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31冊目:「竜馬がゆく(七)」

2010-12-10 00:12:03 | 
総評:★★★★☆ 以下、一巻から変わらず
面白い度:★★★★★
読みやすい度:★★★★☆
ためになる度:★★★☆☆
また読みたい度:★★★★★


竜馬がゆくも終盤に差し掛かってきた。

七巻はいままでよりちょっとトーンダウンし、竜馬の商売についてメインに書かれている。

最後、薩長で、倒幕をするための武装準備にメドが付き、後はきっかけがあれば幕府に対して戦争を起こせるという所まで行くのだが、このまま戦争に突入すれば、内戦の後、疲弊しきった日本は外国の格好の餌食になってしまう。

そのために、戦争を起こさせずに政権を朝廷に返上する大政奉還の策を竜馬は考え出す。
この大政奉還はこの時代、薩長が勝つか幕府が勝つかという世論にあった中、薩長も幕府も生き残るという誰も考え付かないような案だった。

何よりも、竜馬の故郷である土佐藩がどっちつかずな体制にあった中、大政奉還の提案を行うことによって、この土佐藩の名目も立てられるという、一石三鳥ほどの効果を持つまさに妙案であった。


この大政奉還の案は竜馬が原案という訳ではなく、勝海舟が以前竜馬にちらりと話した内容を基にしたものだった。すでにこの物語から引退しているような勝海舟がまたここで異彩を放つように話に出てきた。本当は日本は勝海舟によって動かされているんじゃないかと思える程だった。

そして物語のクライマックスに向けて竜馬がまた動き出す。


最後に、薩長の間でうまく立ち回っていたのが竜馬だったが、もう一人いる。中岡慎太郎という志士である。
竜馬が表で立ち回っているとしたら、中岡は陰に日向に起用に立ち回っていた人物といえるだろう。

それも実際に行った行動というのは竜馬以上ともいう。

中岡は竜馬と同じ土佐藩出身で、脱藩をし、藩という楔を捨てて、自らの危険を顧みず両藩のために尽くした行動というのはとても感心する。
中岡の夢に向かう志の高さと、人のよさがとてもよく出ていると思う。

そんな中岡が小説を見ていてとても気に入った。


あと同じ土佐藩の後藤象二郎。
後藤は藩の正式な役人であるが、この人も物語の終盤に大きく奔走する。
土佐藩のために、という思いが強かったかと思うが、この人の明朗快活な性格も役人ながらとても好印象だった。

あまり維新後は活躍できなかったらしいけど・・・


そんなんで、薩長だけでなく土佐藩にもとてもいいなぁと思える人物がいて、幕末ってホントにすごい人たちばっかりいるなぁと思った七巻だった。


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