<山を下ってマラケシュに向かう>
モロッコ訪問記(18):専用車でマラケシュへ
(アルパインツアー)
2009年6月7日(日)~18日(火)
第6日目:2009年6月12日(金) (つづき)
<イメリル小屋>
■イメリル小屋に到着
ツブカル山荘(標高3207m)を7時52分に出発した私たちは,谷間の道を下って,12時02分に,一昨日宿泊していたイメリル小屋(標高1740m)に到着する.
休憩時間を含めた所要時間は,5時間10分(5.17h)である.ツブカル小屋とイメリル小屋の標高差は1,427mである.従って,下降速度は
1427m/5.17h=276.0m/h.
また,ツブカル小屋とイメリル小屋の沿面距離は,約4.2km(水平距離4.0km)である.従って,沿面歩行速度は,
4.2km/5.17h=0.81km/h.
標高の高い登山道では,まあ,この程度の歩行速度が妥当だろうと納得する.
■醤油が活躍する昼食
イメリル小屋に到着すると,ツアーリーダーから,直ぐに2階の食堂に上がるように指示される.
食堂で昼食である.
メニューは,おかゆ,鶏肉,野菜のみじん切り,メロン,サクランボ,パン,お茶である.ここでも,私が持参した100円の「こんぶ出汁醤油」が大好評である.この醤油を少し掛けると,おかずの味が一変するから凄い.
相変わらずパンは美味しいが,おかゆは不味いわけではないが,一寸,口になじまない感じがする.
<昼食のメインディッシュ:左下が日本から持参した醤油>
<専用車でマラケシュへ>
■重い荷物を背負って駐車場へ
昼食を終えた私たちは,イメリル小屋に預けて置いた荷物を受け取り,それを自分で担ぐ.ツブカル山登頂のときに背負って登ったリュックを背負った上に,預けていた荷物を自分で担ぐのだから,重くて堪らない.
そんな状態で,13時15分にイメリル小屋を出発して,数百メートル離れたところにある駐車場まで歩く.道幅は十分2車線分ある広い道路だが,かなりな下り勾配で,しかも舗装されていない砂利道である.雨水が流れた後が砂利を流して,複雑な窪地を作っている.足元を選んでその窪地を避けて歩くが,重い荷物を背負っているので結構辛い.
坂道を下っていると,道の両側に商店が増え始める.レストラン風の店も数軒ある.店の前には何客化のテーブルが置かれている.まだ昼日中だというのに,沢山の男性が所在なさ下にテーブルを囲んで座っている.私は,彼らの近くを通り過ぎるときに,何となく落ち着かない雰囲気を感じてしまう.
なお,山岳ガイドのモハマドさんとは,イメリルでお別れである.
<駐車場から離れたところで待っている専用車>
■専用車に乗車
13時28分,やっとの思いで,集落の入口にある駐車場に到着する.
私たちの乗る専用車は,駐車場から更に先へ下った路肩に駐車している.駐車場から専用車までの距離は僅かだが,駐車場に停まっていると信じていた私には,その僅かな距離が恨めしく感じる.それでも,専用車の後ろに書かれている“ASUKA”という字が見えると,ホッとする.
13時30分,私たちは,担いできた荷物を専用車の荷物室に入れて乗車する.専用車は大きなバスなので,座席は十分すぎるほど沢山ある.私たちは適当な場所に座る.そして,13時33分に,イメリルを発車する.
■川の右岸に沿って谷間を下る
専用車は,川の左岸に沿うクネクネ道をゆっくりと下り始める.座席にゆったりと座って,背もたれに身体を任せると,何とも言えないほど落ち着いた気分になる.念願だったツブカル山へ無事登ったんだという満足感や,これで目的を達したという安堵感が一緒に沸々と沸いてくる.同時に,これから帰国までの旅は,もうどうでも良い・・・単なる観光だ! 気楽に行こう!
こんな気分になると,緊張感が一気になくなって,たちまちの内に眠くなる.そして知らず知らずのうちに眠りこけてしまう.
うつら,うつら,の夢心地は,どれくらい続いたのだろうか.突然,専用車のエンジン音が聞こえ出す.その瞬間,寝ぼけている私は,一瞬,自分が一体何処に居るかが分からなくなる.すぐに,ああそうだ.ツブカル山に登って,帰りのバスの中に居るんだと思い出す.
専用車は相変わらず川の右岸沿いの埃っぽい道を下り続けている.標高が下がるにつれて.谷間の緑が段々と勢いを増してきている.
<渓谷の左岸,尾根近くのトラバース道を専用車は下る>
※写真が撮れなかったので,スケッチで代用
■アスニで舗装道路に合流
14時04分,標高約1500メートル地点で,私たちを乗せた専用車は,立派な舗装道路に合流する.地図で確かめると,アスニ(Asni)という集落のある所である.ここから,立派な道路を,一路,真北に走り続けると,今日の宿泊地,マラケシュに到着するはずである.
間もなくアスニの集落を通過する.この辺りまで来ると,山間の集落とは違って,結構,立派な家が目立つようになる.大きなパラボラアンテナが建っている家が多い.
相変わらず川の左岸のクネクネ道が続く.道の両側の山には,少しずつ緑が増え始めるが,下草が殆どなく,埃っぽい色の岩肌が,透け透けに,見えている.まだ暫くの間は,深い谷間の左岸を走るトラバース道が続く.車窓からは同じような景色が続くので,だんだんと飽きてくる.
<標高が下がるにつれて,山の緑が増してくる>
<眼下に平原が見え始める>
■川を渡って右岸へ
14時21分,標高約1380メートル付近で,橋を渡って右岸沿いの道に変わる.正確には分からないが手元の地図を確かめるとターナオート(Tahanaoute)という所の近くらしい.マラケシュまでの行程のやっと3分の1強走っただけで,マラケシュはまだまだ先である.
14時24分,急に目の前の河原が開ける.この辺りの標高は約1300メートルである.辺りは広々とした砂漠のような平原に変わる.同じような景色の中を専用車は走り続ける.14時34分,道路がいきなり4車線になり,立派な歩道も付いている.凄いなと思っている内に,また直ぐに元の2車線に戻る.
■マラケシュに到着
砂漠のような平原を走り続けて,14時57分,今日初めての信号機のある交差点で停車する.この辺りから,走行している自動車の数が増え始める.そして,周囲が段々と街らしくなってくる.
15時01分,オリーブ畑の真ん中で右折する.そして,15時03分,車窓前方に高く聳えるクトゥビア(Koutoubia)が見え始める.専用車は,いよいよマラケシュ市内に到着したようである.沿道の椰子の並木が見事である.オリーブ畑の真ん中に建物が建っているのが見える.
15時06分,今度は左折する.辺りは一層賑やかになる.現地ガイドのアブダラさんが,角にある大きな建物を指さしながら,王立オペラハウスだと教えてくれる.
15時07分,マラケシュ鉄道駅の前を通過する.
そして,15時11分,今日の宿泊場所であるオテルアミン(Hotel Amine)に到着する.このホテルには,今回の旅行2日目の6月8日に宿泊している.そのときに,このホテルに大きな荷物を預けている.
<オテルアミン>
■お湯のでないシャワー
まずは,自分の部屋に入る.今夜も「名古屋の百姓」を名乗るKさんと一緒である.私はKさんの穏やかで控えめな人柄に,すっかり惚れ込んでいる.
最初に,ツブカル山へ持参した荷物を広げて,預けていた荷物とマージしながら,ザッと整理する.そして,バスタブに湯を張って,汗を流そうと思う.ところが,お湯がごく細々としか出てこない.20分ほどお湯を出していたが,ほんの20センチほどの深さしか貯まらない.それもぬるい日向水である.バスルームを見回すと,備え付けのタオルもない.ここが五つ星のホテルかとも思うが,贅沢を言っていても仕方がないので,とにかくシャワーを浴びる.
お湯は十分に出なかったものの,久々にシャワーを浴びて,心身共にスッキリする.
■無愛想な売店
夕食まで時間があるのでもて余す.そこで,17時20分頃,Kさんと一緒に1階の売店に行ってみる.
1階には,とても小さな売店が1カ所だけある.広さはせいぜい8畳間程度.部屋の奥,半分はカウンター兼事務所になっている.その前の僅かなスペースに,一寸した土産品や小物が並んでいる.太った中年の女性が,幼稚園児程度の自分の子どもと一緒に店番をしている.子どもは机に向かって,一生懸命絵を描いている.
私は,モロッコに到着してから,ずっとモロッコ全体の地図や,カサブランカやマラケシュの市街地図があったら買いたいなと思っていた.売店を見回すと,粗末なアラビア語の地図しかない.私は,
「英語の地図はありませんか?」
と英語で尋ねる.するとこの女性は,無言のまま,無愛想に首を振る.
無愛想な態度に,私は内心で立腹している.とにかく店の外に出るが,外は暑いので,再び自分の部屋に戻る.
■長い宴会
時間を持て余して,19時23分に,Kさんと一緒に,1階のレストランへ行ってみる.案の定,まだレストランに鍵が掛かっていて入れない.ところが,中庭のプールの脇からレストランを覗いていると,窓ガラス越しにウエイターが,「入れ,入れ」と手招きをする.そこで,プール側の入口からレストランに,一番乗りで入る.そして,一番奥まった静かな円テーブルに陣取る.
夕食はバイキング形式のようである.
19時30分,レストランの入口が開く.同時に沢山の宿泊客がドッとレストランに入ってくる.たちまちの内に,辺りが賑やかになる.私たちの仲間も定刻に全員が集まる. ツブカル山に全員が登頂できたこともあって,皆,上機嫌である.たちまちの内に宴会になる.平素,アルコール類はほとんど嗜んだことのない私も,今日だけは小瓶の地ビールでお付き合いする.
私としては,アルコールを早く切り上げて,早く夕食にしたかったが,アルコール好きが居られるので,ますますうるさく盛り上がる.まあ,1晩ぐらいは仕方がないなと私も諦める.
バイキング形式なので,カロリーの取り過ぎに注意しながら,適当な品数を選んで食べる.食べている間も,関西流の駄洒落を次々に聞かされて鬱陶しいが,これも文化の差だと諦める.
■漸く就寝
21時15分,漸くお開きになる.夕食に2時間半も費やすなど,平素の私にはあり得ないことだが,まあ仕方がない.
そそくさと部屋に引き上げて,22時頃就寝.
しかし,何かお祭りでもあるのか,ホテルの外から聞こえてくる太鼓の音がうるさい.その上,部屋の冷房が利かないので,蒸し暑くて,寝苦しい.
こうして,モロッコの旅,6日目が終わった.
(つづく)
「モロッコ訪問記」の前回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/59b075ab6b74a015a8759c9f388a4394
「モロッコ訪問記」の次回の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/c2d36ec4683f7d57ab9710a0619cb62d
「モロッコ訪問記」の最初の記事
http://blog.goo.ne.jp/flower-hill_2005/e/31b79faa79d02b8fe28dc5177880d2e4
「モロッコ訪問記」の索引
(編集中)
モロッコ訪問記(18):専用車でマラケシュへ
(アルパインツアー)
2009年6月7日(日)~18日(火)
第6日目:2009年6月12日(金) (つづき)
<イメリル小屋>
■イメリル小屋に到着
ツブカル山荘(標高3207m)を7時52分に出発した私たちは,谷間の道を下って,12時02分に,一昨日宿泊していたイメリル小屋(標高1740m)に到着する.
休憩時間を含めた所要時間は,5時間10分(5.17h)である.ツブカル小屋とイメリル小屋の標高差は1,427mである.従って,下降速度は
1427m/5.17h=276.0m/h.
また,ツブカル小屋とイメリル小屋の沿面距離は,約4.2km(水平距離4.0km)である.従って,沿面歩行速度は,
4.2km/5.17h=0.81km/h.
標高の高い登山道では,まあ,この程度の歩行速度が妥当だろうと納得する.
■醤油が活躍する昼食
イメリル小屋に到着すると,ツアーリーダーから,直ぐに2階の食堂に上がるように指示される.
食堂で昼食である.
メニューは,おかゆ,鶏肉,野菜のみじん切り,メロン,サクランボ,パン,お茶である.ここでも,私が持参した100円の「こんぶ出汁醤油」が大好評である.この醤油を少し掛けると,おかずの味が一変するから凄い.
相変わらずパンは美味しいが,おかゆは不味いわけではないが,一寸,口になじまない感じがする.
<昼食のメインディッシュ:左下が日本から持参した醤油>
<専用車でマラケシュへ>
■重い荷物を背負って駐車場へ
昼食を終えた私たちは,イメリル小屋に預けて置いた荷物を受け取り,それを自分で担ぐ.ツブカル山登頂のときに背負って登ったリュックを背負った上に,預けていた荷物を自分で担ぐのだから,重くて堪らない.
そんな状態で,13時15分にイメリル小屋を出発して,数百メートル離れたところにある駐車場まで歩く.道幅は十分2車線分ある広い道路だが,かなりな下り勾配で,しかも舗装されていない砂利道である.雨水が流れた後が砂利を流して,複雑な窪地を作っている.足元を選んでその窪地を避けて歩くが,重い荷物を背負っているので結構辛い.
坂道を下っていると,道の両側に商店が増え始める.レストラン風の店も数軒ある.店の前には何客化のテーブルが置かれている.まだ昼日中だというのに,沢山の男性が所在なさ下にテーブルを囲んで座っている.私は,彼らの近くを通り過ぎるときに,何となく落ち着かない雰囲気を感じてしまう.
なお,山岳ガイドのモハマドさんとは,イメリルでお別れである.
<駐車場から離れたところで待っている専用車>
■専用車に乗車
13時28分,やっとの思いで,集落の入口にある駐車場に到着する.
私たちの乗る専用車は,駐車場から更に先へ下った路肩に駐車している.駐車場から専用車までの距離は僅かだが,駐車場に停まっていると信じていた私には,その僅かな距離が恨めしく感じる.それでも,専用車の後ろに書かれている“ASUKA”という字が見えると,ホッとする.
13時30分,私たちは,担いできた荷物を専用車の荷物室に入れて乗車する.専用車は大きなバスなので,座席は十分すぎるほど沢山ある.私たちは適当な場所に座る.そして,13時33分に,イメリルを発車する.
■川の右岸に沿って谷間を下る
専用車は,川の左岸に沿うクネクネ道をゆっくりと下り始める.座席にゆったりと座って,背もたれに身体を任せると,何とも言えないほど落ち着いた気分になる.念願だったツブカル山へ無事登ったんだという満足感や,これで目的を達したという安堵感が一緒に沸々と沸いてくる.同時に,これから帰国までの旅は,もうどうでも良い・・・単なる観光だ! 気楽に行こう!
こんな気分になると,緊張感が一気になくなって,たちまちの内に眠くなる.そして知らず知らずのうちに眠りこけてしまう.
うつら,うつら,の夢心地は,どれくらい続いたのだろうか.突然,専用車のエンジン音が聞こえ出す.その瞬間,寝ぼけている私は,一瞬,自分が一体何処に居るかが分からなくなる.すぐに,ああそうだ.ツブカル山に登って,帰りのバスの中に居るんだと思い出す.
専用車は相変わらず川の右岸沿いの埃っぽい道を下り続けている.標高が下がるにつれて.谷間の緑が段々と勢いを増してきている.
<渓谷の左岸,尾根近くのトラバース道を専用車は下る>
※写真が撮れなかったので,スケッチで代用
■アスニで舗装道路に合流
14時04分,標高約1500メートル地点で,私たちを乗せた専用車は,立派な舗装道路に合流する.地図で確かめると,アスニ(Asni)という集落のある所である.ここから,立派な道路を,一路,真北に走り続けると,今日の宿泊地,マラケシュに到着するはずである.
間もなくアスニの集落を通過する.この辺りまで来ると,山間の集落とは違って,結構,立派な家が目立つようになる.大きなパラボラアンテナが建っている家が多い.
相変わらず川の左岸のクネクネ道が続く.道の両側の山には,少しずつ緑が増え始めるが,下草が殆どなく,埃っぽい色の岩肌が,透け透けに,見えている.まだ暫くの間は,深い谷間の左岸を走るトラバース道が続く.車窓からは同じような景色が続くので,だんだんと飽きてくる.
<標高が下がるにつれて,山の緑が増してくる>
<眼下に平原が見え始める>
■川を渡って右岸へ
14時21分,標高約1380メートル付近で,橋を渡って右岸沿いの道に変わる.正確には分からないが手元の地図を確かめるとターナオート(Tahanaoute)という所の近くらしい.マラケシュまでの行程のやっと3分の1強走っただけで,マラケシュはまだまだ先である.
14時24分,急に目の前の河原が開ける.この辺りの標高は約1300メートルである.辺りは広々とした砂漠のような平原に変わる.同じような景色の中を専用車は走り続ける.14時34分,道路がいきなり4車線になり,立派な歩道も付いている.凄いなと思っている内に,また直ぐに元の2車線に戻る.
■マラケシュに到着
砂漠のような平原を走り続けて,14時57分,今日初めての信号機のある交差点で停車する.この辺りから,走行している自動車の数が増え始める.そして,周囲が段々と街らしくなってくる.
15時01分,オリーブ畑の真ん中で右折する.そして,15時03分,車窓前方に高く聳えるクトゥビア(Koutoubia)が見え始める.専用車は,いよいよマラケシュ市内に到着したようである.沿道の椰子の並木が見事である.オリーブ畑の真ん中に建物が建っているのが見える.
15時06分,今度は左折する.辺りは一層賑やかになる.現地ガイドのアブダラさんが,角にある大きな建物を指さしながら,王立オペラハウスだと教えてくれる.
15時07分,マラケシュ鉄道駅の前を通過する.
そして,15時11分,今日の宿泊場所であるオテルアミン(Hotel Amine)に到着する.このホテルには,今回の旅行2日目の6月8日に宿泊している.そのときに,このホテルに大きな荷物を預けている.
<オテルアミン>
■お湯のでないシャワー
まずは,自分の部屋に入る.今夜も「名古屋の百姓」を名乗るKさんと一緒である.私はKさんの穏やかで控えめな人柄に,すっかり惚れ込んでいる.
最初に,ツブカル山へ持参した荷物を広げて,預けていた荷物とマージしながら,ザッと整理する.そして,バスタブに湯を張って,汗を流そうと思う.ところが,お湯がごく細々としか出てこない.20分ほどお湯を出していたが,ほんの20センチほどの深さしか貯まらない.それもぬるい日向水である.バスルームを見回すと,備え付けのタオルもない.ここが五つ星のホテルかとも思うが,贅沢を言っていても仕方がないので,とにかくシャワーを浴びる.
お湯は十分に出なかったものの,久々にシャワーを浴びて,心身共にスッキリする.
■無愛想な売店
夕食まで時間があるのでもて余す.そこで,17時20分頃,Kさんと一緒に1階の売店に行ってみる.
1階には,とても小さな売店が1カ所だけある.広さはせいぜい8畳間程度.部屋の奥,半分はカウンター兼事務所になっている.その前の僅かなスペースに,一寸した土産品や小物が並んでいる.太った中年の女性が,幼稚園児程度の自分の子どもと一緒に店番をしている.子どもは机に向かって,一生懸命絵を描いている.
私は,モロッコに到着してから,ずっとモロッコ全体の地図や,カサブランカやマラケシュの市街地図があったら買いたいなと思っていた.売店を見回すと,粗末なアラビア語の地図しかない.私は,
「英語の地図はありませんか?」
と英語で尋ねる.するとこの女性は,無言のまま,無愛想に首を振る.
無愛想な態度に,私は内心で立腹している.とにかく店の外に出るが,外は暑いので,再び自分の部屋に戻る.
■長い宴会
時間を持て余して,19時23分に,Kさんと一緒に,1階のレストランへ行ってみる.案の定,まだレストランに鍵が掛かっていて入れない.ところが,中庭のプールの脇からレストランを覗いていると,窓ガラス越しにウエイターが,「入れ,入れ」と手招きをする.そこで,プール側の入口からレストランに,一番乗りで入る.そして,一番奥まった静かな円テーブルに陣取る.
夕食はバイキング形式のようである.
19時30分,レストランの入口が開く.同時に沢山の宿泊客がドッとレストランに入ってくる.たちまちの内に,辺りが賑やかになる.私たちの仲間も定刻に全員が集まる. ツブカル山に全員が登頂できたこともあって,皆,上機嫌である.たちまちの内に宴会になる.平素,アルコール類はほとんど嗜んだことのない私も,今日だけは小瓶の地ビールでお付き合いする.
私としては,アルコールを早く切り上げて,早く夕食にしたかったが,アルコール好きが居られるので,ますますうるさく盛り上がる.まあ,1晩ぐらいは仕方がないなと私も諦める.
バイキング形式なので,カロリーの取り過ぎに注意しながら,適当な品数を選んで食べる.食べている間も,関西流の駄洒落を次々に聞かされて鬱陶しいが,これも文化の差だと諦める.
■漸く就寝
21時15分,漸くお開きになる.夕食に2時間半も費やすなど,平素の私にはあり得ないことだが,まあ仕方がない.
そそくさと部屋に引き上げて,22時頃就寝.
しかし,何かお祭りでもあるのか,ホテルの外から聞こえてくる太鼓の音がうるさい.その上,部屋の冷房が利かないので,蒸し暑くて,寝苦しい.
こうして,モロッコの旅,6日目が終わった.
(つづく)
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「モロッコ訪問記」の最初の記事
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「モロッコ訪問記」の索引
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