IBDクラブジュニアウエストがオーバルホールでありました。第18回になります。いつもながら、病理医にとっても、IBDを集中的に勉強できる大変よい機会です。
症例1) 中高年の方で、UC vs. 大腸Crohnです。注腸像は鉛管状で変化がびまん性のようにも見え、UC様でした。大腸内視鏡ではアフタ、不整潰瘍、縦走潰瘍がありました。内視鏡では多くの方がCrohnと考えられたようでした。生検組織像では、右側から採った方に炎症が強い傾向があり、直腸生検は正常でした。
【写真】は上行結腸の生検で、不連続でやや不均衡な炎症パターンがあり、mucous preservation(+)、distortionは軽微でした。肉芽腫はみつかりませんが、大変Crohn的な組織像です。
症例2) 肺結核治療後にみられた回腸の潰瘍です。腸結核か、腸結核+Crohnか、Crohnかが議論になりました。輪状潰瘍の辺縁にはul-IIs, IIIsの潰瘍(萎縮瘢痕帯?)があり、その部分の粘膜には炎症が強くdistortionが目立ちました。Tbc的です。はっきりした肉芽腫はありませんが、多核巨細胞が残っていました(治療後の変化?)。切除標本の肉眼像にはCrohnらしき変化はみられませんでした。
症例3) Henoch-Schoenlein紫斑病か、その他の血管炎による消化管出血か、CMVによるものか、繰り返し行われたTAEによる影響か?鑑別が大変難しい症例でした。病理組織像は粘膜下層の血管に閉塞性変化が目立ちましたが、炎症細胞浸潤はあまり強くないように見えました。
症例4) Infliximab投与によりCrohn病は改善したのですが、Tbc性の胸膜炎・腹膜炎が生じた症例でした。IFX療法の普及に伴って、今後しばしば問題となるような症例です。初回生検の組織像では不均衡炎症がみられ、深部に組織球の集簇がみられました。
症例1) 中高年の方で、UC vs. 大腸Crohnです。注腸像は鉛管状で変化がびまん性のようにも見え、UC様でした。大腸内視鏡ではアフタ、不整潰瘍、縦走潰瘍がありました。内視鏡では多くの方がCrohnと考えられたようでした。生検組織像では、右側から採った方に炎症が強い傾向があり、直腸生検は正常でした。
【写真】は上行結腸の生検で、不連続でやや不均衡な炎症パターンがあり、mucous preservation(+)、distortionは軽微でした。肉芽腫はみつかりませんが、大変Crohn的な組織像です。
症例2) 肺結核治療後にみられた回腸の潰瘍です。腸結核か、腸結核+Crohnか、Crohnかが議論になりました。輪状潰瘍の辺縁にはul-IIs, IIIsの潰瘍(萎縮瘢痕帯?)があり、その部分の粘膜には炎症が強くdistortionが目立ちました。Tbc的です。はっきりした肉芽腫はありませんが、多核巨細胞が残っていました(治療後の変化?)。切除標本の肉眼像にはCrohnらしき変化はみられませんでした。
症例3) Henoch-Schoenlein紫斑病か、その他の血管炎による消化管出血か、CMVによるものか、繰り返し行われたTAEによる影響か?鑑別が大変難しい症例でした。病理組織像は粘膜下層の血管に閉塞性変化が目立ちましたが、炎症細胞浸潤はあまり強くないように見えました。
症例4) Infliximab投与によりCrohn病は改善したのですが、Tbc性の胸膜炎・腹膜炎が生じた症例でした。IFX療法の普及に伴って、今後しばしば問題となるような症例です。初回生検の組織像では不均衡炎症がみられ、深部に組織球の集簇がみられました。