日曜日の夕暮れ時…
散歩がてら、裏道を歩いていると、
どこかの家の窓からこぼれた、カレーライスの匂いに、ふと、懐かしい気持ちになり、立ち止まりました。
今時は、都会の間取りはどこも硬いから、昔のような夕食の支度で、軒先を漂う香りなど、都会では、もう珍しいことです。
たかがそれだけのことなのに、ノスタルジックでセンチメンタルな気分に浸れる僕がいました。
僕の人生など、本当は、そんな単純なものなのでしょう。
それを、難しくしているのも自分で、逃れられないと決めつけているのも、また、自分なのでしょう。
日曜日の夕暮れ時の、穏やかな優しい時間。
それを僕は、平和と呼ぶことにしました。
いつも、こうして平和でいたいと願います。
人それぞれに、育つ環境が違うと、平和の定義も違うから、世界のバランスは、折り合いでしかない。
もしかしたら、こんな、ありふれた日曜日の夕暮れ時の情景こそが、誰もが共有できる平和なのではないでしょうか。
そして、それが、また新しい月曜日の朝を迎えることになるんです。
きっと…