ムスリム(イスラーム教徒)のお祈りは、太陽の位置によって一日五回あります。
1) 早朝 (ファジュル)
2) 正午頃 (ズフル)
3) おそい午後 (アスル)
4) 日没後 (マグリブ)
5) 夜 (イシャー)
お祈りは、何時何分にしなければならない、というわけではなく、例えば、夜の礼拝は、夜中中、だいたい10時間くらいの間にたった一回すればいいだけです。
毎日5回もするなんて、、、と思われるかもしれませんが、実は、世界中のイスラーム圏の国々を見渡しても、礼拝を国民に義務付けている国なんてありませんが、それでも、ムスリムは礼拝します。なぜでしょう。
今、世界中で、イスラーム人口は、世界人口約70億人のうち16億人、世界の4人に1人がムスリムですが、そんな多くの人たちが、ネットで世界中の価値観が一瞬で手に入る現代に、強制されてお祈りをしているはずがありません。ムスリム達は、ただ、お祈りしたいからしている、んです。もっと簡単に言えば、お祈りが好きだからしている、すごく単純です。
「祈る」という行為は、美しく尊いです。神と対話して祈る姿というのは、ルーブル美術館の「ミレの晩鐘(ばんしょう)と」いう絵があるように、祈りは時代を超えた絵画に残るほど美しいですね。
さて、ムスリムは誰に向って祈っているのでしょうか。
神さまであるアッラーに向かって、です。「アッラー」というのは、アラビア語で「神」という単語です。日本では、たくさんある神の中の「アッラー」という名前の神のように言われることがありますが、それは間違いで、神という概念自体のアラビア語が「アッラー」なので、アラビア語圏のキリスト教徒の人たちが、「神よ!」と祈るときにも、同じように「アッラー!」と言います。
アッラーというのは、イスラーム教の神だけのことではなく、すべての人が信じる対象である「神」そのものが、「アッラー」なのです。
その神さまに向うお祈りをムスリムが好きな理由を主に3つ、ここでご紹介したいと思います。
まずイスラームのお祈りの楽しみ、一つ目は、直接、神さまと対話できることです。イスラームでは、聖職者(僧侶、牧師、司祭、など)という人がいないので、人を通さず、すべてのムスリムが直接、神さまと対話します。自分に命を与えてくださり、日々自分を生かしてくださり、守ってくださっている神さまと対話する時間、お祈りの時間は心休まるかけがえのない時間です。
アッラーは、とても慈悲深く、人間すべてを愛していますから、自分のことを愛してくださっている神さまに会える楽しみな時間がお祈りなのです。例えば、保育園にいる小さな子どもが、夕方、母親が迎えに来ると喜んで走って行きますよね。同じ心境です。お祈りをすると、自分のことを愛して護ってくれる母親に会えるような、とても嬉しい気持ちになります。ですから、ムスリムは誰に強制されなくてもお祈りをします。小さな子どもが、誰に言われなくても母親の所に走っていくのと同じです。
イスラームのお祈りの楽しみ、二つ目は、お祈りで、心をきれいに洗うことができることです。仕事や生活、人間関係などで疲れてしまった心を、すっかりきれいに洗い流してぴかぴかにくれる、お祈りは心にとってお風呂のようなものです。預言者ムハンマド(ﷺ)は、お祈りのことを、こう言いました。
「あなた方それぞれのドアの前に川があり、毎日5回そこで体を洗ったら、何か汚れが残ると思いますか。」
人々は、「いいえどんな汚れも残りません。」と答えると、彼はさらに、
「それこそが毎日5回の礼拝です。アッラーは礼拝によって罪を消し去るのです。」、罪もなく真っ白な状態「まるで母親のお腹から生まれたばかりの日のように、きれいになります。」と言われました。
イスラームのお祈りの楽しみ、三つ目は、お祈りで、心の充電ができ、精神的な栄養がとれることです。体が生きていくのに食べ物が必要なように、心にも栄養が必要です。その心の栄養補給が5回のお祈りです。体は一日3回食事をしますが、なぜ心の栄養は5回摂る必要があるのでしょうか?イスラームでは、心というのはとても大切なもので、それが腐ると、心身すべてが腐る、とも言われています。
まだまだお祈りの効用をあげればキリがありませんが、3つだけご紹介しました。
お祈りは、いつでもどこでもでき、必要なものは何もなく、体があればできます。立つことができない人は座って、座ることができなければ横になってすることができます。心の疲れが一気に吹き飛ぶお祈り、皆さんもぜひお試しください。
参考:全国のモスク一覧 http://islamjp.com//benri/benriindex.htm
(開堂日時が限られているモスクもあるので、事前に電話確認をされた方が安心です。)
ここで、イスラームのお祈りに関するクイズです。
問題1:ムスリムはどこに向ってお祈りしているでしょう、次の3つから選んでください。
1.エルサレム神殿 2.カアバ神殿 3.パルテノン神殿
答えは、次回の投稿で、インシャーアッラー。
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