<へつり道を歩く>
ルートバーン(27):ルートバーントレッキング第3日目(2)
(湘南カラビナ隊)
2002年1月25日(金)~2月5日(日)
第7日目:2005年2月2日(水)(つづき)
27 ルートバーンフラット小屋へ
<ランチボックスと朝食>
■自分で作るランチボックス
7時30分,私たち男性群は,部屋の中で,それぞれ入念にストレッチする.その間,女性軍は何をしていたのか私には分からない.
つづいて,各自,食堂で昼食のサントイッチを作る.私は,ぐずぐずしている内に,列の後の方になる.そして,ちぐはぐなことをしながら,なんとなく手こずっている.
私の側にいた江戸っ子姉御風の消防隊長が,焦れったそうに,ラップを大きく切りながら,あれこれと私の世話をしてくれる.平素,マイペースの勝手流に馴れている私は,指示されて,ただオロオロしている.
私も2枚のパンに,トマト,レタス,キュウリなど適当に入れてサントイッチを作る.それにクッキー,バナナ,オレンジなど適当に紙袋に放り込む.
■まずは朝食
そのままの流れで,8時45分頃,朝食になる.私たちは,昨夜とほぼ同じ席に座る.
まずはオートミール.続いてベーコンと目玉タマゴ.それに果物である.捻挫足に違和感があるものの,普通に食欲がある.Sさんから,
「出発前に,これまでトレック中に飲んだアルコール代を,精算してください」
と注意を受ける.
■たった5ドルをクレジットで
9時55分,私たちは,一旦,部屋へ戻る.私は,昨夜,右足首の捻挫で意気消沈していて,リュックの中を整理するのを怠った.そのために,どこに財布が入ってしまったか分からず,すぐには出てこない.そこで,精算額は小額ではあるがクレジットカードで支払うことにする.
9時05分,ふたたびロビーへ戻る.ロビーでは,私の足首にテーピングをしてくれた女性が,俄受付台を作って,料金の支払いを受けていた.数人の支払いを待って,私もビール1缶5ドルを支払う.彼女は,
「現金ないの」
と私に聞く.
「済みません.お財布を何処かにしまい忘れちゃって」
後になって,半袖シャツのポケットに財布を入れて置いたことを思い出したが,後の祭りである.ただ,帰国後,クレジットの決済を見ると,1ドル=72円余りの換算レートになっている.クイーンズタウンのホテルでは,80円以上もしていたから,クレジットで支払って随分得をしたことになる.気分が良い.
<へつり道と揺れる吊り橋>
■いよいよ出発
9時31分,いよいよ出発する.私たちは,外人部隊の後から出発する.
とりあえずは,ルートバーンフラット小屋まで下り坂である.眼下にルートバーン川が大きく蛇行しながら流れているのが見下ろせる.
テーピングをして貰ったために,右足に多少の違和感はあるものの,何とか普通に歩けるようである.ほっとする.
<ルートバーン滝小屋を出発>
■へつり道
10時丁度 ,断崖の中腹をヘツってつくられた狭い道を通過する.昨年初秋に訪れた黒部の「下の廊下」に似た雰囲気である.
バーダー,スケルトンさん,消防署長,私,フクロウの順で通過する.
フクロウが,私の後ろから,
「下の廊下,そっくりですね・・・」
と声を掛ける.
私の前にいた消防署長が,
「下の廊下って,こういうところですか」
と質問する.
本当は下の廊下の方が,もっとずっと怖いが,その辺はうやむやにして適当に返事をする.
注:ルートバーンから帰国後,消防署長も下廊下へ行っている.
ルートバーンのへつり道は,勿論,一般のハイキング道.難易度は下廊下と比ぶべくもない.
<へつり道を行く>
■怖い吊り橋
10時1分,前方に長い吊り橋が見えてくる.高所恐怖症の私は,おっかなびっくり渡り始める,私の前をサッサと渡って行く消防署長との距離がドンドンと広がる.歩くたびに橋は左右に大きく揺れる.思わず両側の吊り線を握りしめる.
へっぴり腰で渡る私の姿を,渡り終えた方々が,おもしろがって写真を撮っている.私は,心の中で,
「ンにゃろめ~っ.・・・人の気も知らないで」
と半ば憤慨する.
<揺れる吊り橋を渡る>
■ブッシュロビン
やがて,赤ツゲが密生している素晴らしい林の中に入る.清々しい木の香りが,そこはかとなく漂ってくる.時折,小鳥の姿が見える.ブッシュロビン(Bush Robin)だろうか(注1).
小さな身体に大きな丸い頭,パッチリとした目をしている.小鳥が私たちの方に近づいてきて,興味深そうに私たちを見つめる.その仕草が何とも可愛い.でも,ちょこまかと動き回るので,カメラに収めるのは容易でない.
<ブッシュロビンンが遊ぶ林の中を進む>
<ルートバーンフラット小屋に到着>
■広い河原に出る
10時24分,登山道は三叉路に突き当たる.前方には広い河原が広がっている.案内板を頼りにして,左折する.すると,こぼれ日が射し込む林の中を水平な道が続いている.
10時30分,私たちはルートバーンフラット小屋に到着する.小屋の入口近くで,ガイドのチャドが,私たちを待っていた.そして,
「私の時計は,今,10時30分.ここがルートバーンフラットハットです」
と言う.
小さな小屋だが,広い河原が見渡せて,伸びやかな雰囲気である.
<ルートバーンフラット小屋から河原を見渡す>
<ルートバーンフラット小屋で休憩>
■ロッジとハット
私は,チャドに,
「ところで,チャド.ロッジとハットは,何処が違うの」
と質問する.
心得たとばかり右手の親指を突き出しながら,チャドは,
「ロッジにはシャワーが付いているよ.それに食事もついている.でも,ハットにはシャワーも食事もないんだよ」
と得意げに説明する.もちろん英語で.
なお,このブログ記事では,ロッジもハットも一緒くたにして,小屋と呼ぶことにしよう.
私は小屋に入って,立て続けにオレンジジュースとコーヒーを飲む.
<ルートバーンフラット小屋の内部;簡素だがとても清潔>
<ルートバーンフラット小屋の窓から綺麗な河原が見える>
(注)
1.スズメ目のノビタキに属するようである.これ以上のことは鳥音痴の私には分からない.
詳しくは次のURLを参照.
http://translate.google.co.jp/translate?hl=ja&langpair=en%7Cja&u=http://www.nzbirds.com/birds/toutouwai.html
(つづく)
「ルートバーン」の前の記事
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[編集後記]
2011年5月1日(日) 曇時々小雨
もう今日から5月である.ついこの間,梅の花を愛でていたばっかりなのに・・・
生憎の天候である.遠出を控えて,午後からブラブラと歩いて大船へ.夕方,テレビの笑点を見る.
グズグズと何もせずに,貴重な1日を過ごしてしまった.
勿体ないな~ぁ・・・・
(愚痴おわり)