胃癌取扱い規約で中分化管状腺癌(tub 2)に分類されるもので、俗に「手つなぎ癌」といわれる診断の難しいものがあります。内視鏡的にも質的診断・範囲診断がしばしば困難であるとされています。これには色々な芸名があって
・手つなぎ癌
・横這い癌
・低異型度完全腸型癌
・不規則吻合腺管癌
・低異型度中分化型腺癌
などです。それぞれ指すものが微妙に異なることもありますが、粘膜内や粘膜下層で低分化型腺癌に変わる可能性が高い病変です。低分化型に変わらなくても、そのまんま浸潤し進行癌になることもあります。
鋭角的な分岐融合が特徴で、我々伊賀流一門では手裏剣型分岐と(私が勝手に)言っています。手裏剣が粘膜固有層内を飛び回り、隣接する腺管の基底膜を破壊していくイメージです。
この形態について、構造異型という先生、粘膜内浸潤像であるという先生色々です。独逸時代のChefであるボルヒャルト先生は、Das ist Invasion.と論文に書いておられますが、残念ながら独逸語であり、日の目を見ておりません。
(写真小は和製手つなぎ癌、写真大は韓式手つなぎ癌です。)
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