バンド仲間のTが首をつって自殺した。わしより1歳下で家庭仕事健康などさしたる問題もなかったはずだが、兆候など含め誰も気付かなかった。後の祭りであり、残されたものは悔しがるか、文句を言うしかなく「ああ、無情。」
自殺する者を根性無しだとか、勇気がなく現実に負けてしまったと非難するのは楽であるがわしはこう思います。
他人を殺害する「殺人」を実行するには果てしない度胸と決断を要するが、自己を殺害する「自殺」はそれ以上の決意が求められる。自殺した個人は実行した訳であるから根性や勇気において肝が据わっていたと。ただ、その意志が誤った方向に向かってしまい、間違った判断になってしまったのだと。
「死ぬ度胸が有ればどのような苦難も乗り越えられるはずだ。」
そう、思えばTの判断の誤りは友人として悔しく、後の祭りと思っていてもTを非難したり自分を責めたりして、思いは不毛のままで空回り。「今頃あちらで後悔しているに違いない」「バカだな~」などと関係各位(バンド仲間)一同泣きそうになりながら泡盛ビールの夜。
T君 安らかに