ロッキー山脈紀行(1)：プロローグ(1)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　＜鎌倉中央公園にて＞

　　　　　　　　　ロッキー山脈紀行(1)：プロローグ(1)
　　　　　　　　　　　　（アルパインツアー）
　　　　　　　　２０１０年８月１９日（木）～２８日（土）

＜そろそろ準備をしなければ・・・＞

２０１０年８月８日（日）

■またまた海外旅行へ
　この所，無理をして，毎年１回，海外の山旅を楽しんでいる．実際の所，海外旅行は，とても費用の掛かる道楽なので，本音を言えば，出費が多くて，多くて・・・．
　現役時代に多少蓄えていたものを，少しずつ吐き出しているが，できれば死ぬときに蓄えがゼロ円になれば良いなと思っている．
　私の人生を野球に例えるならば，すでに９回裏２死．ツーアウトぐらいのところまで来ているが，ボールカウントがツースリーになっているのか，ワンストライクぐらいの所かがハッキリしない．だから，なけなしの蓄えをどんなピッチで使ったらピッタリ大往生できるかが，神のみぞ知るで，自分には全く分からない．
　50代の頃は，まあざっと考えて，70歳ぐらいまで元気でいたら御の字だと思っていた．だから70歳代後半になっても，せっせと山を歩く自分の姿は到底想像できなかった．その頃は，まあ，75歳ぐらいまでに有り金は全部叩いてしまえばいいなと思っていた．でも，齢（よわい）を重ねる内に，最初に設定した年齢をクリアーしたのに，まだ，何となく山に登れる．これは誠に嬉しいことだが，同時にスリーアウトゲームセットの予定が全く立たなくなってしまう．
　まあ，それはともかく，今回は，先のことを考えずに，今回はアメリカロッキー山脈4000メートル峰４座登頂に参加することにした．
　このツアーの出発は，今月19日．そろそろ準備を始めなければならない・・・といっても，特段，買い足さなければならない登山用具はない．ただし，古いもので我慢すればの話だが・・・
　「なぜ，お前はそんなに山へばかり行っているんだ・・」
って，聞かれても．返答に窮する．実は自分にも良く分からないのだ．
　だが，まあ，そんなこと，どうでも良いさ．
　とにかく，旅の最中に，できるだけスケッチをしたい．それには，厚くて無地のノートを2冊ほど入手したい．私の趣味に合うノートは，大船西友の中にある「無印良品」にしか置いていない．
　私は，暑い最中，バスにも乗らずに，家から大船まで，鎌倉中央公園を経由して，2.5キロメートルほどの道をブラブラと歩く．
　そして，ノートを買う序でに，西友の店内を小一時間ウロウロ．


 
＜蒸し暑い鎌倉中央公園＞

■大船で塔ノ岳韋駄天組の方とバッタリ
　西友の店内ウロウロも飽きたので，西友を出て大船駅方面へ歩き出す．
　すると，仲通手前で，丸坊主の男性から，
　「おや，暫く・・」
と呼び止められる．
　一瞬，この男性，誰だろうと戸惑う．確かにどこかでお目に掛かっているが誰だろう．五十三次洛遊会の方かな．いや違う．
　「オレって，どうして人の顔をすんなりと覚えることができないんだろう」
と，毎度のことながら自分自身が焦れったくなる．
　1秒ほど戸惑ったが，すぐに塔ノ岳ご常連，それも韋駄天組のお一人だと思い出す．ただし，顔は良く知っているが名前は分からない．・・・で，ここでは坊主頭氏ということにしよう．
　そこで，20分以上も．長々と立ち話．まるでピーチクパーチクのオバサン同士のように話が弾む．
　「・・この1週間，やけに暑いので，塔ノ岳行きを自粛していますよ・・」
と私がエキスキューズを入れる．
　「いや～ぁ・・・本当に暑いですね」
と坊主頭氏が受ける．続けて坊主頭氏が言う．
　「・・この間，そうあなたとすれ違った日かな．随分と暑かったでしょう．あの日，一緒に下山していた××さんが，登山口を過ぎた辺りで急に倒れたんです．それで，慌てて救急車で病院へ運んだんです・・」
　「そうでしたか・・・気をつけないといけないですね．私も絶対『がんばらない登山』に徹していますよ．あの日も，余りに暑いので，登りに3時間も掛かっちゃいましたよ．でも，それでいいと思っています」
　「そうだよね～・・・オレなんか汗びっしょりになって登っているもんな・・まずいよね」
　私は，山の学校で習ったことを受け売りで話す（速筋と遅筋の解説記事を見つけたので，下記の通り引用する）（資料１）．
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■速筋と遅筋
　資料１より引用筋肉は主に筋繊維というもので構成されています。筋繊維には大きく分けて2種類があります。1つは縮む速度が速い「速筋」ともう1つは縮む速度が遅い「遅筋」の２つです。
　●速筋
　速筋は、すばやく収縮することが出来るため瞬発力を引き出す時に使われる筋肉です。
　また速筋は無酸素運動の時によく使われる筋肉でその色から白筋とも言われています。速筋は疲れやすい筋肉ですが筋肥大しやすい筋肉です。
　速筋を鍛えるには、筋トレの場合高負荷低回数のトレーニングが効果的です。
　●遅筋
　遅筋は、小さな筋肉でゆっくり収縮し、持久力を引き出すときに使われます。また遅筋は有酸素運動の時によく使われる筋肉でその色から赤筋とも言われています。
　遅筋は筋肥大しにくい筋肉ですが疲れにくくマラソン選手などはこの遅筋が大変発達しています。
　遅筋を鍛えるには、筋トレの場合、低負荷高回数のトレーニングが効果的です。また遅筋を鍛えるにはジョギングなどの有酸素運動が効果的です。
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　なるほど，この記事を見ると，登山は，ユックリ持続的に登らなければならないので，遅筋が主役だとが良く分かる．脂汗を流しながら，ガンガン登ると速筋を使った無酸素運動になってしまう．これではすぐに疲れるのが自明である．
　坊主頭氏と雑談している内に，来週早々にも塔ノ岳へ行きたくなる．

２０１０年８月９日（月）

■塔ノ岳行を諦める
　塔ノ岳へ行こうと思っていた．
　ところが，朝4時の天気予報を見ると，予報が悪化して，午前中はゴーゴーザーザーの雨が降るとのご託宣である．何しろ月額315円也を支払っている有料の天気予報である．315円に拘るわけではないが，有料なので信用しないわけにはいかない．
　いくら塔ノ岳へ行きたいとはいうものの雨の中を登山する気にはならないので，やむなく登山を中止する．しかし，鎌倉で空を眺めている限りでは，空は曇ってはいるものの，結局，雨は降らなかった．
　「何だ，こんな天気だったら丹沢へ出掛ければ良かった！」
私は地団駄を踏んで悔しがるが後の祭り．

■久々に眼科へ
　今，自分の身体のことで，一番厄介に思っているのは眼の調子である．
　特にパソコンが良くない．数時間，パソコンを使っていると，眼がとても疲れてくる．眼が疲れると，斜視のような症状が出て，両眼視がうまくできなくなってくる．それに，数年前に作った眼鏡の度がどうも合わなくなっている．
　私は意を決して，2年ぶりに近くの眼科を訪れた．
　看護婦が私の顔を覚えていて，
　「おや，暫く振りですね・・・」
と挨拶する．ところが私の方は，この看護婦の顔を覚えていない．
　「近々，海外へ登山に行くので，眼鏡の度を測り直して貰いたいんです・・」
　妙な機械を使って眼圧やら，眼底やらの検査が行われる．そちらの方は，どうやら異常はなさそうである．矯正視力は，両目とも，何とか1.2まで見えるが，そこまでレンズの度を強くすると，眼が疲労するというので，矯正視力が1.0になったところで，眼鏡を作り直すことに決める．
　「海外に行かれるんでしたら，感染予防の目薬を処方しておきましょう・・・」
ということで，戴いた処方箋を持って，調剤薬局を訪れる．
　薬剤師が，
　「ものもらいでもできたんですか？」
と私に聞く．
　薬を購入した後，まだ日が高いので，暑い最中を，ブラブラと大船まで歩く．
　「何でこんなに暑い最中に，ブラブラ歩きをするんだよ・・・」
と心の中のもう一人の私が愚痴を言う．
　余りに暑いので，大船仲通から少し外れた場所にある某喫茶店で，一杯230円也のコーヒーを賞味する．コーヒーを飲みながら，秋の神奈美展に出品する絵のことを考える．
　「何をテーマに絵を描こうかな・・・」
私はコーヒーを飲みながら，いろいろと思案する．


＜三毛ネコを相手に＞

２０１０年８月１０日（火）

■眼鏡を新調
　塔ノ岳へ行こうかと思って，4時に起床する．
　今日の天気予報も，終日ザーザーゴーゴーと雨が降り続くというご託宣である．その上，台風4号とやらが発生して，天気が急変することがあるという．雨の中を歩きたくないので，今日もやむなく丹沢行きは諦める．ガッデム，ソノファビッチ．
　仕方なく，コーモリ傘持参で，鎌倉深沢地区から大船方面を延べ5キロメートルほどブラブラ歩きをする．時々霧雨が降ってくるが，あえて傘をさすほどでもない．
　「やっぱり，今朝，塔へ出掛けてしまえば良かった・・！」
と一寸反省．
　大船までの2.5キロメートルの山下りは，やけに暑い．昨日，眼科で貰った処方箋を持って，駅前西友の眼鏡屋を訪れる．アメリカへ出掛ける前に，良く見える眼鏡を作っておきたかったからである．
　新しい眼鏡ができるのは土曜日だという．また，取りに来るのは面倒臭いがやむを得ない．

＜山崎で黒猫と出会う＞

■三毛ネコをからかう
　夕方になる．
　2階ベランダから，隣家の屋根を見ると，例の三毛ネコが気持ち良さそうに居眠りをしている．ふとベランダに転がっている洗面器を見ると，ここ2～3日の雨で3～4センチメートルほど水が貯まっている．また，ボーフラが沸くと困るなと思って，洗面器の水を庭に捨てる．
　2階から庭に水を撒いたので，
　「バシャッ・・」
と意外に大きな音がする．
　気怠そうに居眠りをしていたネコが，この水の音を聞くやいなや，パッと飛び起きて身構える．さすがにネコである．ほれぼれするほどの反応の早さである．
　その後，暫くの間，ネコは瞬きもせずに私の方を凝視し続ける．
　その内に，私の心の奥底に巣くっているもう一人の私が．
　「お前，何時までネコと戯れているんだい・・・暇なんだね．お前さんは・・」
と私を揶揄する．
　「放っといてくれ・・・どうせ塔ノ岳に行けなかったんで暇なんだよ！」
　夕方のテレビで，台風4号が九州に接近中と伝えている．どうやら日本海沿いに北東に進むようである．関東地方は，明日の夜から台風の影響を受けるようである．
　私は，心の中で，明日こそ塔ノ岳へ出掛けようと決める．



＜「バシャッ」の水音にビックリするネコ＞
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）
[参考資料]
資料1：http://everyman.client.jp/kinnikushurui.html

「ロッキー山脈紀行」の前回の記事
（なし）
「ロッキー山脈紀行」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/7a3c36f6e742e5b009791feda199f8a9