新緑を体いっぱい浴びてみようと、奥多摩湖畔を歩いてきた。
湖畔の駐車場に車を止め、いこいの路の入り口へ。
ほとんどの人は左に折れて御前山方面に向かった。私の行く道を歩く人はほとんどいない。
人の少ないのには理由がある。山のふるさと村まで13km、さらにその先戻るためには蜂谷橋のバス停まで
2.5km歩くことが必要。しかも多摩湖に遮られていて途中の抜け道はないので、どうしても15km余は
歩き通さないといけない。
それでも起伏はほとんどないので歩きやすい路ではある。
ウノハナが咲きだしていた。
時折、視界が開けると湖面の畔の新緑が目に入ってくる。できるならば何時までも
見入っていたくなる光景だ。
ヤマザクラはこの辺ではちょうど見ごろ。
歩くこと約1時間3km地点までやってきた。途中にはベンチや東屋が設けられているが
ペースが予定より遅いので休んではいられない。
深くいりこんだ入り江を何度も通り過ぎていく。
突然、黒い尻毛の動物に出会った。まずい!クマかっとびっくりしたが、
よく見るとニホンカモシカだった。向こうも驚いたのか7,8mほど先でじっとこちらを見ている。
久しぶりの天然記念物との出会いだ。
カモシカにとっても久しぶりなのか暫くこちらを観察していたが、やがて名残惜しげに山の奥に去っていった。
ニホンジカは割とよく見かけるのだが、カモシカは奥多摩ではこれでやっと2度目。なかなかお目にかかる
チャンスはない。しかも至近距離で見られて、とてもラッキーだった。
先ほどからきれいな声でさえずっていたキビタキの姿をやっと捉えることができた。
ミヤマハンノキの枝に隠れるようにして鳴いているのはクロツグミ。日本三鳴鳥(ウグイス、ノゴマ、オオルリ)
には入っていないが、とても美しい囀りだ。見通しの良いところまで出てくるのを暫く待ったのだが、
やがて飛び去って行ってしまった。
急な斜面に咲くヤマザクラ
途中であった花々を紹介しよう
アケビの花。真ん中の小さい花が雄花。
ツクバネウツギも咲き出している。
ミツバツツジはほとんどが枯れてしまっていた。
やや終わりかけていたヒトリシズカ
ピンク色の花弁と半開きの葉が特徴のアケボノスミレ
アカネスミレ
これは珍しいイカリソウだ。奥多摩の山を歩いていても野生のイカリソウには
まだ数えるほどしか出会えていない。
ジュウニヒトエは斜面にたくさん群生していた。
3時間半かかってやっとふるさと村についた。
前もって調べておいたバスの時間まで一時間もないので
ちょっと休憩しただけで出発することにした。
30分ほど歩くとドラム缶橋が見えてきた。
対岸のバス停までこの風に揺れる橋を渡った。
蜂谷橋のバス停に着いたのは1時40分を過ぎ頃。ここから奥多摩湖の対岸を
バスに乗って戻った。今朝歩き出した駐車場まで15分足らずあっという間だった。
東京の水瓶、奥多摩湖を半分は歩いて5時間、残りはバスで15分ほぼ一周したことになる。
歩数は 久しぶりに26000歩を越えた。
足腰に疲れは残ったが、楽しい一日だった。