夜明け前の川辺の雑木林…
大抵は彼女さんがこの場所に一番乗りをしていますが、時に彼女さんよりも早く、そして雨や風に拘わらずこの場所に必ずいらっしゃっる鳥さんがいます
川鵜さんです
時折イーグレットさんやアオサギさん達の方がお早い時もありますが、彼等は川の水位によって狩場が左右されてしまいますので、毎日いらっしゃっる保証はありません
川鵜さんの強みはなんといっても、水中を飛び、空中を泳げる、その汎用性の高さ故に狩場を選ばないところでしょう
ちなみにあの長良川で有名な鵜飼の鵜はこちらの川鵜さんではなく、海鵜という川鵜よりも一回り大きな種類の鵜になります
食生活が高いレベルで安定している為なのでしょうか、川鵜さんたちは季節に関係なく繁殖行動をしているようですね
そのことに気がついた時の彼女さんは…
彼女さん (年がら年中ハツジョーしてるってワケかー…ヤダ!それじゃあ、わたし達人間と一緒じゃなーい(笑))
と、のんきに笑っていました
今朝も彼女さんにお構いなく一羽の川鵜さんが朝の一仕事に勤しんでいます
首尾よく大きなナマズを捕った川鵜さんは…[鵜呑み]にするのに四苦八苦しつつ、たっぷり15分程かけてようやく嚥下します
すると川下からまた一羽の川鵜さんがやって来て先の川鵜さんの後ろに突っ込んで来ました!
先の川鵜さんは慌てて飛び退きます
ちょっと迷惑ですね
彼女さん (他にいくらでも止まれる足場があるのに…なんでわざわざ?)
彼女さんが二羽の川鵜さんに注目していると、後から来た川鵜さんは妙に先の川鵜さんを気にしているようですが…先の川鵜さんは知らんぷりしているような御様子
ここらへんで彼女さんの[恋愛脳:乙女回路]に火が入ったようです
彼女さん ( ̄∀ ̄)(んふふふーん…なんだかヤンチャな男の子が、好きな子の気を引きたくて、アッポッポなアピールをしているようですねー …ニヤニヤ)
川鵜さんの↑このポーズは基本的に水中を潜って濡れた翼を乾かす為に行っているようなのですが…後の川鵜さんはたった今飛んで来たばかりで、翼が濡れている様子も見当たりません…
もしも、先の川鵜さんが女の子で、後から来た川鵜さんが男の子だとすれば、この意味不明なやり取りにいくらかの道筋を付けた解釈が付けられそうですね
俄然!彼女さんは目が離せなくなって来たようです
先の川鵜さんに無視されながら、後の川鵜さんは時折天を仰ぐように空を見上げて「ガェー!」とか「ゴェー!」と雄叫びを上げています
先の川鵜さんの反応がないと見るや、今度はいきなり川に飛び込んで…すぐにまた戻って来たりと…
彼女さん (あー………なんかもう…しょうがないなー…無理だよね、コレは…)
それでも、後の川鵜さんの意味不明アピールは続きます
そして、更に先の川鵜さんのガン無視も続きます
彼女さんはちょっと背伸びをしようかなと思って立ち上がりました
すると‥
(゜Д゜;)!!川鵜(後)「ギョエェェーー!」
今更彼女さんの存在に気づいたのか?(鈍い…野生動物にあるまじき鈍さですね)後の川鵜さんは一目散に逃げ出してしまいます
しかも…先の川鵜さんを置き去りですね
彼女さん「………ヘタレ、ね」
先の川鵜「………ヘタレ、か」
先の川鵜さんと彼女さんの間に何か通じ合うものが生まれたようです(笑)
先の川鵜「まったく、あんたさん(人間)の前でようもウチを口説けるもんやと、そこらへんは関心しとったんやけど……まさか、気づいてへんやったかー」
彼女さん「ねぇ、……プフッ!」
溜まりかねた彼女さんはとうとうお腹を抱えて大笑いを始めてしまいました
先の川鵜さんと彼女さんの間に和んだ空気が流れ始めると…
おや?逃げた川鵜さんが彼女さんと先の川鵜さんの間に割り込む形で帰って来ましたね♪
彼女さんはそれを見ると、更に目に涙を貯めながら、引きつったように笑い続けています
先の川鵜さんはまたまた知らんぷり
帰って来た川鵜さんは…ちょっと居場所がなさそうに佇んでいました
今朝も平和ですね
どうかよい一日を
230 拝