野に還る

ペンタックスをザックに
野山に花や鳥、虫たちを追う。
身を土に返すまでのほんの一時
さあ野遊びの時間の始まりだ。

道央の春を行く②

2017-05-18 18:51:17 | 旅行

 札幌市内に泊まった翌朝、早く起きて支笏湖まで出かけた。

千歳川を遡って着いたのが支笏湖野鳥の森。

時刻はまだ7時半、湖畔には支笏科休暇村のホテルが建っている。

 

 野鳥の看板。クマゲラやエゾライチョウが見られたら最高にラッキーなのだが……。

 

 

 さっそく出迎えてくれたのはヒガラ。新芽を求めせわしげに枝の間を飛び回っている。

 

 

  5月中旬のこの時期でも木々の芽吹きはまだまだこれからといったところ。

 

いち早く花をつけたカエデ科の木

 

 

 展望台がある

 

 登ってみると支笏湖対岸に雪を抱いた恵庭岳が見えた。

 

足元にはオオバナノエンレイソウ

 

シラネアオイ

 

ヒメイチゲ

 

エンレイソウ

  いずれも内地では亜高山帯に咲く早春の花たちだ。

 

 エゾタチツボスミレ

 

 湖畔に下りてみる

 

水面を吹き抜けてくる風は、内地では3月初旬の冷たさだ。

 

 

 明治時代の山線鉄橋

 

支笏湖の流出河川である千歳川

 

支笏湖野鳥の森にはハイキングコースが設けられている。訪ねたときは

コースのほとんどが崖崩れで通行禁止にされていた。

 

 それでも出会えた野鳥たちは

キビタキ

 

 あちこちでさえずっていたセンダイムシクイ。この鳥のさえずりは

「焼酎一杯グィーッ」と聞きなされる。

 

 

 オオルリ

 

 問題はこれ。せっかく北海道に来たのだからハシブトガラと言いたいのだが、

私には本州でも見かけるコガラと区別がつかなかった。

 

 

 見分けるポイントは幾つかある。嘴の根元が白いというのが一番わかりやすい。

比較画像はここに

 ただ私に写真ではその細かいところが分からない。

 あれこれ迷っているうちに飛び去ってしまった。

 

 

 まぁせっかく北海道まで来たのだから、私的には北海道固有種のハシブトガラだったということに

しておこう。

 残念ながら散策コースを歩くことはできなかったが、ベンチに腰かけているだけで

次から次へと野鳥たちが姿を見せ、囀ってくれるバードウォッチャーには

何とも至福の園地だった。

 

 今日はこの辺で。


道央の春を行く

2017-05-16 21:02:15 | 旅行

 連休が終わったところで、北海道は札幌に飛び近辺の野山を歩いてきた。

 札幌に着いたのは昼前。、午後からは北大植物園を訪ねた。

赤煉瓦の建物は旧北海道庁舎。

 

 その裏手にあるのが北大植物園。いつもながら東西南北が整然とした札幌は歩きやすい。

 

 植物園入口。入園料は大人420円。

 

 古びた園内案内図。「キタキツネに注意しましょう」の看板には驚かされる。

  園内のマップ

 入り口すぐ右手にあるのは北方民族資料室。

 

 植物園の初代園長である宮部金吾の記念館。

 

 

 ビル街を通り抜けたばかりの目には新緑がやけに眩しい。

 

散策路脇に多く咲いていたのはキバナノアマナとエゾエンゴサク

 

 

 灌木園にやってきた。

 黒船ツツジが見事に咲いていた。

 

この花はエゾノウワミズザクラ。雄蕊が花弁より長いのがウワミズザクラとの見分けポイントなのだとか……。

 

 オオバクロモジ

 

都心の中とは思えない巨木が多い。

 

ミドリザクラ。またの名は緑萼桜。花弁の中央に緑色の五芒星が見られる。

 

ライラック並木に面した広場。ここで昼食を兼ねて休憩。

 

 この緑色の桜?はウコン桜なのだろうか

 

 カジカエデの花

 

こちらはエゾイタヤ(カエデ)の花

 

オオカメノキ

 

 眼鏡橋を渡って樹木園に入るところでシラネアオイの群生を見かけた。

 

 

 

 オオバナノエンレイソウは北海道で早春よく見かける花だ。

 

ヒトリシズカは名前と違って大勢で咲く

 

 キクザキマイチゲ

 

 北方民族植物標本園ではアイヌ民族などが生活上に利用した200種の植物が栽培展示されている。

 

重要文化財群には博物館やバチェラー記念館の建物がある。

 

 この後、ロックガーデン、高山植物園なども回ったのだが、花が本格的にみられるのは

もうすこし先のようだった。

 結局植物園には2時間以上いて、その後は円山公園に向かった。

円山公園は動物園や球場、隣接している北海道神宮が有名だが、

私の目的は丸山原始林。地下鉄を降りてすぐに北海道神宮の大鳥居が目につく

 

北西にある大師堂が丸山への登山口となっている。登山といっても標高226m 、

ゆっくり上っても一時間足らずのハイキング。

途中の山道には円山八十八か所として八十八個の観音像が建てられている。

 

 山道には自然が良く残されていて、登っていても飽きなかった。

頂上からの札幌市街。

 

 下山は動物園の裏手の道を行ったのだが、麓からは高校野球の応援がずっと聞こえていた。

 とりあえずこのへんで。

 


赤城自然園

2017-05-14 17:12:20 | 散歩

 赤城自然園は年に4回開園される。3月31日~6月4日までは春の開園。ここは

標高が700m位あるので、訪ねた5月初旬は春の盛りといったところだった。

 開くのは9時からでまだ30分近くある。

 

 開園時間に合わせてたくさんの人たちがやってきた。ちょっと早めて開園。

紅葉の花がきれいだ。

 

 色鮮やかなヤマツツジが目に眩しい。

 

 キバナカタクリも咲いている。

 

 この西洋庭園(セゾンガーデン)では西洋シャクナゲが見頃を迎えていた。

 

 人が多いので、そのまま突き抜け奥にある自然生態園に向かうことにした。

 騒音が途絶え、聞こえるのは野鳥の声と微かな葉擦れの音。

周囲の風景がしっとりとした落ち着いた色に包まれる。

 

足元にはサクラスミレ、アケボノスミレなどが咲いている。

 

 

林床に広がる白い花はヤマシャクヤクだ。

 

 去年来たときは蕾しか見られなかったが、今年はいいタイミングだったようだ。

 

 

 イカリソウもあちらこちらに咲いている。

 

 

 やや終わりかけのオオバキスミレ

 

 初めは何かと思ったが、 葉を綻ばしかけたマムシグサの仲間だ。

 

 あれっ、枝先から鳥が地上に降りたようだ。 黄色いアイリングと嘴、胸から腹にかけての黒い三角斑

 どうやらクロツグミのようだ。

 

 日当たりのよい場所ではフデリンドウも咲きだしている。

 

 これも好きな花のひとつ、ルイヨウボタン(類葉牡丹)も日陰で咲いていた。

 

 

  葉に重い花を凭れかけさせたラショウモンカズラ

 

 ツバメオモトも去年は蕾しか拝めなかった花だ。

 

 ツバメオモトはユリ科多年草の花。日本では北海道から奈良県以北まで分布する。

私が群生に出会った両神山では、今はシカの食害による減少が激しい。

  ヤマシャクヤクと同様、山を歩いていてもめったに出会えない花のひとつだ。

 

オオバナノエンレイソウは北海道に多い。

 

 昆虫館が見えてきた。

 

 この付近にはヤマザクラも多い。

 

 ミズスマシの池。僅かだが、ミズスマシが水面に輪を描いていた。

 

 

チョウの原っぱまでやってきた、チョウはまだシロチョウやキチョウが飛び回っているだけ。

大型チョウが飛び回るのは夏になってからだ。ここはアサギマダラの放蝶でも知られている。

 

 足元にはたくさんの日差しを受けたミツバツチグリ

 

 

ナナフシ橋を渡って四季の森ゾーンにやってきた。

ここまで戻ってくるとたくさんの来園者で再び賑やかになる。

シラネアオイの群生。

 

 

 この花も去年(訪ねたのは4月中旬)は数株しか咲いてなかった。季節の進む速さには

いつものことながら驚かされる。

 より赤みの強い株

 

 お終いは園内で見かけた野鳥。オオルリと

 

コサメビタキと

 

キビタキ

 

 この辺で。


武蔵野の浅間山公園を歩く

2017-05-08 20:51:13 | 散歩

 ゴールデンウイークは近場に限ると、車で15分ほどの多磨霊園脇にある

浅間山公園を訪ねた。

(それでも5日には家族にせがまれて、群馬まで高速道路を走り渋滞を作ってしまった。)

 

 咲き始めたばかりのニセアカシアが甘い匂いを振りまいていた。

 

 フジの花も甘い匂いを漂わせている。

 

 この花の名はなかなか思い出せなかった。

 

 

 ひょいという調子でサワフタギという名が浮かんだ。ちょうどこの時が見ごろだった。

サワフタギという厄介な名を付けられた割にはきれいな花を咲かす。

 

 薄暗い林床にはホウチャクソウがびっしりと生えていた。

 

 お目当てのムサシノキスゲは私が行ったとき(5月3日)にはまだまだのようだった。

株はたくさん増えていたので最盛期には随分と見られるようになると思う。

 

 それでもこの花は3番花。

 

 この日、一番目を奪われたのはキンランの花。

 

 

 そこかしこで群生が見られた。この花は自然度が継続してあり、しかも人と関わりを持った里山が

残されているところにしか咲かない。ラン科の花なので植え替えも難しい。

 

 今日は朝から日差しが差していたので蕾を開いている株も多かった。

 

 

 

キンランは本州、四国、九州の低山、丘陵地、雑木林で見られる。

 

 

 同じところには小振りの白いラン、ギンランも見られる。

 

似たような花にササバギンランもあるが、私には見分けがつかない

 

 

 いつまでもこんな花が咲き続ける自然を保ちたいものだ。

この辺で。


新緑の奥多摩湖いこいの路を歩く

2017-05-05 20:22:41 | ハイキング

 新緑を体いっぱい浴びてみようと、奥多摩湖畔を歩いてきた。

湖畔の駐車場に車を止め、いこいの路の入り口へ。

 

 ほとんどの人は左に折れて御前山方面に向かった。私の行く道を歩く人はほとんどいない。

 

 人の少ないのには理由がある。山のふるさと村まで13km、さらにその先戻るためには蜂谷橋のバス停まで

2.5km歩くことが必要。しかも多摩湖に遮られていて途中の抜け道はないので、どうしても15km余は

歩き通さないといけない。

 

 それでも起伏はほとんどないので歩きやすい路ではある。

 

ウノハナが咲きだしていた。

 

時折、視界が開けると湖面の畔の新緑が目に入ってくる。できるならば何時までも

見入っていたくなる光景だ。

 

 

ヤマザクラはこの辺ではちょうど見ごろ。

 

 

 歩くこと約1時間3km地点までやってきた。途中にはベンチや東屋が設けられているが

ペースが予定より遅いので休んではいられない。

 

 深くいりこんだ入り江を何度も通り過ぎていく。

 

 突然、黒い尻毛の動物に出会った。まずい!クマかっとびっくりしたが、

よく見るとニホンカモシカだった。向こうも驚いたのか7,8mほど先でじっとこちらを見ている。

  久しぶりの天然記念物との出会いだ。

 カモシカにとっても久しぶりなのか暫くこちらを観察していたが、やがて名残惜しげに山の奥に去っていった。

 ニホンジカは割とよく見かけるのだが、カモシカは奥多摩ではこれでやっと2度目。なかなかお目にかかる

チャンスはない。しかも至近距離で見られて、とてもラッキーだった。

  

先ほどからきれいな声でさえずっていたキビタキの姿をやっと捉えることができた。

 

 

 

  ミヤマハンノキの枝に隠れるようにして鳴いているのはクロツグミ。日本三鳴鳥(ウグイス、ノゴマ、オオルリ)

には入っていないが、とても美しい囀りだ。見通しの良いところまで出てくるのを暫く待ったのだが、

やがて飛び去って行ってしまった。

 

急な斜面に咲くヤマザクラ

 

 途中であった花々を紹介しよう

アケビの花。真ん中の小さい花が雄花。

 

 ツクバネウツギも咲き出している。

 

 ミツバツツジはほとんどが枯れてしまっていた。

 

やや終わりかけていたヒトリシズカ

 

 ピンク色の花弁と半開きの葉が特徴のアケボノスミレ

 

 アカネスミレ

 

これは珍しいイカリソウだ。奥多摩の山を歩いていても野生のイカリソウには

まだ数えるほどしか出会えていない。

 

 ジュウニヒトエは斜面にたくさん群生していた。

 

3時間半かかってやっとふるさと村についた。

 

前もって調べておいたバスの時間まで一時間もないので

ちょっと休憩しただけで出発することにした。

 

30分ほど歩くとドラム缶橋が見えてきた。

 

 対岸のバス停までこの風に揺れる橋を渡った。

 

 蜂谷橋のバス停に着いたのは1時40分を過ぎ頃。ここから奥多摩湖の対岸を

バスに乗って戻った。今朝歩き出した駐車場まで15分足らずあっという間だった。

 東京の水瓶、奥多摩湖を半分は歩いて5時間、残りはバスで15分ほぼ一周したことになる。

歩数は 久しぶりに26000歩を越えた。

 足腰に疲れは残ったが、楽しい一日だった。