鯖江の金属メガネについて書いてみました
こちらメガネはは9999(フォーナインズ様)
特徴である逆Rヒンジを使ったメガネ。
ベータチタンのバネ性を利用しメガネへの衝撃を吸収し掛け心地を良くしている。
ベータチタンとはこちらを参照
鯖江のチタンフレーム製造開発が一大産地の礎になった
部品を作る金型一つをとっても鯖江メガネ職人の手間、技術が必要です。
なぜなら部品を作る、加工する際もその時どきの材料の硬さ、粘度、湿度などで加工条件が微妙に変わるからです。
なぜチタン加工時に油をかける?
チタンは粘りが強く、加工の際に刃物に削りカスが絡みます。
そして粘りが強いのが原因で加工熱を帯びやすいです。なので油をかけることで、削りカスを流し、加工熱を冷ましながら加工する必要があるのです。車でいうエンジンオイルのような意味合いでしょうか。
そして3mくらいあるチタンの長い棒 ある部品になります
材料の断面はこんな感じでして
鯖江のメガネ業界用語でブロー智(蝶番)という部品になる前の異型線と言われる棒です。
- 金太郎アメみたいに棒を切断していきます
- ネジ穴加工(鯖江メガネ業界用語でタップを切る)
- バレル研磨
- 検品(投射機で調べます)
- 完成
鯖江のメガネは部品一個とってもも長い工程をかけて製品になります。
当社はこういう異型線も扱っています。
こんな異型線も製造可能ですよ。金型は高いですが・・
鯖江で作られる針金のようなメタルメガネ
今はボリュームのあるメガネが流行っていますが鯖江に金属メガネが生まれた時代はシンプルな針金のような金属(以下リム線)を使ったメタルフレームが主流でした。
写真にあるレンズのカタチをしたゲージと言われるものに隙間がないようにリム線を巻きつけます。その際にベンディングマシーンと言われる機械を使います。
リム線は平面ではなくR(湾曲)をつけて曲げるので熟練した職人が巻かないと完成品になったときにレンズが、はまらなかったり、レンズに隙間ができたり、レンズカーブが合わなかったりします。
この針金のようなリム線(レンズをはめる溝付き針金)を作るのにも職人技が必要なのです。
鯖江のメガネ業界で使われるスエージングという加工技法
金属を叩いて伸ばす、金属の密度を上げて強度を上げる製法です。
棒材を金床の上で回転させながら工具を押し当てて,直径を縮めたり,勾配(こうばい)をつけたりもできます。
鯖江のメガネでは部品加工に入る前に下処理みたいな位置づけで、
強度をもたしたり、線材のままプレスすると無駄な加工や無駄な材料が増えるのでコストを抑える方法です。
最近では 0.~mmと超微細な線材にも加工できるので
強度があり繊細な技術が必要な医療分野にも活用されています。
もちろん鯖江ミミカキの芯にもスエージングを使った部品を使い強度を上げてます。
鯖江メガネの金属枠にメッキをつける工程
「ん?メガネの枠になんか棒がささってますね??」
これは金属部品にメッキするときに使う補助棒です。目的はメッキを隙間なくつけるためです。
メッキはボチャンとドブメッキするんじゃなくて液体を化学反応させて専門的につけてるんです。メッキだけのために この棒を作って、棒受けも作って ロウ付けしてる。
すごい手間がかかってるね。。。でも 逆に言えば。。。
この行程を省けば大分コストダウンはできるよね!?
最後に。。
鯖江のメガネ産地では「あたりまえ」でも一般の方はそうじゃない時もあります。
少しでもメガネに興味を持って頂いた方に分かってもらえたらいいですね。