鹿島《少将》の航海日誌

改めてブログ作り直しました。
ヤマト関係を中心に、興味あるもの等をお届け。

宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー第二十一話(最終話①)

2019-12-25 14:58:00 | 宇宙戦艦ヤマト:二次創作



二次創作
宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー

第二十一話(最終話①)


ユリーシャ、メルダ、イリィそして、スターシャの愛娘サーシアは、宮殿の地下に隠されたスターシャ・シップ=スターシャを継ぐ者のみが代々使用してきたスターシャ専用シュヘラザード改良型。

「これよ。このスターシャ・シップで脱出します。」
「サーシア。ちょっと来て。」
ユリーシャに歩みよるサーシアをユリーシャは抱き上げ、認証パスワード機を覗かせた。

「スターシャヲ確認。ゲート開きますマス。承認。」

スターシャ・シップ船底部のハッチが開き、自動タラップが降りた。

「ユリーシャ様。」
メルダはタラップへ一歩踏み出すユリーシャに声を掛けたが、「いえ。すみません。」と言葉を呑み込んだ。
それは同行するスターシャの愛娘サーシアを気遣っての事であった。
この場で、スターシャ様は本当にお一人で脱出なさるおつもりでしょうか?などと、尋ねればサーシアが心配し、残ると言い出さないとは、限らないからだ。
ユリーシャには、解っていた。
だがら、敢えてメルダの呼び掛けに反応を示さなかったのだ。
その代わりに、"ウインク"を飛ばした。

「それにしても、この特別仕様のシュヘラザード=スターシャ・シップは、一段と大きいですね。」
メルダは思わず、その大きさから口にした。

「古くからスターシャを継ぐ者に伝わる言い伝えでは、防御力も速力も、そして攻撃力も最強と伝えたられている代物。」
全長1.000メートルを超えるスターシャ専用シュヘラザード改良型。

「攻撃力もですか?」
「兵装らしき物は見当たらないですね。」

「そう。このスターシャ・シップはね、船自体が剣であり、盾であり、のスターシャを守るだけに造らせた宇宙船(ふね)。」
「もう、理解出来たでしょ!?メルダ。」

メルダは「ハッ!」とした顔を覗かせた。
この宇宙船(ふね)に乗り込む時に"承認"したのは「サーシア」様。
そう。既にサーシアをスターシャと認証するように、プログラムは書き換えられていたのだ。
それも、つい先ほどの事。

「…メルダ。」
「姉を姉の気持ちを解ってあげて…。」
「新たなる指導者が誕生したのです。」
「わたくしは、サーシア(スターシャ)を守るだけ。」
「この最悪な状況を打破し、新たなる未来を創る為にも、姉の邪魔してはいけない…。」

「……。」




「真田。私をスターシャのもとへ行かせて。」
「私の基本プログラムはスターシャ陛下にしか変更する事は、出来ない。」
「駄目と云っても、もうこれ以上、私を止める事は出来ない。」
「真田(あなた)方を殺したくはない。」

「いいだろう。ヤマトのエースパイロットに送らせよう。」

「ありがとう。真田。」



「ヤマト航空隊隊長、山本へ。」
「此方、副長の真田だ。これより、新たな命令を伝える。」
「武装シーガルにて、イスカンダルへ赴き、スターシャをはじめとするイスカンダルに残る者を全て救助、速やかにヤマトへ帰投せよ。」
「尚、イスカンダルのアンドロイドを一緒に連れて行け。」
「速やかな任務遂行に期待する。以上だ。」

「此方、航空隊隊長の山本。了解。」



「…了解はしたものの、わざわざ武装シーガルで!?
「それだけ、救助する人数が多いと言う事か。」
「スターシャ、ユリーシャ…メルダ!?」
「他にもいると言う事!?」




「サーシアたちは、上手く南極側から脱出したようですね。」



「そのようです。」
「それと女王の間には、サーダを名乗る者しかおりません。」
「室内カメラにアクセスして確認致しました。」

「そうですか。わたくしたちも制御室へ向かいましょう。」




「……。」
「侍女の諸君。私をサポートして欲しい。」
「タラン参謀。デスラー砲(砲艦)を切り離せ。」
「貴公はディッツ提督を支えろ。」

「……総統。」

「これがタラン参謀。最後の命令だ。」
「ヤマトの艦長古代に回線を繋いでくれ。」

「侍女の諸君。白兵戦へ向かうとするかね。」

「ザーベルク!」




「デスラー砲艦、射出せよ!」
「デスラーズ、瞬間物資転送波座標入力!目標!ゴルバ最上部!

「転送波発射!!」




「古代艦長!デスラー総統から直伝!回線を開きます!」

「何?デスラーから直接か?」

「はい。ダイレクトコールです。」

「分かった。メインスクリーンへ繋げ。」

ヤマトの第一艦橋、上部中央に備えられたメインスクリーンに映し出されるデスラー総統。

「ヤマト艦長古代。地球の英雄である君に頼みたい事がある。」
「時間無いので失礼ではあるが、結論から伝える。」
「私の座乗する砲艦を追尾し、動きが止まったところを波動砲を撃て!」
「ゴルバのウィークポイントだ。」
「私に代わってスターシャを助けて欲しい。」

「……デスラー総統。いや、アベルト・デスラー。」
「済まない。ノイズが酷く、聞き取れない。早まってはスターシャ陛下が哀しむだけではないのか!?」
「波動砲は使わない!」
「我々はスターシャ陛下に波動砲を封印すると誓った…。」
「アベルト・デスラー。貴公の頼みは受諾出来ない!」
「地球は、いや、ヤマトに出来る事それは ガミラスを支援し、イスカンダルを救う事だけだ!」
「アベルト・デスラー。貴公を死なせない!」
映像通信は、そこで切れた。
古代が強制的にカットしたのだ。

「此方、艦長の古代だ!」
「これよりヤマトはデスラー総統と共にゴルバ内へ突入、白兵戦を敢行する!」
「総員!銃(コスモガン)の携帯を許可する!白兵戦に備えよ!」

つづく。


この物語りは私設定が混ざった《宇宙戦艦ヤマト2205ー新たなる旅立ちー》の二次創作です。
使用している画像はイメージです。また一部、Ps版「宇宙戦艦ヤマト・ イスカンダルへの追憶」等の設定資料から引用。拾い画を使用しています。

追憶の堕天使たちー第二話③ー

2019-12-22 18:00:00 | オリジナル

追憶の堕天使たち

第二話③


翌日を迎えた私はキマイラに乗りたくて仕方なかった。
でも、その願いはすぐに叶った。

「うむ。ガブリエル。分かった。」
「君の好きなようには飛ぶといい。」

私は、その言葉を待っていましたと言わんばかりに、格納庫へと走り出した。
発艦手順はもう既に習得済み。
私は颯爽(さっそう)とキマイラへ乗り込み、管制に従い、キマイラを飛翔(とばし)た。
私は時間にして二、三十分、自由気ままにキマイラを飛翔させた。
昨日の復習を兼ねて飛翔した。
そんな私に僕君は、私を試すかのように、ヘルハウンドを数機飛ばして来た。

少しの間、私はヘルハウンドと戯れた。
戯れて数分が過ぎたころ、ヘルハウンドの一機が私に襲い掛かる。

「えっ!?何?」

確かに模擬弾ではあったけど、これが実弾ならキマイラは、私は、被弾、最悪なら爆発炎上もあり得る。

私は僕君の無線が飛び込む前に、無意識に臨戦体制に移行していた。

「私とやり合うっての?」
「模擬弾だからって手加減はしないわ。」

「オートマタ=自動人形とは違うの私。」

模擬弾以外は本気モードのヘルハウンド。
そのヘルハウンドよりは余裕を見せつけるガブリエルのキマイラ。
七割程度で相手をしている事はメインモニタを覗くルシファーにも、確認出来た。

「余裕ありか。」
「ガブリエルにテレポテーション・ウイングを使わせたいものだな。」
「少し僕の能力を付け加えてみるか。」
ルシファーは残機二機に自身の魔力を加えた。

「えっ!?何?」
「急にやる気を出したかしら。」

今まで相手にしていたヘルハウンドとは、二癖も、三癖もあるヘルハウンド二機。
一機は、やたらと攻撃を仕掛けて来る。
もう一機はキマイラを巧みに追い回す。
ガブリエルは縦横無尽に飛び回りながら機体前部両脇に装着された陽電子粒子機銃内蔵型ウイングを感応波を送り、切り離す。

「仕方ない。これ、使うわ。」

ガブリエルは後方から迫るヘルハウンドをわざと引き付け、感応波を増幅させて、テレポテーション・ウイングを操り、やたらと攻撃を仕掛けて来るもう一機のヘルハウンドと格闘させた。

「遊びは終わりね。」
そう云いながらガブリエルはキマイラに急制動を掛け、追い回して来るヘルハウンドを先に仕留め、テレポテーション・ウイングと戯れるヘルハウンドへと急行、背後を素早く取るとテレポテーション・ウイングを引き下がらせ、機首に装備される20ミリバルカン砲を撃ち貫く。
それでも、ガブリエルの能力は八割程度と判断出来た。
母艦アルゴーメインコックピットの感応波センサーの数値も「82.765パーセント」と表示されていた。

「ガブリエル。よく頑張ったね。」
「少し、休もう。」
ガブリエルは、その言葉で感応波を正常値に戻し、アルゴーに帰投した。

「お疲れ様。ガブリエル。」

私は仏頂面を覗かせていたようだ。

「ガブリエル。君にはその表情は似合わないな。」
「君は如何なる場合でも、スマートな表情を見せれなけれならない。」

僕君がはじめて私に軽くだけど、叱責した。

「…ごめんなさい。」
私のA.Iは困惑しながら「最適な応対。」と、この言葉を選択した。

「ちょっとムクれた」ガブリエルも、可愛いよ。」
そう笑顔を覗かせて云った。

「……。」
僕君は、不機嫌な私も受け入れてくれた_。

僕君は私を「ギュッ」と抱きしめた。

私の中で感情が、揺れ動く。
何時の間にか私はスリープモードに切り替わっていた。

意識が遠退いてゆく_。

私はまた、あの悪夢を視た。



「…また、あの夢……!?」

想い人ルシファーに身を委ね、すべてを受け入れるガブリエル。
ルシファーの背中に腕を回し、やがてガブリエルの身体は弓なりに…
小刻みに揺れるガブリエルの身体…
ルシファーの優しい笑顔…
ガブリエルの頬に伝わる涙…
ルシファーとガブリエルの唇がやさしく重なりあう…

ゆっくりと瞳を開けるガブリエル…

だが、同時にルシファーの首が飛ぶ…。

「あああああーーーッ!!」

眼を見開き、叫びを上げるガブリエルは同時に大剣を天高く掲げる男の姿を目の前に観た。

「遂に儂の邪魔者。ルシファーの首、捕ったぞ。」
「フッハッハッハッハッ!!」

「このゼウスこそが、この世界を治めるに相応しいのだ!」

「フッハッハッハッハッ!!」

「儂にく跪ずけ!」
「さすれば、命だけは助けてやる!」
「逆らえば、お前が育んで来た愛を感情をすべてを壊す!」
「ルシファーがお前に与えたすべてを壊す!」

「さあ!跪付け!地面に頭を擦り付け誓え!」
「そして、そこにある長剣を取り、ルシファーを刻め!」

ガブリエルは身体を震わせるだけだった。

「どうした?すべてを壊すぞ!」
「誓え!」
「わたくしガブリエルはゼウス様のシモベ。ゼウス様の愛人。ゼウス様の児を産み、児はゼウス様の奴隷に捧げます。」と。

ガブリエルは震えながら裸体のまま、頭を床に着け、ぼそぼそと何かを口にした。

「ガブリエルよ。聞こえぬぞ。」

それでもガブリエルはぼそぼそと何かを呟くのを止めなかった。

「孤独に怯えた月は 空を抱きしめながら
涙で見えない 貴方を探して叫んだ
貴方の瞳に映る私は 笑っていた
もう二度と逢えぬ 微笑を前に
暗闇で叫び続ける 貴方が見える遠過ぎて…」

「壊れるほど私を 強く抱きしめて
もう一度逢えるなら 夢の中でいい
永遠の眠りをください
壊れるほど私を 強く抱きしめて
夢から醒めては消える 貴方の笑顔も
愛し過ぎる その声も
もう一度 逢えるから 約束したから
溢れるほどの愛で 優しく包んで」

「永遠の眠りをください 貴方が見えない…」

「貴方が見えない…」

「聞こえぬか?」
大剣を掲げる男はガブリエルを覗き込むように屈んだ。

ガブリエルは少し顔を上げ、「ならば__。」

ガブリエルはゼウスを睨み上げると、素早く床に落ちる長剣を拾い上げると、一気にゼウスの方へ走りだし、天高くジャンプしながらゼウスに斬りかかる。
思わずのけ反るゼウス。
長剣は振り下ろされ、ゼウスの一物を斬り墜とした。
ゼウスの断末魔の叫びとも思える叫び声が、響き渡る中、ゼウの顔がルシファー変わる。

「……僕君…?」
「私は僕君をルシファーさんを斬ったの!?」

「嘘よ…私の想い人ルシファーをこの手で……。」

震えるガブリエル。
涙を流して震えるガブリエル。

ゼウスのニンマリと嫌味な顔がガブリエルを覗き込む。

「想い人を殺めた気分は、どうだ?」
「フッハッハッハッハッ!」
豪快に笑う声、ニンマリと笑うゼウスの顔は次第にルシファーの声と顔に変わった。
聞き覚えのある声がガブリエルのメインA.Iを刺激する。

「ガブリエル。トドメをさすんだ!」

「……僕…君!?」

「自分が信じた路を進むんだ。ブレてはいけない。」

「…でも、僕君…ルシファーさんを殺せない…。」

「殺るんだ!ガブリエル!」

「あれは僕じゃない!奴はゼウスは僕に化けた偽者だ!」

長剣を構え直す私。

ゼウスとルシファーの顔と声が入れ替わる。
目まぐるしい程に入れ替わる。

私は目を閉じ、"心"に従った_。


目が覚めた時、私は僕君=ルシファーさんに抱かれていた。
私の頬に伝わる涙。

「もう、大丈夫だから。」

緩やかな笑顔を覗かせ、再び涙が頬を伝う。

「僕…君…ルシファーぁぁぁぁぁーーーッ!」



ルシファーは、そっとガブリエルを抱き寄せ、髪をなでた。
「あの時の約束をブレる事なく守れは大丈夫だから。」

「…うん。」

愛を深める二人をやさしく銀河の星々の淡い光が、包み込む_。


一方、火星では同時に造りはじめた【火】【水】【械】の摩天楼は完成した。
これにはからくりがあった。


【時の魔術者カイロス】

時の魔術者カイロスが時間を操り、僅か二日間で、休み無くアンドロイドたちに造らせた。
この二日間を二十日間の時間に拡張して造らせたのだ。
簡単に云えば時間の流れを超が付くほど早め、アンドロイドたちを動かし、造らせたのだ。
勿論、完成後には進められた時間は、元に戻される。
だが、その分、酷使されたアンドロイドたちは、メンテナンス施設に送られ、初期化、新たな製造番号を与えられ、アップデートを施し、主であるカイロスの元に戻される。
何事も、なかったように。

「あと二日もすればアップデートされたアンドロイドたちが戻る。」
「その二日後には、残りの摩天楼【大地】【風(気)】そしてルシファー様の母上様の摩天楼が完成する。」


第二話④へ
つづく。

ーあとがきー

この物語りは、趣味を含むオリジナル作品です。

冒頭に引用書きした闇の柊焉
RETURNER~闇の終焉~
作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.Cの曲を視聴した時、"これだ"と感じた、この物語りのヒントと成ったのをきっかけに加え、古の神話を今時風の神話を書いてみたいとの思いから、書いてみる事にしました。
使用している画像は挿し絵的イメージです。
また、一部の画像は、インターネット内に出回っている数有る画像から引用したものです。
※一部、Wikipedia及びYouTubeより引用。

追憶の堕天使たちー第二話②ー

2019-12-21 21:01:00 | オリジナル

追憶の堕天使たち

第二話②


ルシファーの能力の一つ、瞬間移動=テレポテーションで、火星軌道上に浮遊するアルゴーの艦(ふね)のコックピットに、移動したルシファーとガブリエル。

「ガブリエル。もう目を開けても大丈夫だよ。」
ギュッとルシファーにしがみつくガブリエルに、やさしく声をかけるルシファー。
床に足が着いている事が確認出来たガブリエルは、安堵の表情を浮かべた。
「ポッ」と紅く染まるガブリエルの頬。

「…ありがとう。」
「えっ!?じゃなく、一瞬でしたね。」
あたふたと何を話して良いのか、少し困惑気味のガブリエル。
ムリもない、ガブリエルの中には、愛という感情も育っていたのだから。

ガブリエルは、「ふと。」思う。
「これが"愛"…。」
「怒り、悲しみ、恐怖、嬉しい…色々な感情。」
「これが僕君の云った"感情"!?」
「私のA.Iは、無限に学習する事が出来る。」
「…でも、本当に正しいのかは解らない。」
「何度も、同じ事を繰り返す事で、正しいと認識するから。」
「…感情………。」

「私は機械的な人間…。僕君は云った。ガブリエルは人間に成れると…。」

「私は製造時とは違う身体をいくつか換装されて来た。」

「でも、まだ僕君は、進化すると云ってたな。」


【ガブリエル:第二形体】


私が乗船しているアルゴーの艦(ふね)は、全長が450メートルも有る、この時代の超弩級と云っても過言ではない程の大きさだ。

私以外は、名も無きアンドロイド。
製造された初期の私と同じ。
番号が名前のようなもの。
それと、僕君が設計した小型の戦闘A.Iを搭載した遠隔操作可能で可変ブースター装備及び、分離型格闘機:ヘルハウンドが6機、積み込まれている。
そして、薄紫色=ホワイトパープルに塗られた機体は私、専用機:キマイラ。
外見こそ量産機のヘルハウンドと同じなのだけど、私のキマイラは戦闘A.Iが外された仕様なの。
それは汎用アンドロイドと違い、私には感情というものが存在するから、僕君が云うにはA.Iがサポートではなく、感応波対応。
A.Iは、逆に邪魔者に成るからなんだって。
私の感情を感応波に変換して、一度に多種多様の行動や攻撃、防御を私だけで行え、キャノピーは、母艦同様にトラクタービーム防御膜でコーティングされた特別仕様。
キマイラは、ライオンの頭と山羊の胴体、毒蛇の尻尾を持つ特殊な魔獣。
そのキマイラに因んで私の機体を開発した。

僕君は、強化訓練の前に、この機体の基本操作を覚えろと、先ずは自由に飛び回れと云った。
私はキマイラに乗り込む為、僕君の司令に従い、バージョン・フリー・フライトを行う為、艦後部格納庫へ降りた。
私は迷う事欠く自機に歩み、タラップを上り、キマイラのコックピットへ収まった。
感応波対応ヘルメットを着用、指示に従い、フライトスタンバイに入った。
オートによるスタンバイが終わり、機体はハンガーに吊るされカタパルトへ接続された。
管制オペレーター・アンドロイドが射出角度を調整、私はハンガーに吊るされた機体の傾きに一瞬、焦りを感じた。

「おおっ。」
インカムを通して、私の声は僕君に届いていた。

「大丈夫だ。ガブリエル。オートで全てやってくれる。」
「今日はその感覚に慣れるのと、フライト手順をマスターする事が重要課題だから。」
「ガブリエル。君なら、落ち着いてやれば一回でマスター出来るはず。」

僕君の言葉に落ち着きを取り戻した私。
管制オペレーター・アンドロイドの「キマイラ、テイクオフ。」の指示に従い発艦させた。

物凄い加速だ。
身体がシートに押し付けられる。
苦しさを感じた。

「これがG=重力というものなのか!?」
「射出された勢いが止まらない!」
その思いも束の間、機首や後部ウイングに装備されるスラスターが、青白い炎を小刻みに吐き出す。

スピードが落ちてゆく。

「ガブリエル。君の思いをコントローラーに送るんだ。」
「君の思い描いた通りに飛んでくれるから。」
「大丈夫だよ。ガブリエル。」

私は云われた通り、飛翔するイメージをコントローラーに送った。
この宇宙を、星々を縫うように頭に思い描いた。
右に左に、時には上に下にとイメージ通りに飛んでくれるキマイラ。
私中で気持ち良いと、私を煽るもう一人の私。
私は星座を描くように飛翔した。

「素晴らしいよ。ガブリエル。」
僕君がインカムを通し、誉めてくれる。
「もっともっと飛翔したいと」もう一人の私が告げて来る。
私はそれに応えた。
一時間ぐらい飛翔した。
飛行エネルギーの残量が少なくなり、私は帰投した。
着艦もオートで機体が全てをやってくれた。
私はその手順をインプットするだけ。
自機を降りた私を僕君が出迎えてくれた。

キマイラ。私、この子が好き。
機首がスーと長めでコックピットはやや後方にマウントされている。
その後ろにメインエンジン二機が付く。
メインエンジンの下に可変ブースターが二機。
尾翼は、その可変ブースターの下に付く。
メインエンジンと可変ブースターの間に主翼があり、長めの機首の両脇にはバルカン砲が装備させている。
そして、機首の下にぶら下がるレーザー砲。
主翼の前部にはショットカノン。
オプションで主翼の下にはミサイルランチャーが二基づつ装備が可能。
下部には四連装のグレネード弾の発射機。

たま、明日になればフライト出来る。
私は笑顔を覗かせていた。


【戦闘A.I搭載・分離ウイング可変ブースター型格闘機ヘルハウンド/特別仕様キマイラ】
・自立型A.I搭載(ヘルハウンド量産機)
※ガブリエル専用機キマイラには搭載されていない。

・単独での大気圏突入・離脱が可能(共通)

・バルカン、レーザー、ショットカノン(陽電子粒子砲)を標準装備し、オプションとして対空ミサイルランチャー、グレネードを装備可能。
(全て共通兵装)

・超低空/低空及び空間格闘用(イェーガーモード)可変ブースターを任意で変形可能。(ホバーリング行動)

メインウェポン

・バルカン
口径20ミリ弾を発射する。
破壊力の点では他の武器に劣るが、連射性がそれをカバーしている。

・レーザー
敵を貫通する威力の高い武器。
発射中に機体を移動させれば、攻撃有効範囲も広がる。
障害物を超えて目標を攻撃できる利点を持つ。

・ショットカノン(陽電子粒子砲=荷電粒子砲)
砲弾として陽電子粒子を加圧、圧縮した荷電粒子ビームを放つ武器。
連射することも可能だが、その本来の威力は、エネルギーを最大までチャージした時に発揮される。
単なる荷電粒子による破壊効果のみならず、目標との対消滅が期待できるが射程距離が短い。

・グレネード。
後方の敵を攻撃するために利用される。目標手前で裂く弾、爆風を発生させ、それに触れる目標にもダメージを与えられる。

・対空ミサイルランチャー。
目標選択アルゴリズムにより、ミサイル同士は、同じ目標を狙わないという機能を持ち、複数の敵を効率よく倒せる。
攻撃力も高いが弾数に限りがある。

・イェーガー(猟兵/猟犬)モード
後部ブースターエンジン2基を機体下部に移動させる事でホバリング超低空モードに切り替える事が可能。
戦闘機でありながら、地上戦も行える。(共通)※イェーガーモードが猟犬に見える事そして、量産機の機体カラーがブラックな事から悪魔の猟犬=ヘルハウンドをイメージさせた。
その為、量産機をヘルハウンドと名付けた。

・テレポテーション・ウイング
分離したウイングを感応波で遠隔操作し、目標を攻撃する。(ガブリエル専用機キマイラのみ)


第二話③へ
つづく。

ーあとがきー

この物語りは、趣味を含むオリジナル作品です。

冒頭に引用書きした闇の柊焉
RETURNER~闇の終焉~
作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.Cの曲を視聴した時、"これだ"と感じた、この物語りのヒントと成ったのをきっかけに加え、古の神話を今時風の神話を書いてみたいとの思いから、書いてみる事にしました。
使用している画像は挿し絵的イメージです。
また、一部の画像は、インターネット内に出回っている数有る画像から引用したものです。
※一部、Wikipedia及びYouTubeより引用。


追憶の堕天使たちー第二話①ー

2019-12-19 20:59:00 | オリジナル

追憶の堕天使たち

第二話①


ガブリエルの強制的強化中、大天使長、後の堕天使「悪魔王」ルシファーは、右腕的存在のミカエルに、次の段階に移る事を告げだ。

爽やかは風がルシファーの前髪をかきあげる。

「ミカエル。ガブリエルの強化が順調のようなので、まぁ。順調でなけへば、困るが。」
「次の計画を進める。」

「私は摩天楼を築き上げよと思う。」
「この惑星(かせい)には、浮遊大陸が六つ存在する。」
「私は、その六つの浮遊大陸に六つの摩天楼を築きたいと、考えいる。」

「摩天楼…ですか?」

「そう。摩天楼。」

「火・水・土・風・械(自動人形)そして、我、母上の塔、この六つの摩天楼(塔)だ。」


【土】
固体的状態の象徴であり支えである。
絶対的な重さを持つ元素で、自然な状態では、すべての元素の中心に位置する。
本来の状態では静止しているため、この元素が優勢な物質は動かなくなり、また離れてもそこへ戻ろうとする性質がある。
物質を硬く安定的で持続するものにし、外形を維持し、保護する。
基本の性質は冷・乾で、二次的な性質は密、重、硬などである。
錬金術における土の記号は、水の落下を止めたり中断させて、流動性を失わせることを示す 。

【水】
流動性の象徴であり支えである。
比較的重い元素で、自然な状態では、土を含み、空気によって含まれる位置である。
基本の性質は冷・湿である。
水の存在意義は、物質の形を扱いやすいものにすることであり、湿の性質によって、柔らかく形を変えられるという二次性質を物質に与える。土の元素のように、物質の形を維持するわけではないが、湿気を保つことで、物質が砕けたり散逸するのを防ぐ。
上昇する火に対し、水は下の方に流れて隙間を埋め、火が膨張させたものを縮小させる、求心的・生産的な元素である。水と火は、対照的であると同時に相補的であり、お互いに引き合い結合してものを生み出す。
錬金術における水の記号は、子宮の典型的表示であり、火の記号と重なって、大宇宙を象徴する六芒星をなす。

【気(風)】
揮発性の象徴であり支えである。
自然な状態では、水の上、火の下に位置し、比較的軽い元素である。
基本の性質は熱・湿で、物質に多孔性、軽さ、希薄さといった二次性質を与え、上昇できるようにする。
錬金術における空気の記号は、火を止めたり中断させることを示す。
すなわち、どこまでも上昇する火に対し、気は一定以上上昇することはなく、火の力を和らげる。

【火】
上記の3元素よりずっと微細で希薄な元素で、自然な状態では、すべての元素の上に位置する。
生成や消滅の終焉する先であるため、火には絶対的な軽さが生じる。
光と熱と電気は分けて考えることが難しかったため、その3つの象徴的な支えであり、エーテル状流体という実体の観念に対応する。
それと同時に、物質を構成する究極的な微粒子の運動という観念にも対応する。
熱く乾いた元素で、明るさ、軽さ、多孔性という二次性質を与えられる。
空気をも浸透する力によって自然界を還流し、冷たく凝り固まった元素たちを解きほぐし、混ぜ合わせる。
その熱で物質の成熟や成長を可能にし、土と水の冷たさと重さの影響を軽減する。
錬金術における火の記号は、炎が燃え上がり、先で終わっていることを示す。
上昇・成長・膨張・侵入・征服・怒り・破壊などを暗示し、女性的な特徴を持つ水に対し、男性的な激しい気質を象徴する。

【械】
意味としては以下の通り。
・しかけ。からくり。道具。「器械」「機械」
・かせ。罪人の手足にはめて自由をうばう刑具。


「そこで、ミカエル。君には、これまで集めて来たアンドロイドたちを使い、摩天楼を造って欲しい。」
「私は、ガブリエルを連れ、天界から持ち出したアルゴーの艦(ふね)に一度、上がる。」
「そこでガブリエルを完全体に仕上げる。」

「仰せのままに。」
ミカエルは胸に右の手の掌を当てがい、頭(こうべ)を垂れると、「スー」と姿を消した。


ーアルゴーの艦(ふね)ー

火星軌道上にポツリと浮遊する艦(ふね)。
その艦(ふね)からは、創世記の地球、いや、今現在の地球の科学力を遥かに超えたテクノロジーが、詰め込まれた代物だ。
元々は帆船の船体で、大きさも百メートル前後の船だったのだが、ルシファーは、神々に気づかれぬよう、コツコツと密かに、これを改装、大型化したようだ。
船首は現在の地球の生物に例えるなら、"ヘラクレスオオカブトムシ"のような大きな角が上下に二本、施されている。
どうやら、この上段の角の部分には、中に乗り込む事が出来るように設計されているようだ。
中には、約数十名程、乗れるようだ。
主に海での漁、特に捕鯨などで使われる銛(もり)的な役割を持たせているのだろう。
中に乗り込む事が可能な事から、相手の艦船に乗り移り、白兵戦にも対応している。
そして、下段の角は遠隔操作が可能で、白兵戦時に陽動攻撃に使われる。
脚に当たる部分は小型機のハンガー・カタパルトに成っている。
射出時に射角の設定が可能。
艦(ふね)防御には羽に当たる部分、四枚のトラクタービーム膜でコーティングさせた羽に引き寄せ、弾き返す。
但し、これはビーム兵器のみで、実体弾には不向きである。
腹部に当たる部分は主に格納庫区画、推進機区画である。




「やっとお目覚めしたようだね。ガブリエル。」

「あっ。僕君。」
目をパチクリさせながらガブリエルが云った。

「…僕君?」

「あっ!ごめんなさい。ルシファーさん。」
「…ルシファーさん。何時も僕はって話すから、私の中では「僕君」と認識してたの。」

「なるほど。」
「構わないよ。僕君で。親しみがあっていいね。」

「ポッ」と頬を紅く染めるガブリエル。

「そうそう。肝心な事を忘れるところだった。」
「ガブリエル。少し宇宙旅行へ出掛けよう。」

「…宇宙?」

「そう。宇宙。」
そう云いながらルシファーは空を指、指した。
「空の上だ。」

「空の上…宇宙?」
「僕君といっしょなら、お供致します。」

「話は決まりだ。」

「ガブリエル。目を瞑って。」

ガブリエルが目を瞑るとルシファーは抱き寄せ、「キャッ。」と思わず声を漏らすガブリエル。
「ハッ!」と一言、気合いを入れると瞬間にしてアルゴーの艦(ふね)コックピット内に移動した。


第二話②へ
つづく。

ーあとがきー

この物語りは、趣味を含むオリジナル作品です。

冒頭に引用書きした闇の柊焉
RETURNER~闇の終焉~
作詞:Gackt.C 作曲:Gackt.Cの曲を視聴した時、"これだ"と感じた、この物語りのヒントと成ったのをきっかけに加え、古の神話を今時風の神話を書いてみたいとの思いから、書いてみる事にしました。
使用している画像は挿し絵的イメージです。
また、一部の画像は、インターネット内に出回っている数有る画像から引用したものです。
※一部、Wikipedia及びYouTubeより引用。