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30冊目:「竜馬がゆく(六)」

2010-12-09 00:49:51 | 
総評:★★★★☆ 以下、一巻から変わらず
面白い度:★★★★★
読みやすい度:★★★★☆
ためになる度:★★★☆☆
また読みたい度:★★★★★


六巻では、幕末の転換期とも言うべきとても大きなことが起きた。
薩長同盟である。


長州藩と薩摩藩は仲が悪い。
仲というのもどうかとも思うが、まさに水と油の関係であった。
長州藩が京都を追われ、一転「朝敵」となったのも、薩摩藩が原因といっても間違いではない。
機会があれば、お互いがお互いの藩に攻め込み、追い詰め、根絶やしにしようとしていた。

今で言うと北○○と○国みたいなものであろうか。
しかしそれと異なる事が一つあるとすれば、それはお互いの目的が一致していて、倒幕、回天をなしえようとしている所だ。

しかしその目的を遂げようという所では、国力、財政、武力、人材が一つの藩だけでは足りない。
竜馬は以前から、この活気に満ちた二つの藩が手を組めばどうなるだろうと思っていた。

本当にこの頃の薩摩、長州は逸材と言うべき人物が多数出現している。薩では西郷、大久保、小松、大山、長州では桂、高杉、久坂(死亡)、山県、伊藤、井上、などなど。
以後の明治を彩る人たちがこの時代、この藩からたくさん輩出されている。


これも歴史の面白さなのであろうかと思う。


竜馬はこの難題をこの巻で紆余曲折はあるにせよ成し遂げた。
この薩長同盟があったからこそ明治維新を成し遂げられたと言ってもいいだろう。


しかし過程では実際、同盟のきっかけを竜馬が仲立ちしたからといって、ことがうまく進むわけでもない。
西郷も桂も、竜馬とはとても親しいが、西郷、桂もお互いに恨みつらみが渦巻いている。
まず一回目の会合は失敗した。両者会う、という話までいっていたのにとても残念である。

竜馬が何とか漕ぎ付かせた二回目の会合でお互いが互いに面と向かって会うことになるのだが、やはりここでもうまく行かなかった。
お互いが同盟の話を切り出せないのだ。

桂は西郷と会って、同盟の話を切り出すよりも、まず今までの恨みというべき出来事と一からつらつらとさらけ出したらしい。
そこを西郷も文句一つ言わずに聞いていたのは本当にすごい。


しかし、ここで重要なのは、有利な立場である薩摩藩からこの話を切り出さなくては、両者対等という同盟は成立しないのである。
薩摩藩は長州藩に比べて、圧倒的に有利な立場にある。ここで長州藩が下手にでて、同盟の話を切り出しては、これからの両者の力関係がうまく行かず、協同もなしえないだろう。


竜馬は、西郷と会ったが肝心な話が出来なかったという桂の事後報告を聞いて、今までにないくらいの怒りの顔になったという。
ここでの桂の胸中も、無念やら絶望や、今までの恨みだったりしたものが渦まいて、正気ではなかったであろう。
しかし、桂は竜馬には「この同盟がうまく行かなくても、薩摩との思いは同じ、薩摩だけでも幕府を倒してくれれば、長州が滅びでも構わない。」と打ち明けた。


すぐに竜馬は薩摩藩邸に行き、西郷の説得を行う。
「もうお互い、対面遊びはやめにせんか」と怒りの表情で西郷に告げた。
西郷もここに来てやっと決断し、自分から長州に話を打ち明けることを決めた。


ここのくだりは何回も見返してしまった。
竜馬がゆくで一番重要なシーンだと思う。
すごい、幕末の緊張が一番凝縮された時だと思う。
ひたすらすごいと感じた。でも長州は本当に切ない。。。


そして薩長同盟、成る。

その後、竜馬は寺田屋の旅館で幕府側の藩の刺客に襲われることになる。
ここもおりょうが裸で竜馬に危険を告げに来るという有名なシーンがある。
そして、竜馬は怪我を負い、養生しているうちにけなげに看病をするおりょうに心を惹かれ、結婚?そして新婚旅行をする。


六巻も五巻に続き、まさに幕末の見所ばっかりで最高潮の内容であった。

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