満月と黒猫日記

わたくし黒猫ブランカのデカダン酔いしれた暮らしぶりのレポートです。白い壁に「墜天使」って書いたり書かなかったり。

『パッチギ!LOVE&PEACE』

2007-04-26 00:34:27 | 映画

皆様ごきげんよう。ちょっとバタバタしております、黒猫でございます。

にも関わらず、今日は試写会レビューを。(忙しいんだか何なんだか)ホラあれだ、溜まってるから。これをクリアすればあと2本。頑張ります。

『パッチギ!LOVE&PEACE』

1974年の東京。国鉄の職員、佐藤(藤井隆)の運転する電車内で、乱闘騒ぎが起きた。電車が駅に停まると乱闘はさらに激化、思わず止めに入った佐藤だったが、佐藤の破れかぶれの一撃で片方の大将格が昏倒してしまう。図らずも佐藤が助けた形になった男は、息子・チャンスの病気の検査のために家族とともに大阪から東京に移ってきたアンソン(井坂俊哉)だった。

いくつかの病院で検査を受けた結果、チャンスは筋ジストロフィーだと診断される。いずれは車椅子の生活になるだろうと医者に告げられたアンソンだったが、諦めきれずどうにかならないかと詰め寄る。最も研究の進んでいるアメリカで医者にかかれば、病気の進行を遅らせることができるかもしれないと知ったアンソン。しかしそれには莫大な費用がかかる。
乱闘騒ぎのせいで国鉄をクビになり、アンソンのもとに転がり込んでいた佐藤とともに、アンソンは亡き父の伝手を辿って、危険な方法で金を工面しようとする。

一方、アンソンの妹、キョンジャ(中村ゆり)は、焼肉屋で偶然芸能事務所にスカウトされ、芸能界に入ればチャンスのためにお金も稼げるのではと考え、芸能活動を始める。事務所の社長に諭されて、「涼子」という日本人の芸名で活動を始めたキョンジャ。次第に人気を得てゆく一方で、時には在日朝鮮人である事実が様々な不都合を生む。そんな中、キョンジャの出自を知っていても変わらず優しく接してくれる人気俳優の野村(西島秀俊)に心惹かれるキョンジャだったが・・・?

というようなお話。


わたしは前作『パッチギ!』も観ています。前作は舞台が1968年、アンソン・キョンジャの兄妹の高校時代でしたが、今回はその後の1974年の彼らを描いています。でも特に続編といった感じではないので、前作を観ていなくても大丈夫です。舞台は京都から東京に移っていました。

難病の息子を持つアンソンと、その妹のキョンジャのふたりにスポットが当てられていた感じです。アンソンが父の伝手を辿る一方で、キョンジャは自らの力で自分の道を切り開こうとしますが、在日朝鮮人だということを隠しての芸能活動ゆえ様々な不都合に遭います。
その一方で、随所に今は亡き彼らの父親の凄惨な過去の映像が挟まれ、何故彼らの一家が日本に来ることになったのかが語られます。『ドレスデン』の時も思いましたが、通り一遍の歴史教育を受けただけではまったく知らないことってたくさんあるんですね・・・。そもそも現代史まで行かずに終わったもんな、高校の時の世界史。結構そういう方多いんじゃないかと思いますが。

映画は在日朝鮮人の暮らしぶりを実に生き生きと、生活感溢れる感じで描いています。わたしは知らないことだらけだったので、まずは知ることが大事だな、と思いました。

何も知らないがゆえに何のこだわりもなく彼らに溶け込む佐藤役の藤井隆がとてもよかったです。東北訛りになんか和みました(笑)。あと、キョンジャ役の中村ゆりは綺麗ですね~。目力があると思います。イヤ~なプロデューサー役のラサール石井に侮辱するようなことを言われて、睨み返した目つきにゾクっとしました。すごかった。
あとチャンス役の子どもがすご~く可愛かった~。脇で結構いろんな人が出ていましたね。何気に豪華。

感動のラスト・・・と思いきや、何が何だか的に大乱闘が始まり、ちょっと笑ってしまいました。みんな揃ってすぐカッとしすぎ。落ち着け(笑)。でもまあ、それがパッチギ(=ハングル語で「頭突き」の意)なんだってことでしょう。

笑いあり涙ありで、観終えたあと爽快感が残るいい映画でした。おすすめ☆


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