなくなってしまう.
私は列車の車輪を覗き込んで,歯車やラックレールの写真を撮りまくる.
でも,やっぱりこの謎は解けない.
■売店をウロウロ
少々寒いので,また,売店に潜り込む.沢山の観光客がショッピングを楽しんでいる.私も折角アメリカに来たのだから,何か記念に買おうかと思ったが,生来のケチケチ虫が騒ぎ出したので,何も買わないことにする・・・と,書くと格好良いが,実はTシャツの1枚ぐらい買っても良いなと思ったが,綿のTシャツしか置いてない.私の場合,Tシャツを山に着ていく場合が多いので,どうしてもポリエステル製のものが欲しい.ここには綿のシャツしかないので買わなかったというの本音である.
<公園でランチ>
■コグ鉄道で下山
9時48分,列車乗車口に戻る.
私たちは,往路と同じ場所に陣取る.ただ,私たちの間では,お互いに左右の位置を入れ替わる.下りも相変わらず満席である.山頂を散策して満足したのか,下りの車内は,先ほどより一層華やいだ雰囲気である.
10時35分,上りでは通過した給水施設のある駅で,列車が停車する.
だれか緊急トイレで列車を停めたらしい.列車が停車すると中年男性が,構内空き地にあるトイレに駆け込んでいく.用を済ませた男性が,すぐに列車に戻る.乗客はこの男性にヤンヤの喝采を浴びせる.男性は,「やあ,やあ・・」という仕草をしながら,自分の席に戻る.列車はすぐに発車する.
やがて,女性の車掌が車内販売を始める.リーダーのIさんが,
「・・皆さん,無口でいないで,にこやかに応対して下さい・・」
と一同に注意する.
私は4ドルの観光案内書を購入する.
列車はポプラ(かな?)の林の中を下る.時折,グラナイト(Granite;花崗岩)の露頭が見え隠れする.いかにも金が出そうな雰囲気である.
11時14分,山麓駅に到着する.
■SUBWAYで買い物
11時22分,2台の専用車に乗車.すぐに出発する.一旦,往路をコロラドスプリングスまで戻.そこからルート85に沿って南下する.
11時30分,コロラドスプリングスの郊外にあるSUBWAYで下車.ここでランチを購入する.お好みの大きさで,お好みの食材を挟み込むシステムである.買い方がややこしいが,山西観光のネイトさんとジョッシュさんが懇切丁寧に指導してくれる.
現地の皆さんと同じものを頼んだら量が多すぎるので,パンは半分にして貰う.パンの中にはハム,チーズ,トマトなどを挟み込んで貰う.食材を英語で言うのはもどかしいので,指で指しながらピックアックする.
■青空の下でランチ
11時30分,SUBWAYで買い込んだホットドック持参で,隣接する公園に入る.緑陰の池や広々とした芝生のある素敵な公園である.池の畔では近くに住んでいると思われる方々が,思い思いに散策をしている.
私たちは,三々五々,木陰に座り込んで,今買ったばかりのホットドッグを賞味する.パンは適当に粘りけがあって,とても美味しい.
池の水面をかすめるようにして涼しい風が吹いてくる.日向に出ると少し暑いが,木陰は涼しくて心地がよい.時間が許すなら,暫くの間,昼寝をしていたいような雰囲気である.
何時までもユックリしているわけにも行かない.昼食を終えた私たちは,12時20分,専用車に戻る.
12時24分に発車.私たちは次の観光地であるグレートサンドデューンに向けて,一路西へ走りつづける.
(つづく)
「ロッキー山脈紀行」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/383c3e77f07d32f99465b7438f4173b9
「ロッキー山脈紀行」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c00063f4336e0465aff2b77cfbba73d2
ロッキー山脈紀行(9):第2日目(1):パイクスピークコグ鉄道
(アルパインツアー)
2010年8月19日(木)~28日(土)
第2日目:2010年8月20日(金)
<第2日目の行程>
<2日目の朝>
■朝食:寝不足で食欲がない
時差のためか,夜中に何度も目が覚める.無理に目を瞑っていると,ウトウトとするが,眠りが浅い.そして,何ともいえない悪夢を見続ける.
・・・・夢の中で,私は何かのミーティングに出席している.その席で,何やら司会者からこっぴどく叱られる.汗ビッショリになって言い訳を続ける.ミーティングを終えて,背中に司会者の罵倒を浴びせられながら,自分の研究室に戻る.ドアーを開けて部屋に入ると,見知らぬ人が私の席に座っている.そして,数名の学生がテーブルを囲んで座っている.彼らは一斉に怪訝そうな顔で私を見る.
私は,蚊の啼くような小さな声で,
「済みません・・荷物だけ取らせて下さい」
と言って,見知らぬ人の脇に置いてある風呂敷包みを持って,スゴスゴと部屋を出る.
部屋の表札を見ると,何時の間にか私の名前がなくなっている.そして,知らない人の名前になっている.
「そうか・・オレは退職したんだった・・」
私は,スゴスゴとキャンパスを後にする・・・・ ここで目が覚める.同じような内容の夢を時々見ることがある.あるときは夢の舞台が学生寮に変わる.大学生の頃,寮生活をしていた.この寮は旧制高校の寮を引き継いだオンボロ建物だった.南寮,中寮,北寮が渡り廊下で結ばれている.大講堂での集会を終えて,私は南寮にある自分の部屋に戻る.ところが自分の部屋がどうしても見付からない.仕方なく中寮,北寮まで自分の部屋を探しに行くが,何処にも自分の部屋がない.途方に暮れていると目が覚める.
こんな夢の話をすると,心理学者から,
「要するにお前は,何事にも自信がなくて,小心者なんだよ.それに,欲求不満なんだ・・・」
と決めつけられそうである.
■バイキング形式の朝食
悪夢から覚めて,ドキドキしていると,モーニングコールの電話が架かってくる.5時30分.辺りはまだ真っ暗である.部屋の冷房が利きすぎていて,喉がガラガラしている.
私たちが宿泊しているホテルが,標高1900メートルを越える地にあるためか,少々,頭が重い.
部屋の窓を開ける.外気は冷涼で,心地よい.
6時20分,ロビーへ向かう.
ロビーで,大きなマグカップに,サービスコーヒーをたっぷりと入れて賞味する.寝不足で疲れた頭をコーヒーが心地よく刺激する.
6時30分,ロビー脇のレストランに入る.朝食はバイキング形式.東南アジアや日本のホテルに比較すると品数は少ない.私はリンゴ,バナナ,それに菓子パン2個,オレンジジュースだけで朝食を済ませる.これではタンパク質が不足するなと分かっているが食べる気がしない.
<コグ鉄道でパイクスピークへ>
■コグ鉄道に乗車
7時07分,ホテル前で2台の専用車に分乗する.そして,7時09分,私たちはコグ鉄道の乗車駅を目指して発車.素晴らしく閑静な住宅地の中を走る.
7時37分,コグ鉄道駅に到着する.山並みに囲まれた小さな駅である.沢山の観光客が集まっている.少し狭い入口を下って,駅舎より少し低いにあるホームへ降りる.2輛連結の赤い色の気動車が停まっている.
私たちは進行方向から2両目の車両に纏まって乗車する.車両の中央通路の両側にボックス席が並んでいる.片側は2人掛け,通路を挟んで反対側は2人掛けである.
<ホテルを出発>
■パイクスピークに到着
私たちが乗車した列車は,8時02分に山麓駅を発車する.単線でアプト式のレールである.すぐに急勾配の坂道を登り始める.車内は立ち席の人は居ないが満席.アメリカ人らしく皆笑顔で陽気である.最初,列車は緑豊かな林の中をユックリと走っていたが, 8時40分頃,信号所のような中間の駅を通過する.駅の傍らには,昔,蒸気機関車時代の給水施設が残っている.
8時45分,列車は頃森林限界を越えて,いよいよ岩稜地帯に入る.高度がどのくらいあるのか分からないが,車窓からの見晴らしが利くようになる.列車は風化した花崗岩が累々と重なる斜面をトラバースしながら,高度を上げていく.
「・・頂上のドーナッツは有名です.頂上駅に到着したら,まず最初にドーナッツを買って下さい.少し遅れると,行列ができて待たされるようになりますよ..」
と現地ガイドが私たちを脅す.
9時丁度にパイクスピーク山頂駅(標高4301m)に到着する.山頂付近には雲が掛かっていて,下界の眺望は今ひとつスッキリしない.
<パイクスピークの山頂>
■サクサクとした名物ドーナッツ
ガイドの助言に従って,まずは売店に入って,件(くだん)のドーナッツを購入する.係員は無造作にちょっと薄汚い感じの青いビニール袋にドーナッツを放り込んで私に手渡す.1個99セント.熱々のドーナッツは芳ばしくて,サクサクしていて,なかなか美味である.
■観光客で賑わう山頂
40分ほど自由時間がある.ドーナッツを頬張りながら,山頂を一回りする.標高4000メートルを越える高所なので,ちょっと急いで歩くと息切れがする.
山頂には沢山の観光客が屯している.私は,少々寒いので,雨具兼用のヤッケを着込んでいるが,半袖,ショートパンツの人が沢山居る.さすがに肉食主体の人たちは寒さに強いなと感心する.
売店の裏手に廻ると,山頂を示す煉瓦作りのモニュメントがある.このモニュメントの上に「パイクスピーク山頂」と英語で書いた案内が取り付けられている.モニュメントの前で,観光客が交代で記念写真を撮っている.
私は気を利かせて,自転車で上ってきたと思われるお二人さんのカメラのシャッターを押してあげる.その代わりに,私も自分の写真を撮って貰う.ついでに,二言三言雑談をする.
「・・ここまで自転車で登ってきたんですか?」
「ええ・・そうよ」
「へえ~・・どのくらいの時間で登れるんですか」
「そうね,大体1時間半ぐらいだったかな・・」
「ええ・・たった1時間半ですか!」
<パイクスピーク山頂:人物は無関係>
■ラックレールの凸凹が気になる
お二人さんとお別れして,今度は駅の方へ行ってみる.
私はアプト式に,とても興味がある.
少々,余談になるが,昔,大学生時代に,休みになると,自宅のある小諸から大学のある仙台まで,信越本線と常磐線を乗り付いて往復していた.そのときに,列車は軽井沢から横川までアプト式レールの上を走っていた.長野県人だったら誰でも知っている「信濃国」の歌の中に,“穿(うが)つトンネル26・・”という節がある.アプト式列車に乗って,26のトンネルを潜って碓氷峠を往復した.
その時代から,ずっと私を悩ませ続けている問題がある.実に他愛のないことだが・・・
それは,なぜ,レールのラックと電車の歯車が何時もタイミング良く嚙み合うんだろうという素朴な疑問である.
「ラックの“凸”と歯車の“凸”が,ぶつかったら,上手くレールと嚙み合わないのでは・・」
「なぜ,何時も“凸”と“凹”がピッタリ嚙み合うんだろう?」
これが何とも不思議で,考え出すと,それこそ,夜も眠れなくなってしまう.
私は列車の車輪を覗き込んで,歯車やラックレールの写真を撮りまくる.
でも,やっぱりこの謎は解けない.
■売店をウロウロ
少々寒いので,また,売店に潜り込む.沢山の観光客がショッピングを楽しんでいる.私も折角アメリカに来たのだから,何か記念に買おうかと思ったが,生来のケチケチ虫が騒ぎ出したので,何も買わないことにする・・・と,書くと格好良いが,実はTシャツの1枚ぐらい買っても良いなと思ったが,綿のTシャツしか置いてない.私の場合,Tシャツを山に着ていく場合が多いので,どうしてもポリエステル製のものが欲しい.ここには綿のシャツしかないので買わなかったというの本音である.
<公園でランチ>
■コグ鉄道で下山
9時48分,列車乗車口に戻る.
私たちは,往路と同じ場所に陣取る.ただ,私たちの間では,お互いに左右の位置を入れ替わる.下りも相変わらず満席である.山頂を散策して満足したのか,下りの車内は,先ほどより一層華やいだ雰囲気である.
10時35分,上りでは通過した給水施設のある駅で,列車が停車する.
だれか緊急トイレで列車を停めたらしい.列車が停車すると中年男性が,構内空き地にあるトイレに駆け込んでいく.用を済ませた男性が,すぐに列車に戻る.乗客はこの男性にヤンヤの喝采を浴びせる.男性は,「やあ,やあ・・」という仕草をしながら,自分の席に戻る.列車はすぐに発車する.
やがて,女性の車掌が車内販売を始める.リーダーのIさんが,
「・・皆さん,無口でいないで,にこやかに応対して下さい・・」
と一同に注意する.
私は4ドルの観光案内書を購入する.
列車はポプラ(かな?)の林の中を下る.時折,グラナイト(Granite;花崗岩)の露頭が見え隠れする.いかにも金が出そうな雰囲気である.
11時14分,山麓駅に到着する.
■SUBWAYで買い物
11時22分,2台の専用車に乗車.すぐに出発する.一旦,往路をコロラドスプリングスまで戻.そこからルート85に沿って南下する.
11時30分,コロラドスプリングスの郊外にあるSUBWAYで下車.ここでランチを購入する.お好みの大きさで,お好みの食材を挟み込むシステムである.買い方がややこしいが,山西観光のネイトさんとジョッシュさんが懇切丁寧に指導してくれる.
現地の皆さんと同じものを頼んだら量が多すぎるので,パンは半分にして貰う.パンの中にはハム,チーズ,トマトなどを挟み込んで貰う.食材を英語で言うのはもどかしいので,指で指しながらピックアックする.
■青空の下でランチ
11時30分,SUBWAYで買い込んだホットドック持参で,隣接する公園に入る.緑陰の池や広々とした芝生のある素敵な公園である.池の畔では近くに住んでいると思われる方々が,思い思いに散策をしている.
私たちは,三々五々,木陰に座り込んで,今買ったばかりのホットドッグを賞味する.パンは適当に粘りけがあって,とても美味しい.
池の水面をかすめるようにして涼しい風が吹いてくる.日向に出ると少し暑いが,木陰は涼しくて心地がよい.時間が許すなら,暫くの間,昼寝をしていたいような雰囲気である.
何時までもユックリしているわけにも行かない.昼食を終えた私たちは,12時20分,専用車に戻る.
12時24分に発車.私たちは次の観光地であるグレートサンドデューンに向けて,一路西へ走りつづける.
(つづく)
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