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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

203冊目:「4-2-3-1 サッカーを戦術から理解する」

2023-03-25 22:48:10 | 
総評:★★★★☆ フォーメーションは大事。
面白い度:★★★★☆ 思ったより面白かった。
読みやすい度:★★★☆☆ 普通。
ためになる度:★★★★☆ 今後サッカーを見る目が変わった。
また読みたい度:★★★☆☆ また読みたいかというと普通。



前回と同じくサッカーのフォーメーションと戦術についての本。
前回の本と違う所は、当時の日本サッカーについてメイン書かれているということだ。
2008年に出版されたので、ドイツW杯後の時期になる。オシムが脳梗塞で倒れ岡田監督が監督に再任した時の時期だ。


面白かったのが、サッカーのシステムの表記についてである。
今では4-2-3-1とか4列表記は当たり前のようになっているが、もともとは4-5-1の3列表記が普通で途中から4列表記になったとのことだった。

確かに自分も謎に思っていた。DF、MF、FWは3種類なのに、なんでフォーメーションは4列で表記するんだろうと思ったが、なんか途中から出てきてそれが定着したらしい。まあMFの所を上と下でもうちょっと細かく記載するために4列が出てきたのだろうとのことだった。


また、3バックと4バックの違いについても書かれていた。分かったのが、3バックと4バックは、かなり異なるということだった。
今でも3バック4バック論争ってよくあるが、それってサッカーのシステムが大きく変わるからってことが分かった。

相手のFWの布陣に対して、DFが嚙み合うかというのも大事だが、サイドにどれくらい人を当てることができるかというのもかなり大事ということが分かった。

ちょっと細かい解説は避けるが、やはり重要になるのはサイドなんだなあと思った。
相手チームが仮に4-2-3-1できた場合、攻めの時、サイドには基本2人の選手がいることになる。そこでこちら側の布陣が3-4-1-2だった場合、守りの時に相手の4と3の所のサイドが攻めて来ることになるので、サイドをこちらの4のサイド1人で対応しなければならず、ここにミスマッチが生まれてしまい、サイドを突かれることになってしまう。

そういったミスマッチを作られると、こちら側のサイドもうまく攻めに回ることができず防御一方になってしまうという、布陣を見ただけでもかなり有利不利がはっきり出てしまうものなんだなあと思った。

また4バックと3バックはシステムをそこまで臨機応変に対応することもできないらしく、4バックのチームは4バック、3バックのチームは3バックと、基本的に固定されてしまうようだった。
そういう点でいうと、今回のドバイW杯で日本はバックのシステムを途中で変更したが、あれって結構時間をかけて準備を十分にしておかなければいけないものだったんだなあと思って改めて凄いことだったんだなあと思った。


あとはユーティリティプレイヤーの存在。
オシムは色んなポジションをハイレベルでこなすことのできるユーティリティプレイヤーを重要視していたが、日韓ワールドカップで韓国をベスト4に導いたフース・ヒディングも同じように考えており、このユーティリティプレイヤーがいたことで韓国がベスト4の大躍進を遂げることができたんだなあと思った。

ちなみにその時のユーティリティプレイヤーはユ・サンチョルで、トップ下、ボランチ、左サイドバック、センターバックとなんと4つのポジションをこなしたとのこと。すごい人がいたんだなあと思った。


そんな感じで、サッカーのシステムについて、今までより深く知ることができた1冊だった。
3バックと4バックについて、今度から重視してサッカーを観ていこうと思います。

そんなんで以上☆

202冊目:「サッカー戦術クロニクルⅡ」

2023-03-25 22:15:32 | 
総評:★★☆☆☆ すらすらと読めたがあまり印象には残らなかった。
面白い度:★★★☆☆ 戦術はやはり面白い。
読みやすい度:★★★☆☆ 普通。
ためになる度:★★☆☆☆ ためになるかというとそこまで。
また読みたい度:★★☆☆☆ またはあまりいいかなと思う。



以前134冊目に読んだ「サッカー戦術クロニクル」の続きである。


前回はトータルフットボールから始まり、その後生まれたゾーンプレスなど様々な戦術を解説し、歴史についてを主眼に置いた話であった。

今回は著者がいくつか戦術をピックアップして解説をしている。
カウンターアタックの優位性、マンツーマンディフェンス、ロングボールなど、
あとはリバプール、バルセロナ、チェルシー、マンU、等の最盛期の布陣と戦術等。

話の中で、往年のスター選手の名前が出てきてとても懐かしかった。イニエスタ、シャビ、シルバ、セスクのクアトロ・フゴーネスと呼ばれた4人や、シャビアロンソ、ジェラード、ランパード、バラックなどのいぶし銀の中盤の名選手や、フェルナンド・トーレス、アンリ、エトー、メッシなどのFWの名選手など、昔は凄かったな・・・と思った。

もちろん今もすごい選手が多いと思うが、なんか名前のインパクトが本当に凄い。。。

面白かったが、内容についてはあまり覚えていないので、今回はここまでとする。
そんなんで以上☆


201冊目:「愛と幻想のファシズム(下)」

2023-03-23 21:41:01 | 
総評:★★★★☆ 面白かった。
面白い度:★★★★★ 結構すいすい読んでしまった。
読みやすい度:★★★☆☆ 難しいところも大いにある。
ためになる度:★★★★☆ リアルな所がためになる。
また読みたい度:★★★★★ また読み返したいと思う。



前回読んだ本の下巻。

主人公の鈴原冬二を首領とする「狩猟社」は順調に党員を増やし、大蔵省の官僚を人質とした誘拐事件に介入する。

そこで人質となった官僚を救出することはできなかったが、そこで日本を揺るがすような情報の一端を掴む。
それをテコにし、ダミー・クーデターを仕掛け、結果的に日本国内で大きな知名度と支持を得る。

政治にも大きく関わることになり、首相との謁見、そして暗殺、最終的には超巨大企業「ザ・セブン」と肩を並べる存在になる。
そんなサクセスストーリー、ネタバレとなってしまうが、最終的に狩猟社を立ち上げた相棒、相田剣介の自殺を描いて終わる。

最初のイメージでは狩猟社の台頭と没落を描くのかな?と思ったのだが、結果特に没落するわけではなく、上り詰めて終わるという、ちょっと意外な終わり方だった。


物語としては面白く、かなりのページ数だったが比較的スイスイ読めた。

やはり読み終えても30年近く前の小説とは思えない斬新さがある。
今まで読んだ(あんまり読んでないが)村上龍作品の中では一番の面白さだと思った。

ちょっと前に読んだので内容は結構忘れてしまったが、今回はこんな感じで以上☆


200冊目:「愛と幻想のファシズム(上)」

2023-02-05 00:50:28 | 
総評:★★★★★ 今の日本の状況を言い当てていてスゴい。
面白い度:★★★★★ 結構すいすい読んでしまった。
読みやすい度:★★★☆☆ 難しいところも大いにある。
ためになる度:★★★★☆ リアルな所がためになる。
また読みたい度:★★★★★ また読み返したいと思う。



先輩が一番おススメしていた本。
一旦何冊か村上龍を読んでみて慣らした後で読んでみた。

今まで読んだ村上作品で一番面白く、一番リアリティを持った作品。
フィクションではあるが、すごくリアルに描かれているなと思った。
アメリカの台頭と、ザ・セブンといった企業は、まさに今の世界の状態を表していると思うし、日本もいつこのような状態になってもおかしくない。

30年以上までの1990年に発行されたとは思えないくらい、今を表していて、スゴイという一言に尽きる。
鈴原冬二と相田剣介という2人が立ち上げた狩猟社が独裁政権を樹立すべく立ち上がるが、そのサクセスストーリーが面白い。

エヴァの登場人物もこの小説からそのまま名前を取っているが、庵野さんも大きく影響を受けたのだろう。この本を紹介してくれた先輩もエヴァから入ったのか、純粋に村上龍から入ったのか気になる。
てかエヴァから入ってこの小説を読んだ人も結構いると思うが、エヴァの2人とこの作品の2人は特に似通っていないので、そこがまた不思議であった。単純に名前だけ拝借したのであろうか。

2人が狩猟社を立ち上げて、そこから創立時の中心となる洞木や千屋、高榎、クロマニヨンなどのメンバーが集まってくるが、そんなにいきなり突然有能な人が集まってくるかね?と思ってそこはやはりフィクションかなと思った。
あと鈴原冬二というキャラのカリスマ性もあまり分からない所があった。


でもザ・セブンへの対応やシャノン・フーズの労組への対応など、最初は長いものには巻かれろ的な感じで一旦実績を作り、その後大きく成長し、ザ・セブンに牙を剥くと言ったやり方はすごい現実的で、労組の所とかは本当になんかやり取りがリアルでこういう細かいところは良く書けているなあと思った。

映画化、ドラマ化等はしないのだろうかと思ったが、かなり危険な思想が孕んでいるので難しいかなと思った。

でも、当時や今の日本の状況に警鐘を鳴らしていて、そして一石を投じているこの作品の先進性は本当にすごいなと思う。


一旦上巻はとても面白く読めた。下巻はどうなるのかなかなか楽しみな本であった。

そんなんで、今回の感想は以上☆



199冊目:「五分後の世界」

2022-12-24 17:32:27 | 
総評:★★★★☆ なんかスゴい。
面白い度:★★★★☆ いい感じに面白かった。
読みやすい度:★★★★☆ 結構スイスイと読んでしまった。
ためになる度:★★★☆☆ 戦争描写や世界の状況がリアルで面白かった。
また読みたい度:★★★★☆ 機会があればまた読みたい。



村上龍3冊目。
先輩がこの小説がおススメと言っていたので読んでみた。


日本が1945年に降伏せず、そのまま本土決戦まで行った後のIF展開のパラレルワールドに迷い込んだ主人公のお話。

年代としては本の出版がされた1997年くらいを現代として、5分ずれた世界のパラレルワールドに迷い込み、状況がつかめないまま物語が始まり、徐々に世界の状況が分かるという話で、日本はいくつもの国から分割統治されていて、本当にえらいことになっていた。

日本人はアンダーグラウンドという地下に生活をしており、地上は各国に占領された状態でスラムがあり、地上の国民も日本との混血の2世3世のハーフの人たちが住んでおり、なかなかカオスな状態。
今の日本と比べると目も当てられない程ひどい状態だが、地下に住んでいる純血の日本人は希望を捨てておらず、各地でゲリラ戦を展開していた。


と、すごい設定の小説だった。
主人公の小田桐がいるアンダーグラウンドの状況等、あまり描かれないまま物語は進んでいき、主人公もラストで結構なピンチを迎え、その後どうなったか分からない。

現代の平和を享受している自分たちが見ると、ちょっとハッと何かを気づかされるような内容だった。
カオスで始まりカオスで終わる。内容としては面白く、結構スイスイ読めた。なんか嵐のような小説だった。

自身の村上龍はこれが最高の小説だとしているが、確かに今まで見た「限りなく透明なブルー」と「69」からの比較だと一番面白いなと思った。


そんな感じで、なかなか強烈で忘れられない小説だと思いました。そんなんで今回は以上☆