皆様ごきげんよう。今日は飲みでした黒猫でございます。でも会社の飲みだったし、明日も仕事なので酔わずに終えたよ(笑)。○木屋の飲み放題、種類は多いけどお酒としてはやはり薄いですね。
で、今日は久々に本の感想を。ホント相当久しぶりなのでは。
本を読まなくなったわけではなく、そこそこ色々読んではいるんですが、いかんせん感想を書くのが面倒でねぇ・・・寒いとさぁ。もう何もしたくないわけですよ。
いかんね、この姿勢。駄目人間街道をまっしぐらだよね。
もうすぐわたしの時代が来ることだし、ジョジョに奇妙に復帰を果たすべく、ちょっとリハビリしてみましょう。
てなわけで。
『オスカー 天国への旅立ちを知らせる猫』(デイヴィッド・ドーサ著、栗木さつき訳 早川書房)
終末期の認知症の老人のための医療施設、ステアー・ハウス看護リハビリテーション・センターの3Fで飼われている雄猫オスカーは、ある特異な行動を取るとして話題になった。
オスカーは死期の近い患者が分かるらしく、それを察すると患者のベッドに赴き、死を迎えるまで傍らを離れないのだ。
オスカーの能力に最初に気づいた看護士のメアリは、病棟の医師であるデイヴィッド・ドーサに自分の発見を打ち明ける。当然ながら論理的な思考回路を持つ理系タイプで、どちらかといえば猫が苦手なドーサは、メアリの考えを一笑に付すが、メアリはしつこく食い下がり、ドーサにオスカーのことを調べてみるように勧める。
ちょうど入居していた患者のひとりが亡くなり、その家族に話を聞く機会を得たドーサがオスカーのことを尋ねてみると、遺族は顔をほころばせてオスカーがずっと傍に居てくれたと語る。
ドーサ医師が看護士メアリの言葉に従い、オスカーがその臨終に立ち会ったという患者の家族に会い、家族の口からその経験を語ってもらう、というのが主な筋です。
猫のオスカー中心の話であるにはありますが、アメリカの認知症患者を巡る医療制度の問題、その看護の大変さ、辛さ、認知症という病気の残酷さなどが重点的に語られます。
物忘れが激しくなり、少しずつ身の回りのことができなくなり、やがて家での介護が困難になり、この施設に入居するケースがほとんどのようです。
この中で語られていたあるご夫婦のケースでは、奥さんのほうが認知症を発症し、少しずつ進行していくんですが、それをどうしても認めたくない旦那さんの勝ち目のない頑張り、やり場のない怒りがせつなかったです。
病気の性質上、やはり高齢の患者が多いため、中には入居しているうちに身寄りがなくなってしまう患者もいたりするんですが、もう自分ではそういうことすら認識できなくなってしまっていたりするのもまた悲しい。
わたしは本を読む前にオスカーのことをネットで読んで知っていました。「死の天使」と呼ぶ人も、などと書かれていたような記憶が。もし自分が入院していて、オスカーが枕元に来て腰を落ち着けたらどんな気分になるんだろう、と思いましたが、この施設の患者さんは最期意識がないか、そういうことを認識できない状態になってしまうようです。
家族が居る場合、いつ終わるともわからない、そういう辛い状態を見守らないといけないわけで、そこにオスカーが一緒に居てくれるというだけで少し心強くなるようでした。
オスカーを信じた家族は一時帰宅などをやめて患者の傍に付き添い、臨終を見届けることができることもあるとか。
実際に経験したいかどうかと問われたら微妙ですが、自分でもし認識できなくても、傍にいてくれる存在は嬉しい気がします。特に猫好きには。
結局オスカーには何故患者の死期がわかるのかという問題が解決されるわけではなく、数人の体験者の話を医師が聞き取り、最後に自分が介護する側になった場合の心構えなどが語られて終わります。
高齢化社会を迎え、認知症は身近な病気となりましたが、未だに治療法は確立されていません。そういう意味では、いつ自分が当事者となるかもしれないですから、老年医療に携わる医師からのアドバイス本としても読めるのでは。
いろいろ書きましたが、要約すると猫好きは黙って読むべき。オスカーの写真いっぱい載ってます。ホント可愛い・・・!毛が長めのもっさりさんです。モフらせてほしいけど、普段はあんまり触らせてくれない性格のようです。ううん、そこがまたいいなあ(笑)。