トランプ氏が安倍元首相を大切にしていたと実感 石破首相に見えぬ「同盟深化」 松井一郎

2024年12月22日 12時34分45秒 | Weblog

トランプ氏が安倍元首相を大切にしていたと実感 石破首相に見えぬ「同盟深化」 松井一郎

ドナルド・トランプ次期米大統領は15日(日本時間16日)、米南部フロリダ州の私邸「マールアラーゴ」に、安倍晋三元首相の妻、昭恵さんを招いて、プライベートな夕食会を開いた。メラニア夫人がX(旧ツイッター)に投稿した写真を見たが、トランプ夫妻の気遣いを感じた。トランプ氏が安倍元首相を大切にしていたと実感
米メディアによると、トランプ氏は、安倍氏が凶弾に倒れた後も、昭恵さんに電話をして近況を尋ねていたという。今回改めて、トランプ氏が安倍氏を大切にしていたことを実感した。日本の歴代首相で、安倍氏ほど世界のリーダーから慕われた人物はいないのではないか。

トランプ氏は、夕食会後の記者会見で、石破茂首相と来月20日の就任前に会談する可能性を記者団に問われ、「彼ら(日本側)が望めばあり得る」との考えを示した。

ただ、安倍政権時代とは違って、ディール(取引)などで相当高めの球を投げてくるのではないか。石破首相には「日米同盟の深化」を進める具体的戦略が見えない。

中国は、トランプ次期政権の対中強硬路線を意識したのか、「日本産水産物の輸入再開」や「日本人への短期滞在ビザ(査証)の免除措置再開」というカードを切ってきた。日米同盟に亀裂を入れようとしたのだろう。

米国は日本唯一の同盟国であり、この大原則は変わらない。石破政権は中国の覇権主義に異を唱え、日本の領空・領海への侵犯・侵入行為に強く抗議すべきだ。そのうえで、現状をチャンスにする戦略を打ち出してはどうか。

「御大」こと石原慎太郎元都知事はかつて、沖縄県・尖閣諸島での灯台設置を訴えていた。尖閣周辺海域は荒れることが多く、灯台は近くを航行する船舶を守ることになる。習近平国家主席の中国がトランプ次期政権への対抗上、日本に強く出られないなか、灯台を設置できれば実行支配を強めることになる。さて、野党が強く主張した「企業団体献金の禁止」に対し、石破氏が国会で「憲法違反」まで持ち出して抵抗・反対したのには驚いた。

リクルート事件など相次ぐ政治汚職をきっかけに、1994年の改正政治資金規正法で、「政治家個人」への企業団体献金は禁止となった。「政党」への企業団体献金についても、付則で「施行から5年後に見直しを行う」と盛り込んだ。

これを受けて、同時に成立した政党助成法では、国民1人当たり250円の血税が原資となる「政党助成金(政党交付金)」の導入が決まったのだ。野党は「30年前の国民との約束を守れ」と言っているだけである。ちなみに、日本維新の会は自主的に企業団体献金を禁止している。

先の衆院選で、国民は「『政治とカネ』の問題をクリーンにせよ」と審判を下した。石破首相は企業団体献金を死守したい「党内守旧派」に配慮しているのかもしれないが、来年夏には参院選がある。このままでは、自民党はさらに国民から見放されるのではないか。(前大阪府知事、前大阪市長 松井一郎) 夕刊フジ

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