僕の人生の今は何章目ぐらいなんだろう?

昨日に戻りたいと思うよりも、
今日を楽しみ、
明日が待ち遠しいと思える、
そんな人生を送りたい。

仕事の基本その2

2006-10-04 23:01:24 | ヒトの気持ち
「まずは報告が出来るようになること」

彼は、僕に徹底的に私的感情を抜いて
先方の状況、所作、言質を報告させた。
同居人としてパートナーとして

当時、独立したことで、
SP企画書作成を依頼してくれるようになっている
代理店の方々と付き合いがあった。

そこでは、少ない予算で企画書を
考えなければならない。
通常の代理店レベルの予算はなかなか、
新米の私には信頼して出してもらえることは
なかった。

独立したばかりの僕には、料金うんぬんよりも
仕事が出ることの方が嬉しいという
そんな感覚の頃だ。
数万あれば、何でも納得してやってしまいそうな
そんな感じだった。

だが、同居の友人は次々に、
仕事を作ることを要求し
そして、こちらのできることを売り込んでゆく。
チキンな私では扱ったことのない料金が飛び交う。
(何せこのころは20~30万なんて金額は
びびって要求できなかったころだ。)

彼は、僕の感情のはいった報告を注意深く排除し、
先方のアクションを僕から見極めようとした。

僕が少しづつ、自分の枠を捨てて
脚色を加えず、自己判断をしなくなった頃
から、だんだん彼の要求は高くなってくる。

「より正確に、相手が何をしたか報告せよ。」

これだけのことが出来るようになるのに、
半年以上の月日を要した。

逆の言い方をすると、
これさえ出来ないようでは
その人はビジネスの現場に
出せないということでもある。

このクライアントとは、その後、
百万単位の仕事をやったのち、
打ち合わせなどですべてを書面化していた
にもかかわらず、思い込みで
ツールの効果にクレームをつけてきた
その会社と示談という形で司法の場を借りて
交渉して和解し縁が切れる
という顛末があるのだが、
法的なことを想定した動きを前提に
していた私達は、大きな損失なく
この事案を切り抜けた。

やったことがない仕事を覚えようというのに、
すぐ自分の常識で「余分な言葉」が出て、
使わなくてもいいところに気を使い、
クライアントばかりをフォローし、
かと思えば、先方がやってほしいことに
対してのタイムリーなアイデアは出てこない。

とはいえ、この体験はとても大きな経験だった。
この仕事で稼ぐには、
「営業力」は必須だ。
が、同時に、「相手を稼がせてなんぼ」なのだ。
そのためのアイデアが豊富でなければ
ビジネスとしてのクリエイティブは成立しない。
常にトラブルと紙一重になる。

この時は、たまたま友人の営業処理能力を
学ぶ場になったが、自分に不足している部分を
痛感する場になった。

友人達の厳しい教導のおかげで
僕は自分の判断の殻をいくつか破ることを
意外な短時間の内にクリアすることになる。

自分を排除して報告する。
あるいは、正確にそのシチュエーションを
誰かに伝えようとし続けることで、

実は「耳」が聞き分ける情報が
まるで変わっていたのだ。
コメント