鯖江のメガネに使われるプラスチックのサイズ知ってます?
プラスチックのことを鯖江の業界用語で生地(きじ)といいます。
イタリアに1849年創業の老舗のプラスチック工場があります。
その工場の名前はマツケリーと言います。
マツケリーで作られる生地サイズは3つあります。
大判:ブロック製法
580×1320㎜が基本サイズですがイタリアの職人の手作業のためこれより大きかったり、小さくなることは頻繁にあります。
基本サイズで入荷されないことが多いです。
こちらの大判がメガネの材料セルロースアセテートの始まりです。
細版:押し出し製法
こちらは型を通して製造されるのでシリーズごとでサイズは違いますが170×1400㎜が多く、生地のサイズも安定しています。
細版数本のときは こんな簡単な包装でイタリアからやってきます。
ブロック:大判の小型版
580×560mm製法は大判と似ているのですが
ツブツブにした着色した材料を押し固めるイメージです。
このように製法によってサイズが違ってきます。
また、生地製造メーカーによってサイズが違うんです。
なので工場は生地サイズから枠、腕サイズを考えて生地を発注するのです。
計算も強くないといけないんです。
イタリアから鯖江に入荷してから
生地が鯖江に入荷してからはこの大きな板状のものをめがね工場様が加工しやすいように切断してお持ちすることもあります。
メガネは板から作られます。
大きな木の板も切れるパネルソーで眼鏡の幅に切断してお持ちします。
切断幅の関係で残材が出てきます。
眼鏡に使えない幅の残材と耳を切った後の残材です。
これらは廃棄していましたが、
手作りアクセサリーに使ったり
再利用するようになりました。
ここから、メガネに合わしたサイズに切断して業界用語で先アール(R)という鯖江独特の製法で先ほど切断した生地を先にカーブ(湾曲)をつけます。
世界的には生地をメガネに切削してからアール(湾曲させる)をつけることが標準です。
プラ枠を「先アール(湾曲させること)」することが鯖江は多いんだけど温める装置の中にはグリセリンていう液体を使う事が多いです。中にはお湯や、高周波と言って電子レンジなようなもので一瞬で記事を柔らかくする方法もありますが一般的にはグリセリンが多いです。
グリセリンと聞くとベタベタな油のイメージがあるんだけど意外に「サラサラ」しています。
特徴は熱しにくいけど冷めにくいから一度温度を上げてしまえばプラ生地をどんどんいれても温度が下がりにくい。
だから作業効率がいい。
私も試しにアール付けをさせてもらいましたが
単純作業が苦手な僕。。半日が限界です。
鯖江のメガネ産業の人たちは本当に我慢強いなと思いました。
この我慢強い鯖江の気質がメガネ作りに適していたんだろうと思います。
鯖江が先アールを採用する理由
枠に削ってからアール(湾曲)をつけると完成品になってから変形することがあるため、
先に変形させて、クレームを避けたいという鯖江人の性格が表れてます。
中国やイタリアなどはメガネの枠の形に削ってからアール(湾曲)をつけることが多い。
ここから約100~150ほどの工程を踏んでプラスチックメガネができるんですよ~
長い道のりです・・・
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます