(写真:インディペンデント・プレス)
日本人お二人の方の尊い命が奪われた事件に対して、ご遺族の方に哀悼の意を表し心からお悔やみ申し上げます。ISIL(アイシル)の残虐な犯罪の犠牲となってしまったことに、同じ日本人として、無念の極みと言い表せない深い悲しみを感じています。
後藤さんは最後のビデオ・メッセージの中で、『何が起こっても責任は私自身にあります。どうか日本の皆さん、シリアの人たちに何も責任を負わせないで下さい』と言われていました。後藤さんの現地の人を思う優しさに心を打たれます。憎しみが憎しみを産み、暴力に暴力で向かうことでは何も解決できないことを、世界中の紛争地を通して十分に知っていた後藤さんだからこその言葉だと思います。
後藤さんがもう紛争地から伝えることができなくなった今も、世界中で戦争の犠牲になり苦しんでいる子どもたちが、今この瞬間にも、たくさんいます。私たちが平和な日本にいながら、その子どもたちに目を向けること、これ以上そういう子どもたちを増やさないために、できることがないか考え続けること、あきらめないこと、後藤さんもそう願っているのではないでしょうか。
一人一人は無力かもしれません。それでも、後藤さんが一人で紛争地から伝え続けてくれたように、この世に生きている私たちにはまだ、できることがあります。
世界中でこれ以上、人の命が奪われないために、自分にできる努力を続けていけますように。
両親や家族を殺されたムスリム達が、預言者様(彼の上にアッラーの祝福と平安あれ)のことを思い出し、暴力による負の連鎖を止められますように。
ISIL(アイシル)の犯罪が産む偏見によって、世界中で罪のないムスリムの子どもたちが暴力で、また言葉で、傷つけられることがありませんように。
私たち一人一人が自分の利益よりも、世界平和を最優先に考えられますように。
ダマスカス留学生有志
(写真:サウジアラビア・マディーナ)
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