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陽だまりとノラ藤子

2014-01-03 | 諸行無常…let it be
この街で見つけた小さな唄

寝正月な高田馬場は、スカっ晴れ。

時々、小さな北風が、股間をひゃっこく吹き抜けるくらいで、穏やかな午後だ。

裏道に沿って散歩にでた。
諏訪公園の坂の途中に、陽だまりで居眠りをする野良の藤子がいた。

藤子との出会いは、昨年の春だ。

公園は、まだ桜で満開だった。
だから、3月下旬あたりだろうか。

毛並みも綺麗だから、どこかの飼猫かもしれないが、野良特有の鋭い目力を持っていた。

早い話、本当はそんなことはどうでもよくて、大好きなノラジョーンズを彷彿させる何かを、パッと見で、このネコ様に一目惚れしたのだった。

ぽっちゃりプロポーションで、白と黒のまだらな目元が、妙に色っぽいから、藤子と名付けた。

よっ!
100万ドルの悩殺スマイルで、今年もよろしく…軽く口説いてみるのだが、藤子は、今年もなびく様子もない。

薄目で僕を確認しただけで、すぐにまた居眠りを始めた。

退屈してる時の藤子は、ウットリした眼差しで僕にスリスリしてくるくせに、そうじゃない時は、ただ冷たくあしらわれてしまう。

藤子の隣に腰を下ろし日向ぼっこに入れてもらった。

嫌がるかとおもいきや、まぁ仕方ない…そんな顔でチラ見をすると、また藤子は居眠りを決め込んだようだ。

青い空を、時々思い出したように、綿菓子みたいな雲が通り過ぎて行く。

昨年から、青空と言わず、空を眺めることを始めた。

都会暮らしは、天気模様で空には気づくが、空を見上げることは本当に少ない。

なんともったいないことだ。

ある友のことを思い出していた。

ある友との別れを思い出していた。



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