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後、その他なんかあれば・・・

中小企業診断士への道のり⑩:攻略のコツ7,その他

2024-04-09 22:25:04 | 中小企業診断士
攻略のコツもこれで最後となる。
最後にいくつかその他お伝えしたい内容を書く。


■タイムマネジメント
 事例Ⅳのタイムマネジメントは前回ちらっと書いたので、今回は事例Ⅰ~事例Ⅲのタイムマネジメントについて書く。

 ・前半と後半に分ける
  基本的には前半と後半の2つに分け、前半を30分、後半を50分としていた。前半は設問と与件を読み込む時間で、後半は解答を書く時間である。前半30分を過ぎたら書く内容がまとまっていない場合でも解答を書き始めることにしていた。
  
  前半の設問と与件の読み込みには、それぞれ2回ずつ行い、①設問→②与件→③設問×与件と見ていった。
  ①ではどのような問題が出題されているかの分類と解答骨子の作成、
  ②ではSWOTの洗い出しと時系列や組織図のまとめ、わざわざ表現や社長思いなどの重要な要素に赤ペンで印をつけていった。
  ③では設問1問ごとに設問のキーワードに色を付け、与件文のどの段落が回答に使えそうかリンクを張り同じ色のマーカーを引いていった。
  自分は第1問:赤、第2問:黄、第3問:青、第4問:オレンジ、第5問:緑と決めていた。
  

 ・開始~5分くらい
  名前を書いて、メモ用紙にメモを書く準備をした後(後述)、まずは与件文の段落(文字の開始が一文字ずれて始まっている箇所を1段落としている) に番号を振っていく。ここで与件のボリュームを見る。その後、第一段落と最後の段落を見てどういう会社でどうしていきたいのかという雰囲気をつかんだ後、1回目の設問文を見る。
  
  設問文は配点を確認し、各設問について、戦略問題か、それ以外の問題かを大きく分ける。そして、以下の例の通り設問の内容を見て各問題の骨子を作る。

  例)
   -A社の現経営者は、先代経営者と比べてどのような戦略上の差別化を行ってきたか、かつその狙いは何か。100 字以内で述べよ。(R5事例Ⅰ)
   →「差別化は~である。狙いは~である。」
   -B社の現状について、3C(Customer:顧客、Competitor:競合、Company:自社)分析の観点から150 字以内で述べよ。(R5事例Ⅱ)
   →「顧客:~、競合:~、自社:~」
   -その妥当性とその理由、またその際の留意点をどのように助言するか、140 字以内で述べよ。(R5事例Ⅲ)
   →「妥当性は~、理由は~である。留意点は~である。」

 ・~15分くらい
  1回目の与件文を見ていく。赤ペンでSWOTの内容は○の中にS、W、O、Tと書いてアンダーラインを引き、わざわざ表現はその文言をぐりぐりと○で囲み目印をつけていった。
  与件文を読みながら、時系列と組織図をメモ欄に書いていった。その他気づいた点やSWOTの内容をメモ欄に転記していった。

 ・~30分くらい
  設問文と与件文のリンクを張る。各設問のキーワードにマーカーし、それと紐づく与件文の内容に同じマーカーを引いた。与件文には複数のマーカーが引かれることがあるが、最終的な解答にはしっかり被らないように割り付けを行う。

  ここは第1問目から順々にやるのではなく、簡単そうな問題から紐づけを行っていった。
  メモ欄の解答骨子にそれぞれ書く内容の要素をメモして、解答を作り上げる際の材料をメモ欄からピックアップできるようメモ欄にまとめていった。

 ・~80分
  1問の解答の記載の目安を10分として解答を書いていった。ここまでで全体の解答の流れも考慮し、書けそうな問題から書いていった。第1問目に良くあるSWOTは比較的最後の方に残しておいて、それまでに書いた内容とリンクするかどうかを確認しながらSWOTの内容を書いていった。

  事例Ⅱは全4問の構成が多かったが、これも1問12分くらいの時間で割り付け、30分経過したら解答の記載を始めていた。
  事例Ⅲは120字、150字書けという内容も良くあったが、特に字数で時間を延ばすことはせず、1問10分で計算していた。そのため150字は10分で間に合わないこともあったはあった。。
そこはSWOTなど、解答に時間がかからない問題から時間を回したりして微調整をしていた。

80分のタイムマネジメントとしてはそんな感じでしょうか?


■メモ用紙の使い方
 これは問題を解いていく上で編み出した自分独自のやり方であるが、基本的に解答に書く内容はメモ用紙にまとめてから解答欄に書いていくことにしていた。これは解答を書くときに与件をバラバラ見て探さず、まとめた内容を見ることで「書くこと」に集中するためにやっていた。

 A4の紙(試験時は問題冊子から切り離した表紙の裏)に線を引いて、4つのエリアに分け、それぞれのエリアに①SWOTの内容、②解答骨子と解答に盛り込む内容、③与件を読んで気づいた点、④時系列、組織図や、その他与件の整理を書き込んでいった。
以下のような感じである。

 試験開始後線を引いた状態


 ここに、エリアごとにまとめる内容を決め、自分が理解した内容を記載していった。

 赤字は問題を解く過程で書いていった内容の例


 こうすることで、何の情報がどこにまとまっているかが分かるので、解答を書く際の材料の取捨選択がスムーズになり、また③の与件を読んで気づいた内容の欄は、解消しなければならない弱みの情報も書いているので、この内容が解答の中で解消されているか等も検証することができ、解答の一貫性も確認することができる。

 ちなみに②にまとめた内容を見て、書きだした要素を文章にしながら解答用紙に解答を書き込んでいった。
④は組織図が大事だと以前書いたこともあるが、組織図を忘れずに書くようにする欄と、与件の時系列もしっかり理解しておく必要があるためそれを書くようにしていた欄である。

 基本的に自分は、このA4の紙に「転記」をして解答の内容をまとめていったのであるが、この転記の時間が惜しい人はあまり参考にならないかもしれない。。
 また、必要な情報の転記がそもそも漏れているとその必要なキーワードを使った解答ができなくなってしまうのでそこはリスクではあると思う。

 でも、このように、自分の理解をまとめる書き方のフレームワークがあると、いざ解答するときに自分の知識や理解の整理がしやすく、抜けている観点がないかを確認する際にも使えるので、こういう書き方は編み出しておいて有用なものなのではないかと思う。


■初見対応力を鍛える
 あと意識していたのが、初見対応力を鍛えるということだった。
過去問を何回もやっていると、こういう問題が出て、こういう方向性で答えていけばいいということがあらかじめ分かってしまっているので、自ずと問題文を読むのも解答を書いていくのも時間がかからなくなっていくものである。

 最初は80分で間に合わなかった問題でも繰り返していくと80分で解け、60分で解けるようになったりするので、実際に初めて問題を目にした時の緊張感や解くスピードと違いが生じ、問題を解く上での十分な予行練習にならなくなってしまう。

 そのために模試などで、初めて見る問題に対して解く練習が必要になったりしてくるのだが、どうも予備校で出る新作問題や模試(以下、予備校オリジナル問題とする)と過去問は問題の完成度が大きく違うなあと感じるようになった。

 予備校のオリジナル問題は解答の方向性がすごく意図的に用意されている気がするのだ。その点実際の過去問はヒントの散らばせ方がとてもバランスよく、方向性も微妙に分からず、問題としてかなりよくできているのだ。本当に過去問と予備校のオリジナル問題の両方をこなしてきた方なら分かると思うが、この2次試験の過去問はとても完成度が高い。本当に1年間かけて練りに練られた珠玉の問題なのだ。ここまでの完成度が予備校のオリジナル問題にはないため、実際初めて問題に向き合った時のシミュレーションが予備校オリジナル問題ではできないと考えた。

 そのため、自分は未実施の年度を2年分残し、試験の直前に残していた1年分の年度を全て解いて、本番の予行練習としたのであった。もう1年分は落ちた時の次回の予備であった。。。

 そんなんで、この初見対応力を鍛えるというのも、結構大きな合格のための要因になると思う。
 実際に試験の午後に頭が疲れてきて事例Ⅲとか事例Ⅳで脳の負荷がかなりきつくなってきた人もいると思う。そんな中でこの初見の問題を見て実際にどのような時間配分やメンタルで解けるか前もってシミュレーションしておくのは結構大きな経験になると考えている。


■綿密な予行練習とか、運とか
 そんなんで再掲ですが、やっぱり運もある。
 自分は今回の試験は、システム化問題が出なかった。解答の割り付けがしっかりできた。というのが結構大きかったかなと思う。本当に問題によっては頭が真っ白になることもあったと思うし、比較的R5は自分の想定の範囲内で解けた問題だったなと思う。

 あとは試験前日にはしっかり寝て体力をつけ、実際に自分の一日の行動(何時に駅について、お昼ご飯は何を食べて)についてもしっかりシミュレーションしていたので、メンタル面でも大きく乱されずに試験に臨むことができた。

 そんなんで、問題にも恵まれたし、終始自分を見失わず自分を貫けたので、本当に運が良かったなというのも思ったりもします。


そんなんで、自分が伝えたかったことは今までの記事でしっかり出し尽くせたかなと思う。しっかり伝えられたかどうかは分からないが、、
ということで今回の内容は以上☆


中小企業診断士への道のり⑨:攻略のコツ6,事例Ⅳ

2024-04-04 00:04:55 | 中小企業診断士
今回は他の事例と毛色が全然異なる事例Ⅳである。

前々から書いている通り、事例Ⅳを制する者は2次試験を制す、一番重要な科目なのではないかと思う。

「事例Ⅳは努力を裏切らない」とA社ではスローガンになっている通り、まさに勉強時間に比例して点数が伸びていくという、他の事例にはない唯一無二、一番得点が信頼できる科目なのであった。

事例Ⅳはあきらめないことが肝心。最初は全くさっぱり分からない内容でも、クリンチをして食らいつけば、だんだんとその全体像や出題範囲、攻略法が見えてきて得点の糸口が見つかめてくるのだ。
そんな事例Ⅳで自分が理解していた内容についてまとめる。


■全体像
 事例Ⅳは大問が4問。1問目が財務分析、2問目がCVP、3問目がNPV、4問目が記述問題と大まかに問題の内容が分類できる。
 毎年この問題が出ている訳ではないが、ほぼほぼ鉄板。それ以外の問題が出ていることもあるが、CVP、NPV以外の問題が出た場合でもそんなに難易度は高くない認識である。そのため、基本的にこの4つの分類の問題に対応していけばいいことになる。


■取り組んでいった経緯
 自分はA社で配布していた問題集があり、それを基本的に何回も繰り返し説くことでCVP、NPVの問題に慣れていった。
 また先輩Oさんに教えてもらった「事例Ⅳ攻略マスターガイド」という教材を使って、財務分析、CVP、NPVの問題をさらに解いていって反復練習、型化に取り組んでいったのであった。
 ていうか大きな攻略方法はこのマスターガイドに書かれているので、これだけ見てもらっても全然高得点化できると思う。

 特に良かったのは、第1問目の財務分析の解き方の機械化だった。どんな問題が出ても、まず収益性、安全性、効率性の9つの指標だけを機械的に計算し、そこから3つを選ぶというやり方だった。財務分析に機械的に取り組むことで、第1問目を10分から15分の間に解くことができ、他の問題に時間を配分し余裕を生むことができたのだった。

 また、最後の4問目の記述問題は何が出るかは分からないが、基本的には与件の内容をもとに記述をしていけば良く、内容はそこまで難しくないものなので、これは過去問を10年くらい遡って確認し、傾向を把握し、そこで分からない知識(オプション取引)などは改めてインプットしていった。

なので、第1問目は機械化、第2問目と第3問目は問題集の反復練習、第4問目は過去問を一通り見て傾向を把握し不明点は知識を拡充といった形でそれぞれ対応していったのであった。


■タイムマネジメント
 タイムマネジメントは2次試験でかなり大きなウェイトを占める大事な要素である。事例Ⅰ~Ⅲは同じようなタイムマネジメントができるので別に述べるが、ここでは自分がやっていた、事例Ⅳのタイムマネジメントについて書く。

 ・開始~20分
  第1問目を終わらせる。設問と与件を見てどのような問題かをざっと見て(5分以内)、先ほど書いた機械化の解き方を使って10分~15分で描き切ることで最低20分以内には第1問目を解き切っていた。

 ・~30分
  第4問目を書き切る。与件の内容から基本書けるので、特に2問目、3問目は見ずにこの4問目を10分間で解き切っていた。4問目は記述問題なので10分での回答は全然可能である。

 ・~80分
  第1問目と第4問目を解いた時点で30分かかっていて、残り50分で第2問目と第3問目を解くことになるが、残り2問で50分は比較的余裕がある方だと思う。
  この2問は難易度に応じて時間を割り振っていた。多くは20分、30分だろうか?設定した時間で解けない場合は進捗にもよるが、次の問題に取り掛かるようにしていた。

 そんな感じのタイムマネジメントだった。重要なのは第1問目をいかに素早く説くかであろうか?これによって後半の第2問、第3問に費やせる時間が大きく変わってくるのでこの第1問目の機械化の解き方は本当学んでおいて良かったと思った。


■空白を残して出さない
 事例Ⅳはここが一番大事かもしれない。「あきらめない」というのはこのことに集約されているかもしれない。
 「空白を残さない」。これだけである。これが大事なの?と思う人もいるかと思うが、事例Ⅳは事例Ⅰ~Ⅲと採点内容も大きく異なるものと考えられる。

 よく事例Ⅳはだめだと思っていたが思ったより得点が良かったということがよくあったりする(らしい)。これは、得点調整をしているためだと考えられる。
 前にも書いたが、2次試験は上位ほぼ2割が選ばれる「相対評価」である。
事例Ⅳは難しい問題はみんな解けないし、そこまでぴったしの数値を書いて正解の人もほぼいないと考えられる。そのため、事例Ⅳが一番得点調整が行われる科目だと思う。

 その得点調整のためには某K先生がよく言っている「下駄を履かせる」という行為が行われる可能性がかなり高い。下駄を履かせるというのは、採点者が書いてある内容によって部分点をいくらか与えるという行為になるのだが、この下駄を履かせる対象として、明らかに「何も書いていない回答」よりは「何か書いてある回答」に対してやるのが当たり前の考え方だろう。てか何も書いてなければ下駄の履かせようもないのだ。

 なので、「計算過程を書け」という問題でも、計算過程ではなく「自分はこういう風に考えました」的な回答を書いたり、ぶっちゃけ計算のキーワードだけでも何かしら書いておけば、「下駄を履かせる」という上では部分点をくれたりするのが採点者の心情ではないだろうか?

 なので分からなくても、時間がなくても、空欄には何か数値や、なんか文章を書いて出すのが重要なのである。その部分点をもらうことが、1点に笑い1点に泣くこの2次試験では本当に重要な要素なのである。

 というのを自分はA社の講義やK先生のお話を聞いて納得したので、空白を残さないようにして出したら66点も取れましたという結果になったのだった。
 なので、「あきらめないで!
 最後の最後で真矢みきさんを思い出して何とか問題、答案にしがみつくのである。最後の1秒まで書いて出す。この部分が本当に最後の一歩、診断士になる上での重要な1ピースになるのではないかと思う。


ということで、特にキーワードとかの説明はせず、事例Ⅳの向き合い方についてメインに書かせていただいたが、今回はこんな感じでしょうか?
攻略のコツは最後まだもうちょっと続くが、事例Ⅰ~Ⅳまで、自分の頭の中にあった内容はほぼほぼ書けたかなと思う。
今までの記事から何か得られるものがあったら嬉しいです。

そんなんで今回は以上☆