-----『学習探偵団 OB教室』。小学校卒業後も団で勉強したい!と言ってくれる子も多く
順調に成長してくれる子どもたちを見ていて、現在は一定の役割を果たせているのではないかと思います。
小学生対象の学習塾ですから、当初は中学に進学後は指導するつもりはありませんでした。
授業の準備や課外学習・野外活動への対応を考えれば、ひとりではそこまで手を広げられないだろうという思いがあったからです。
ところが、中学受験に成功し、団も卒業した子ども達のなかに、合格後の慢心からか、みるみる成績が下降した子が出ました。
順調に育ってくれた子たちがそんなところで躓くのは、残念でなりません。
『OB教室』はそうした「落ちこぼれ」対策の場にもなりました。
少し昔の話をします。
かつて田舎の高校生だったぼくは、放課後、毎日のように図書館へ向かいました。
東京教育大学を出て国語の講師として赴任してこられた先生がいつもそこで本を読んでおられたからです。
先生の感覚・豊富な読書量から生まれた講義と虚実取り混ぜたおもしろいエピソードの数々は、
吉野の山のなかで育った世間知らずのぼくには新鮮きわまりないもので
進路は先生に対するあこがれだけで決めました。
東京教育大入学時の僕 (さてどれでしょう?)
(※ なつかしい写真がでてきました。連絡先不詳のためご理解お願いします。 )
ところが
憧れだった大学には無事合格したものの、ぼくにはまったく欠けているものがありました。
それは
「将来に対する夢」と「学ぶことは面白いという手応え」でした。
残念ながら、当時そのどちらも手に入ってなかったのです。
漠然とした「あこがれ」は、目標が入試合格に変わった段階でものの見事にやせ細り、
生計の維持や新しい人間関係という経験したことのない煩わしさの中で、
都会の雑踏に紛れてまったく見えなくなってしまいました。
希望の学校への進学後、成績が急降下した子を見て、蘇った自らの苦い想い出。
『大学合格』から二十年以上もの紆余曲折の中で、何をやっても満足感が得られず、
一生懸命ただ生きるためだけの生業を重ねながら、人生を彷徨った日々。
中・高生に対する学習方法や学習姿勢の指導もたいせつだが、いわばそうした『テクニックの伝授』より
もっと伝えるべきたいせつなものがある。それを伝えることができれば、学習方法や学習姿勢などは、ほんとうに小さな問題になってしまうのではないか。
子どもたちが自らの目標や夢を掲げて自立できるまで、「ぼくが応援できることは何か」?
------目の前には一生を賭けるに値するおもしろいものがたくさん隠れている、その多くは夢の原石であること。
子どもたちが自らそれを探し始めるきっかけを贈りたい。
ぼくはそれを伝えよう。
(幸い、長い寄り道の間に、さまざまな「宝探し」の経験だけは積んでいました。成功・失敗のエピソードにも事欠きません。)
------秀でている人にはそれだけの理由がある、
世で活躍している一流の人たちは目に見えないところで人一倍の努力を続けていること。
比類なき才能の持ち主であるイチロー選手がだれよりも多い練習量を積み重ねているエピソード、
また画家の千住博さんのすさまじいまでの製作のようす。
天才も「そうなるべく努力を重ねて」天才になったので、ただのあこがれだけでは、夢は決して叶わないということ。
------生命は一回性で時間にも限りがあること。
命の限りを見つめることで、するべき事・しなければならないことがはっきり見えてくるのだという自らの確信。
「後悔先に立たず」という言葉の重みも、経験者の痛みに裏打ちされて、子どもたちの心にも深く染みこんでいってくれるはずだ。
------ そして、もうひとつ
ぼく自身、人生を賭けるものが四十年以上の彷徨を重ねたすえやっと見つかり、
そのためにする勉強はまったく苦にならなくなった、生きることそのものになったという事実を伝えたい。
「君たちと一緒に学ぶために勉強していることがおもしろくて仕方がない」現在。
団で学んだのち医科系に進んだ五人は全員、医師の家系・後継ではありません。それぞれが成長の過程で自ら培った目標です。
そして、その収入を志望の条件に挙げた子は一人もいません。
難関大学の他の学部へ進んだ子たちも、進学時点で自らの目標を明確に見据えていました。
彼らは今、学生時代のぼくがとても手が届かなかったような先を進んでいます。
さわやかで明るくたくましい青年ぶりは、彼ら(彼女ら)こそぼくの夢の成就であることを物語ってくれます。
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